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   2005年3月15日号
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インドネシア国際緊急援助隊 撤収を開始
陸自先発隊44名が帰国
初の統合運用、最大1000隊員で被災者救援
成田空港を経て東千歳駐屯地に帰隊する派遣隊員
 インドネシア国際緊急援助隊の陸自医療チーム等44名が3月6日、約3ヵ月間の任務を終え、成田空港に帰国した。これは、自衛隊初の統合運用態勢のもと派遣された陸海空1000隊員の一部で、今後、海自輸送艦「くにさき」、護衛艦「くらま」、補給艦「ときわ」、空自C-130 2機等は、残りの派遣隊員や大型ヘリなどの装備品を搭載、3月下旬までに順次帰国することになる。
我が娘を抱き上げ、ひさしぶりの再開に感慨もひとしお
インドネシア軍からの記念品の贈呈
 昨年12月26日に発生したインド洋大津波の最大の被災地インドネシア・アチェ州で医療や輸送支援にあたった国緊隊の活動実績は、これまでに陸自が診療5774名、予防接種2277名、防疫13万3800u(東京ドームの約10.3倍に相当)、大型ヘリコプターによる物資輸送157.3d、海自が物資輸送1.3d、輸送艦「くにさき」からLCACで重機等34両を運んだ海上輸送、空自がC-130による物資輸送208.1dなどとなっている。また、インド洋から帰国途中の護衛艦「きりしま」、同「たかなみ」、補給艦「はまな」が12月29日、一早くタイ・プーケット島沖に到着、被災者の捜索・救助を実施して57遺体を収容している。

邦人不明者遺体を鑑定
歯科医官2名も帰国
 インドネシア・スマトラ沖地震で被害にあった邦人身元不明者の遺体鑑定を行うため、タイ・プーケットに派遣されていた歯科医官の高田英記3陸佐(高射学校衛生課)と染田英利3空佐(航空医学実験隊)が1ヵ月の任務を終え、2月28日、帰国した。
 この派遣は外務省の要請を受けて実施されたもので、自衛隊の医官が海外における身元確認作業に携わるのは今回がはじめて。
 高田3佐と柴田3佐は派遣の間、15名の邦人行方不明者の特定を目的に、1日約20件の歯型写真及びレントゲンの照合を行うとともに生存情報と不明情報のデータベースを作成。約1ヵ月で3500名の遺体の中から5名の邦人を特定した。
 現在、歯型鑑定は身元不明者の確認手段として最も有効とされており、生存時の歯型や口の中の写真等が揃っていれば最短1週間での鑑定が可能。今災害の被害者もこれまで身元確認がされた500体のうち、9割が歯型鑑定による成果だった。
また遺族への遺体引渡しの際には、二人が直接家族に鑑定結果を告げ、見つかった経緯、一致の状況等を説明した。高田3佐はその時のことを、「どこかで生きていると信じる家族への説明はしんどかった」と振り返る一方、「ありがとうと言われてよかった。今後この分野で自衛隊として国緊隊と一緒に任務に就ければ」と話していた。

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