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   2004年4月1日号
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コンセプトは「質実剛健」
航空教育集団司令部 新庁舎が完成
<浜松基地>
 航空自衛隊浜松基地の航空教育集団司令部新庁舎がこのほど完成し、3月12日、新庁舎竣工行事が行われた。新庁舎は、鉄骨コンクリート造地上3階、地下1階建てで、建設面積4,530?、正面には、玄関ロータリーと儀じょう広場がある。
 この建物は、部隊の誇りと伝統を象徴する建物であり、また、多くの来訪を受ける施設でもあることから、航空自衛隊の威信を示す重厚さと「質実剛健」をコンセプトとし建設されている。建物の外観は、中央エントランス部分を中心としてシンメトリーな外観を構築し、3階のホール部分の階高を上げることにより中央部分を強調している。デザイン的要素としては、縦方向を強調し、重量感を持たせるため、構造は外柱方式、外装はレンガ調タイル張りを採用している。また、車寄せの高さは、大型バスの運行が可能なように約4mとし、柱は花崗岩張りである。
 この日は、中部航空音楽隊の演奏会に続いて、11時から行われた竣工式には、吉田正・航空教育集団司令官はじめ堀好成・浜松基地司令ら基地所在部隊長、静岡地連部長、また部外から、山下善彦・参議院議員、長谷川正榮・浜北市長、航空教育集団歴代司令官、平野孝雄・静岡県西部防衛協会会長、鈴木加世子・浜松基地夫人協力会(芙蓉会)会長や建設に係わった業者など約150名が出席した。
 式では、吉田司令官が「今年は、自衛隊がイラク国民の人道復興支援にあたるなど大きな変革の年。新庁舎でも国民の負託、空自の期待に応える人材を育成したい」と挨拶。また、来賓者の代表として山下参議院議員が、イラク人道復興支援に頑張っている隊員が無事帰って来ることを祈念してはじめられた黄色いハンカチ運動などを紹介しながら「この立派な施設を有効に活用し、日本の国民、国家のために更に精進し、活動するよう要望します」と挨拶した。
 その後、吉田司令官、山本隆之・航空教育集団幕僚長らによる「航空教育集団」の銘名石の除幕式、吉田司令官、山下参議院議員、阿部博男・初代航空教育集団司令官ら6人がテープカットをし、新庁舎の完成を祝った。
 また、竣工式終了後、招待者全員の記念撮影、庁舎案内なども行った。

米空軍6名、熊谷基地を研修
日米下士官の相互交流図る
 2月4日、米空軍横田基地の在日米軍及び第5空軍司令官付最先任下士官クラレンス・モアー上級曹長以下6名の上級下士官が、空自航空教育隊第2教育群(熊谷基地)上級空曹課程の研修に訪れた。=写真
 この研修は上級空曹課程の教官の呼びかけにより実現したもので、研修者のモアー上級曹長は上級下士官アドバイザーとして、在日米軍及び第5空軍に所在する1万4,000人以上に及ぶ下士官の意識、福利厚生等について司令官に対し助言する立場の職務に従事している。
 一行は、本部庁舎玄関で第4術科学校准曹士先任・金井正美准尉、2教群准曹士先任・北川憲人准尉の歓迎の挨拶を受けた後、4術校長・林國満将補と2教群司令・中村吉志1佐を表敬訪問した。その際に、米軍との交流は任務遂行上重要であり、あらゆる機会をとらえての推進が必要であるなど話した。
 続いて2教群概況説明を受け、その後場所を第8中隊(上級空曹課程担当)に移し、教官の赤尾周次郎曹長による上級空曹課程の概況説明が英語で行われた。
 午後からは基地内研修をした後、入校中の第5期上級空曹課程学生に対し、米軍研修者による講話が実施された。講話は、上級下士官の責務、空軍リーダーシップの原則などの内容で、学生は真剣に耳を傾け、空自上級空曹として貴重な経験と知識を得た。
 一行は、同日夜に開催された上級空曹課程卒業パーティーに招待され、和やかな雰囲気のもと、お互いに今後、益々の日米下士官の相互交流と友好関係の更なる構築を誓い合った。

千歳基地准曹会が雪像づくりで慰問
 千歳基地准曹会(堅田幸紀会長)は2月20日、知的障害者更生施設・千歳いずみ学園新富分場で通所生と一緒に雪像製作を楽しんだ。
 同会の雪像製作は6年前から始まり、今回は、3メートル四方のアニメ映画「となりのトトロ」に出てくる『ネコバス』と同じ大きさのディズニーキャラクター犬『プルート』を約3時間で完成させた。

国井曹長自作の雪像、近所の評判に
 千歳基地2空団司令部広報室の国井勇治曹長は自宅の庭に雪像を制作した。
 国井曹長は、16年前から毎年、三人の娘のためにと制作を始め、その年のアニメ映画のキャラクターをモデルにしている。今年は、高さ4メートル、奥行4メートル、横7メートルの「ファインディング・ニモ」を1週間で完成させた。主人公のニモや巨大なサメ、ニモを捕らえるダイバーなどがリアルに表現されており、近所の評判となっている。

2空団も雪像制作
 2空団司令部広報室がこのほど、飛行機展示公演に雪像を制作した。
 雪像は横4メートル、縦3メートル、奥行3メートル。熊が怒っている姿を表現し、雪壁には樽前山や恵庭岳が描かれている。
 2日がかりで完成させた後、非情にも雨で融けてしまうというハプニングにもかかわらず、修復された雪像は、行き交う隊員や基地を訪れる人の目を楽しませている。

<話題の新刊>
防衛大学校の真実
矛盾と葛藤の50年
防大1期  中森 鎭雄 著
 自衛隊の中枢を担う幹部(将校)養成機関、それは自衛隊が目指す姿の縮図である。防大と自衛隊は、この半世紀どんな道を歩み、そしてどんな道を歩んでいくのか。
 元来が閉鎖的である軍事的組織。なかでもかつての将校に相当する幹部の肉声は稀だ。だが、長幼の序を重んじる組織の一期生、しかもガキ大将的存在で民間代表の講師も長く務めた筆者の前では、誰もが本音を語る。設立に関わった帝国陸軍幹部から現役自衛官、防衛庁長官や幕僚長、PKO司令官。さまざまな世代、役職から見た防大と自衛隊の矛盾と葛藤が、内部にしか知り得ない事実とともに明らかにされていく。
 自衛隊の設立より半世紀。だが、目を背け続けた半世紀である。いま語られねばならない自衛隊の実像、それが建前論や奇麗事でなく、問題提起や表に出たことのない現場の声でつかむことのできる出色の書である。(経済界・1,800円)

防衛ホーム 俳句コーナ
 丁字の香儀仗広場に流れくる  中矢 
 磯菜摘む人守るかに波やさし  石田 孝子
 夜桜に心妖しく揺れにけり  遠藤 風琴
 何もかも秘め囀(さえずり)の明るさよ  神部 しげ
 花びらの髪に解れしと思ひけり  鳥田 基三
 調教の馬を越えんと蝶高く  中村 かよ
 草橇(くさぞり)の子等来る土手や春の雲  松本 弘道
 夜桜に心の奥を見透かされ  松村久美子
 野遊びの未来に思ひはせながら  安福 箭子
 ほんのりと摘草(つみくさ)の香を籠に詰め  細野 清子
 犬ふぐり母の墓への道しるべ  本田すみ子
 兵士らの墓に故国の薔薇芽吹く  長尾 花子
 福耳の兄と弟柏餅  森 荘之助
 単線の駅長一人桜咲く  安田 清子
 目覚しに覚めず初音に覚めにけり  堀内ミサ子
 野の匂ひ口に拡ごる草団子  和田 渓山
 ポケットに口紅秘めて卒業す  原 つたえ
 飛花落花考へることなにもなし  高平 保子
 あはあはと白梅空に溶け込みし  西村 榮治
 蝶生れてそのよろこびの高さ翔(と)ぶ  西丸 寛月
     選者吟
 春怒濤人攫(さら)ふかに寄せ返す  保坂 伸秋
     (「栃の芽」誌提供)
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