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   2004年3月15日号
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東ティモールPKOに謝辞
グスマン大統領が石破長官と会談
松岡隊長(左)のエスコートで、照明ライトを浴びながら特別儀仗隊を巡閲する石破長官(中)とグスマン大統領(右)
 東ティモール民主共和国のグスマン大統領が来日、同国に派遣されている陸自部隊のPKO活動に対して謝意を表明するため、2月25日、防衛庁を訪れ石破茂長官を表敬した。
 午後5時半、グスマン大統領が防衛庁・自衛隊の高級幹部の出迎えを受け、防衛庁A棟正面玄関に到着、石破長官とともに登壇した。
 陸自中央音楽隊の両国国家演奏に続いて、松岡利治第302保安中隊長率いる特別儀仗隊の栄誉礼を受け、巡閲。
 引き続き、場所を大臣室に移して、グスマン大統領は石破長官との会談に臨み、束ティモール派遣部隊の活動を高く評価するとともに感謝の言葉を述べた。
 次いで、グスマン大統領はメモリアルゾーンを訪れ、自衛隊殉職者慰霊碑に献花したあと、市ヶ谷記念館を視察した。

イラク派遣
国連事務総長、初の国会演説
目本政府・防衛庁を高く評価
 アナン国運事務総長が来日、参院本会議場で2月24日、衆参両院の国会議員を前に国連事務総長として初めて演説した。
 アナン事務総長は、イラク問題で自衛隊の派遣など、日本政府、防衛庁の対応を高く評価、一層の支援を要請した。
 以下、演説の一部を抜粋「占領が終了すれば自動的に不安定な状態も終了すると期待することはできません。しかし、私たちが十分な役割を果たすには、更に安全な環境が絶対必要です。というのも、国連職員をより恒常的な形でイラクに戻す必要があるからです。すなわち、この先には困難な挑戦があるのです。しかし、国際社会が一致してイラク人を支持すれば、乗り越えられないものではありません。日本はこの挑戦に率先して向かい合ってきた国の一つです。貴国は、安保理決議の要請に応え、窮状に立ち向かうイラクに対して賞賛されるべき連帯姿勢を示されました。貴国は、私が設立した『イラクに関するフレンズ・グループ』に参加しています。貴国は、復興に対して寛大な貢献を表明されました。また、困難な議論を経て、貴国は人道復興支援を行うためにサマワに自衛隊を派遣されました。」(略)

<論陣>
次の6カ国協議も不調?
北朝鮮の身勝手さが理由
 ついさきごろ中国の首都・北京で開かれた6カ国協議(日本、中国、韓国、ロシア、米国、北朝鮮)でも懸案の核、日本人の拉致問題は、解決点を見出せなかった。結局は先送り。予定されていた共同声明も出せず、議長国の中国が「議長総括」という形でまとめただけ、中身は全く抽象的なものだった。
 そうなった原因は、第1回のときと同様、北朝鮮の”ごて”がまがり通ってしまったからである。この調子でいくと、6月までに開かれる第3回の協議も成功するかどうか気になる。
 こんどの会議が開かれる直前まで、北朝鮮はウラン濃縮プランを含めた「すべての(平和利用も入れた)核廃絶をする用意がある」と言明していたし、拉致問題についても、さも「在朝の家族を日本に引き渡す」態度を見せ、いろいろな形で”情報”を流し、さも、6カ国協議の期間中に解決できるように見せ続けていた。
 核廃絶と拉致が崩れたのは、協議2日目の2月28日である。文字どおり、突然、北朝鮮側が「核廃絶は兵器開発に限る」との声明を発したためである。
 北朝鮮の核の完全廃絶、完全な検証など、北朝鮮が二度と後戻りできない結論を出そうとしていた5カ国側は、北朝鮮のひょう変ぶりには、ただ驚くばかりだった。というのは、兵器開発に限られては、平和利用はもちろん、核兵器に使う前の濃縮ウラン計画の続行もできることになる。これでは6カ国協議を開いた意味は全くなくなるし、この姿勢が崩れなければ、これから何回、いや、何十回協議を行っても”解決”の二文字は出てこないのは明らかである。
 北朝鮮の変節が、一人、同国の代表である金桂冠外務次官の意思だけでできることではない。これまでの各種会議を見ていても、すべて「本国からの指示どおり」に動いている。朝約束したことが夕方には破られるようなことを各国はしばしば経験してきている。それにしても、こんどの変節はあまりにもひどい。特に議長役を買ってでた中国などは、腹の中は煮えくり返っているはずである。面子(めんつ)を重んじる中国の胸中は察するに余りある。
 これまで日本は対北朝鮮交渉の場では、もっぱら”お願い”の形を通してきたし、食糧その他の援助で「お願い事を実現」しようとしてきた。しかし、その交渉形式ではなかなか、らちがあかない。そこで、いまの国会で「北朝鮮に送金する場合、投資、貿易する場合の禁止」などを念頭に入れた法律「外国為替法」(改正)を成立させた。さらに外国籍船の入港禁止法も成立させようとしている。
 外為法が衆参両院を通過、成立したとき北朝鮮の中央テレビなどは、声高に「政府の公式声明」を読み上げ、強く日本政府を攻撃した。そして、こんどの6カ国協議では拉致問題を無視し「日本から拉致についての話し合いの希望があることは本国に伝える」の一点張りだった。
 北朝鮮は金正日氏が「こうしろ」といったことしか政府高官といえどもできないようだ。「会議ばかりやらず、お土産を手にして帰国しろ」金正日氏のそんな言葉が聞こえてくる気がする。要は「これまでの話を全部凍結してこい」という命令だったようだ。その後、6月までの間に中国あたりを通して日米韓に「凍結したこの分は解除する。そのかわり、北朝鮮に燃料、食糧をくれないか」と要求、日本や韓国が少し甘い態度を見せると、こんどは「ウラン濃縮計画を縮小じてもいいから米国に”北朝鮮を絶対に攻撃しない””北朝鮮の安全を保障する”との確約書を書かせてくれ」など、北朝鮮に有利な要求を小出しにしてくると見ていい。
 揺さぶりと時間稼ぎと脅し、この3点セットが、いま北朝鮮が考えている対5カ国外交カードであろう。
 また、北朝鮮がにらんでいるふたつのことがある。ひとつは7月の日本の参院選、いまひとつは11月の米大統領選である。参院選で自民党が大敗すれば政局は大混乱。ブッシュ大統領が敗れれば、これまた世界が大混乱する。このふたつの行方がはっきりするまでは完全な形での”核”の結論を出す気がないのかも知れない。

装備の能力向上に貢献
防衛庁職員16名表彰
<防衛弘済会>
 平成15年度防衛技術奨励賞贈呈式が3月1日、防衛庁A棟講堂で行われた。
 この賞は、(財)防衛弘済会が主催し、技術的な発明・考案、創意工夫により自衛隊装備の能力向上に貢献のあった防衛庁職員を表彰するもので、今年度は16件、16名が受賞した。なお、昨年度までの32年間に1,394件、1,862者が表彰されている。
 午前11時、防衛庁・自衛隊の高級幹部や各機関、外郭団体の長はじめ関係者多数が列席する中、夏目晴雄(財)防衛弘済会会長が受賞者一人ひとりに賞状と副賞を贈呈した。また、受賞者には、草津辰夫理事長からメダルも贈られた。=写真
 次いで、夏目会長が挨拶に立ち、ハイテク化が進む世界情勢やイラクに派遣されている隊員の活動について触れながら「我が国でも創意工夫の着意が必要」と強調、受賞者の平素からの研鑽を称えた。守屋武昌事務次官の代理として安江正宏参事官が祝辞を述べたあと、受賞者を代表して船田吉丸技官が「この受賞を機に、技術進歩の著しい状況の中で、今後ともより一層、防衛装備品の発明・考案、創意工夫に励みます」と挨拶し、式を終了した。
 受賞者は次のとおり。
 〈発明〉船田吉丸技官〈創意工夫〉▽渡邊幸広1陸尉▽佐々木経雄1陸曹▽松尾隆1陸曹▽渡邊淳一2陸曹▽阿部文男2陸曹▽中澤学2陸曹▽原和也2陸曹▽大町勇二技官▽井上一義陸曹長▽磯貝忠義技官▽後藤紀夫技官▽森利口正二2海曹▽蔵田衛(もり)紀空曹長▽冨田英明3空曹▽鈴木尚也技官 (金澤修治)

防大、防医大で合格発表
 「防衛大学校本科第52期学生一般採用試験」と「防衛医科大学校医学科第31期学生採用試験」の合格者がそれぞれ2月12日に発表された。
 防大の今期合格者は、理工学専攻1,104名(うち女子88)、人文・社会科学専攻198名(同24)の合計1,302名(同112)で、理工、人社合わせて1万3,647名が受験し、競争率は理工7・7倍、人社25・7倍となっている。
 一方、防医大の今期合格者は231名(うち女子44)で、競争率は22・9倍だった。

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