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   2004年2月15日号
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選ばれた「誇りと自覚」
派遣隊員記者会見
「前傾姿勢」の薩摩隼人
イラクへ派遣される本隊隊員を代表し、群長以下7名が記者会見でインタビューに応じた。家族や国民に向けて熱いメッセージを会場に残し国際貢献に出発した。
 記者会見で登壇した「第1次イラク復興支援群」群長・番匠幸一郎1陸佐は、「日本人らしく誠実に心をこめ、武士道を誇りとする自衛官らしく、規律正しく堂々と任務を完遂する。国民の皆さんには今後とも支援をよろしくお願いします」と挨拶した。
 隊旗授与の感想は「大変名誉なこと。懸命に尽くしてイラク人のためにささやかながら協力したい」と抱負を述べた。また留意する点として、「誠実に」「規律正しく」「団結し」「安全と健康に配慮」の4点をあげ、隊員に呼びかけていると語った。
 「現地での期待と歓迎はありがたく受け止め、応えるようにしたい」。また自衛官になった理由を質問されると「自衛官の父の背を見て育ち、あこがれた」と胸を張って応じた。モットーは「前傾姿勢」。印象に残った仕事は、「1つ1つすべて。小隊長時代の泥と汗、レンジャー訓練、中隊長時代、外務省時代の外の空気、すべてが今の肥やし」と振り返った。
 さらに「名寄は日本一。自衛隊と地元が友好的。以前から最前線の意識をもち、今回も最前線の認識で臨みたい。1人でも多くの国民の支援を得ることができれば隊員一同これほど嬉しいことはない」と語った。(写真=「規律正しく誠実に」が番匠群長の抱負)
6名の隊員が会見。選ばれたことの「光栄」「誇りと自覚」「気負わず完遂」
 派遣隊員を代表して、6名がインタビューを受けた。
 給水隊長・重信勝利2陸佐は「献身的に誠実に業務遂行」「熱望し選ばれたことを誇りに思う。ニーズに積極的に応えていきたい」。また総理の訓辞に「誇りを深く自覚した」。現地の治安についての質問に「訓練しているし、安定している。砂嵐と暑さが機材に及ぼす影響を懸念している」

 施設隊長・森杉荘司3陸佐は「読まずに述べた訓辞は総理の本当の言葉だ。1人でも多くの人の生活基盤を回復したい。学校や道路を重点して補修する」

 衛生隊長・脇山博之2陸佐。「専門は外科。隊員の健康を守りイラク人の医療支援に精一杯努力する。身はひきしまるが冷静。医療はイラクも日本も同じ。ベスト尽くす」劣化ウランは「安全だという情報がすでにある」と述べ、「家族の写真は持っていきます」とポケットから取り出して見せた。

 本部管理中隊長・栫(かこい)和彦3陸佐は「ようやくここまできたか」という実感を述べ「食事・入浴・給水を整備するのが仕事。外で活躍する隊員を、できるだけ笑顔で内から支えたい」また「現地での交通事故が心配」と述べるも「情報と訓練で憂いはない」と語った。
家族の写真を取り出して見せる栫3陸佐
 衛生隊・看護班長・川上文子1陸尉。「いよいよだなと思う。気負わず淡々と任務を遂行したい」「しっかり任務をがんばれと、父から励まされた」。

 本部管理中隊人事陸曹・柴垣克己曹長。「熱望して選ばれたことを光栄と思う」「陸曹を代表してイラク国民に夢と希望を」さらに「規律をもって日本の自衛隊ここにありと言えるように任務完遂に努力したい」と語った。「お守りは仲間からいっぱいもらった。全て持って行く」。

旭川発、全国へ
「黄色いハンカチ・リボン運動」で
市民が派遣隊員を応援
 各地で「黄色いリボン運動」─。旭川の町、はためく黄色は自衛官の安全を祈る象徴だ。風水学で黄色は「喜び」や「向上心」を表すとされるが、黄色を「身を守る色」と信じたのはイギリスが発祥。現在では世界中で「愛・信頼・尊敬の色」「幸福の色」として信仰を集める。南北戦争時代のアメリカで、兵士の戦地での無事を祈る「黄色いハンカチ」の伝統が始まり、現在に至る。家の玄関や洋服などに黄色いリボンや布を飾って待つ。愛する者が無事に帰還するその日まで。
石狩川河畔の会場に自衛官が協力して作った大雪像の周りにも黄色い幟が立ち並ぶ
 イラク復興支援群の出発をうけて、旭川の町の至る所に黄色い旗が掲げられている。市全体で隊員の無事を祈り、全員が任務を完遂して笑顔で帰還する日まで応援を続ける。
 「ここらでは身内も多いのでひと事じゃない。子供でも自衛隊が出るわけを分かって応援している。国のためにがんばってるんだから」と話したのは市内飲食店で働く初老の女性。ご子息が上富良野駐屯地の衛生陸曹だという。「息子は心配だけど、嫌だからしないでいい仕事なんてないでしょう。応援します」胸には黄色いリボンがあった。
 【雪像囲む黄色いノボリ】
 市では恒例の「第45回旭川冬まつり」が隊旗授与式と同日、2月1日より開幕した。道北最大のイベントで、旭川市内中心部の石狩川旭橋河畔や常盤公園などを会場に開催される。
 旭橋河畔会場には、第2師団が作製協力した雪の城「ドラゴンキャッスル」(高さ28メートル幅90メートル奥行40メートル)など3基の巨大な雪像が建ち、各種イベントが催され家族連れで賑わっていた。周辺には市民の手により黄色いノボリが掲げられ、イラク復興支援隊員たちの無事を祈念してはためく。
 雪の城で遊ぶ父親と娘2人は「毎年楽しみにしている冬まつり。自衛隊の協力のおかげと感謝しています。黄色いリボンのかわりに黄色いコートです」「家の前にも旗を掲げよう」。滑り台の順番待ちの間に記念撮影をしながら話してくれた。
 【これからが本番】
 旭川発、全国へ──。「黄色いリボン運動」の呼びかけは徐々に広まり、各所で自衛隊OBや関係者が胸に黄色いハンカチやリボンをつけた姿が見られるようになった。当初からこの運動をサポートしてきたのは旭川地連。「これから隊員の家族を温かく援護し、対応など行います。地連としてイラク復興支援を影ながら支援したい。がんばります」地連援護官も決意新たに語ってくれた。

派遣隊員の無事帰還を祈り
「黄色いハンカチ運動」に参加しませんか
旭川地連 予備陸士長 矢吹 健一
 イラクへ派遣される陸上自衛隊第2師団の隊員の無事帰還を願い、旭川市内の会社経営者ら数人の有志が「黄色いハンカチ」を建物に掲げたり、身につけたりする運動をはじめました。
 これは北海道を舞台にした映画「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」の中で、妻が夫の帰りを待つ「印」として自宅前に黄色いハンカチを掲げるシーンがヒントとなったそうです。また、米国では黄色いリボンが「愛する人の戦場での無事を祈り、帰還を願うシンボル」となっているといわれています。
 有志の方は「ここを起点に、旭川発の運動を全道、全国に広め、道外も含めた全部隊がイラクから撤収するまで続ける」という話しでした。
 私は旭川職員として市内の中学校に勤務しており、同僚に対し市民である派遣隊員の無事を祈るためにこの運動への参加を呼び掛けている最中です。また、旭川市教育委員会にも派遣隊員の保護者を持つ生徒が通う小中学校の教職員も、その生徒や家族を励ます意味で取り組むべきだと働きかけているところです。
 私自身は新隊員教育時代につけた肩章が印象深く、黄色いリボンを肩に付けて派遣隊員の無事を祈りたいと思います。
 そこで全国の現役自衛官の皆様を初め予備自衛官、即応呼び自衛官の皆様もこの運動に参加してはいかがでしょうか。黄色いハンカチやリボンを身につけたり建物に掲げて、派遣隊員の無事帰還と健康を祈ろうではありませんか。
 特に社会で活躍する予備自衛官や即応予備自衛官の皆様は、派遣隊員の先輩であり、また後輩でもあります。一度は同じ釜の飯を食べ、風呂に入った仲間です。その仲間が今、復興先のイラクに派遣されるのが決まった中で、私たちも派遣隊員の無事を祈るためにこの運動に参加し、一般市民と一番かかわり合いがある予備自衛官、即応予備自衛官を通じて、幅広く地域社会にイラク派遣に対するご理解とご協力をお願いしていこうではありませんか。

第1音楽隊が定期演奏会
応募締め切りは2月27日
<第1師団>
 陸自第1音楽隊は「第28回定期演奏会」を開催します。概要、申込要領は次のとおりです。
 <日時>平成16年3月13日(土)開場:午後1時30分、開演:午後2時30分
 <場所>練馬文化センター(西武池袋線・地下鉄大江戸線 練馬駅下車)
 <出演>陸上自衛隊 第1師団第1音楽隊
 <申し込み要領>
 ◎往復ハガキに代表者の住所・氏名・年齢・電話番号、同行者の氏名・年齢を明記して、左記宛てご応募ください。抽選の上、無料でご招待いたします。〒179‐8523 練馬区北町4‐1‐1 第1師団広報「定演B」係
 ◎当選はがき1枚で2名様までご入場できます。
 ◎2月27日消印有効
 ◎入場者の中から抽選でヘリコプター体験搭乗にご招待
 ◎お問い合わせ рO3‐3933‐1161(内線218)第1師団広報班

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