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自衛隊ニュース   1052号 (2021年6月1日発行)
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米統合宇宙軍司令官が来省
宇宙領域での連携強化の進展で一致
 5月21日、米統合宇宙軍司令官ジェームス・H・ディキンソン陸軍大将が防衛省を訪問し、岸信夫防衛大臣、山崎幸二統合幕僚長および井筒俊司航空幕僚長と相次いで会談を行った。
 米統合宇宙軍は、2019年8月に再編成された戦略軍やサイバー軍に続く11番目の統合軍。航空自衛隊宇宙作戦隊が府中基地に新編されてから1年を迎える5月、ディキンソン司令官が昨年8月の着任後、最初の訪問先に選んだのが日本だった。
 山崎統幕長が立会の下、A棟講堂で栄誉礼・儀仗を受けたディキンソン司令官は、まず岸大臣と会談した。
 岸大臣は「日本の宇宙能力の整備を進めるにあたり、日米間で強固な絆を構築し、日米同盟を新たな段階へと進化させていきたい」と期待を述べると、ディキンソン司令官は、宇宙の領域は日米両国にとって非常に重要であると述べた上で「自衛隊としっかり協力をしていかなければならない」と応えた。
 続いて山崎統幕長、井筒空幕長とも会談。宇宙空間の安定的な利用の確保の重要性を確認するとともに、宇宙状況監視(SSA)を含めた、宇宙領域における日米間での連携強化を進展させることで一致した。

令和3年度 富士総合火力演習
学生等約3300名が「本物」感じる
 今年で63回目を数える「富士総合火力演習」が、今年も静岡県裾野市・御殿場市・小山町に跨る東富士演習場で5月22日に実施された。昭和36年に学生教育の一環として「富士学校の学生に対し、各種火器の効果と火力戦闘の様相を認識させる」(当時の目的)ために始まった「総合展示演習」(当時の呼称)。そして昭和41年に「国民への陸上自衛隊の理解を得る」(当時の目的)ために始めた一般公開。去年に続きコロナ禍のため今年も一般公開は実施できなかったが、隊員に装着したウェアラブルカメラや空撮用ドローンなどによるライブ配信は、「スタンドから見るのとは違う楽しみ方が出来る」と評判は上々だ。また、重要な場面等を効果的に撮影・放映することにより教育効果も増大だという。
 演習構成は、昼間前段で各種火器・火砲等の特性を踏まえた射撃を実施し、後段は国土防衛戦における陸上自衛隊の戦闘要領を展示。夜間前段は、夜間における火器・火砲等の特性・効果を踏まえた射撃を実施、後段は夜間における敵の進行阻止の要領を展示した。
 学生等約3300名が約3100名の演習部隊により実施された「各種学校等の学生に対し、普通科・野戦特科・機甲科の火力戦闘等、陸上作戦の様相を認識させ学生教育の資とする」(現在の目的)ための教育演習を見学した。ライブ配信などは、「領域横断的な防衛力の骨幹としての陸上自衛隊の役割について、国内外へ広く情報発信し、陸上自衛隊に対する更なる理解と信頼を獲得する」という現在の「一般公開」の役目も兼ねている。
 今年の「実弾を用いた最大の火力演習『総火演』」に初登場したのは、水陸機動団に配備されている汎用軽機動車(通称バギー)だ。また、久里浜駐屯地からは電子戦システム(NEWS)を、神町駐屯地からは無人偵察機(UAV)を初めて持ち込まれた。
 いつもとは違う観客席の作りだが、演習の目的は変わらない。「本物を見せる」ことに重点を置いた教育演習で様々なことを感じた学生たちのこれからが楽しみだ。

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