防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   1049号 (2021年4月15日発行)
-
1面 2面 3面 5面 6面 7面 8面

第2回 日・インドネシア外務・防衛閣僚会合
「防衛装備品・技術移転協定」に署名
 3月30日、東京都港区飯倉会館で、岸信夫防衛大臣及び茂木敏充外務大臣は、訪日中のプラボウォ・スビアント・インドネシア国防大臣及びルトノ・マルスディ外務大臣との間で、第2回日・インドネシア外務・防衛閣僚会合(2+2)を行った。前回の2015年12月から約5年3カ月振りの開催となった。
【両国の安全保障政策】
 日本側は、我が国は「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)の下で、(1)法の支配、自由貿易、人権といった国際社会の基本原則の普及と定着、(2)連結性の強化等を通じた経済的繁栄、(3)海洋安全保障を含む平和と安定のための取組、を柱として推進していることを説明。岸大臣は、「FOIP及びこれと多くの本質的な共通点を有する『インド太平洋に関するアウトルック』(AOIP)の実現に向けて両国の防衛協力を更に深めていきたい」旨発言した。インドネシア側もこれに同意し、日本との更なる関係強化を求めた。
【国間協力】
 両国は、防衛装備・技術協力を始めとする防衛協力を中心に2国間協力について意見交換を実施。第1回2+2で交渉の開始が一致した「防衛装備品・技術移転協定」が署名に至ったことを歓迎した。日本側は、本協定が具体的な装備品の移転に繋がることへの期待感を示した。また、岸大臣は、インドネシア海軍主催の多国間共同訓練「KOMODO(コモド)」への積極的な参加や寄港時における共同訓練等を通じて、インドネシアとの防衛協力を一層推進したい旨を述べた。これに対して、インドネシア側は日本の提案を歓迎。両国は、国軍司令官訪日の実現及び防衛当局間(MM)協議の早期開催で一致した。
【地域情勢及び国際場裏での協力】
 日本側は、海警法を含む最近の中国の動向について深刻な懸念を表明するとともに、両国は東シナ海及び南シナ海などの情勢について、力による一方的な現状変更の試みの継続・強化について深刻な懸念を共有した。
 また、北朝鮮のミサイル発射事案を強く非難するとともに、北朝鮮による全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な、検証可能な、かつ不可逆的な廃棄に向けて、国連安保理決議の完全な履行の重要性を確認した。
 さらに東南アジアとの更なる関係強化に向けて、岸大臣が、「ビエンチャン・ビジョン2・0」にのっとり、感染症対策を含む人道支援・災害救援分野やサイバーセキュリティ分野に関する能力構築支援等を通じて、引き続きASEANの強靱性強化に貢献したい意向を示した。インドネシア側はこれを歓迎した。
 また双方は、ミャンマー情勢については強く懸念し、引き続き緊密に連携していくことで一致した。
■日・インドネシア防衛相会談
 2+2に先んじて、3月28日、防衛省で日・インドネシア防衛相会談が行われた。以下の点を含め、2国間の防衛協力・交流を更に進めていくことで合意した。
(1)インドネシア国軍司令官の訪日(2)防衛当局間(MM)協議の年内早期開催(3)防衛装備・技術分野における協力案件の具体化に向けた協議の継続(4)インドネシアへの自衛隊の艦艇・航空機の寄港・寄航の実施(5)インドネシアでの共同訓練等の実施(6)多国間共同訓練「コモド」への自衛隊参加の協力(7)新型コロナウイルス感染症対策を含む人道支援・災害救援(HA/DR)分野での更なる協力の推進

令和3年度防衛省入省式
「がむしゃらに職務に邁進したい」
 新年度を迎えた4月1日、穏やかな春風が吹く市ヶ谷台では「令和3年度防衛省入省式」が行われ、将来の防衛省・自衛隊を担う事務官等53名が新たな一歩を踏み出した。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、昨年と同様に市ヶ谷における全機関合同の入省式を中止し、本省採用者のみが参加する式となった。本省以外の採用者は、それぞれ全国の部隊や機関等約150カ所で入省式をとり行った。
 密を防ぐため、間隔を空けて座る新規採用者たち。緊張の面持ちで式の開始を待っていたが、代表の岩本華苗事務官(防衛政策局)が辞令の交付を受けた後、堂々と服務の宣誓を行うと、新規採用者たちは自覚の芽生えと共に、表情も凛々しく変化していったように見えた。
 昨年同様に大臣訓示はビデオメッセージに。大型スクリーンに映し出された岸信夫防衛大臣は「国防という道を選んだ皆さんに対しあらためて敬意を表したい」と歓迎した上で、「国民の信頼を大事にしてください」「既存の枠にとらわれることなく新しいことに挑戦してください」「健康を大事にしてください」等と要望し、今後の活躍を期待した。
 式後、新規採用者2名が報道陣のインタビューに答えた。竹中凛太郎事務官(装備庁装備政策部)は「防衛省・自衛隊の進化や変革の原動力となることを目指して日々自己研さんに励み職責を全うしていきたい」と述べ、畑中我海事務官(統幕首席参事官付)は「初心を忘れず我が国の安全をお守りするという覚悟と矜持を持ってがむしゃらに職務に邁進していきたい」と述べた。

NEXT →
-
shop
-
マスク
-
日本の機甲100年
通販部
10
Copyright (C) 2001-2021 Boueihome Shinbun Inc