防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1034号 (2020年9月1日発行)
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雪月花
 世界の感染者数が2400万人(8月25日現在)を超えた新型コロナウイルス事件。第二波三波が到来するとどうなるのか、泥縄式でワクチンの開発に世界中の科学者が取り掛かっているが展望は開けているようには見えない。コロナの横暴,蹂躙を許してしまうのか。最後には人間もコロナも共倒れになった生き物のいない地球が無限の宇宙を寂しく回っている、そんなSF小説みたいなことにしてはならない。しかし状況は少しも前に進んでいない、ネズミ算式に近い増え方だ。ある県の知事は全く収束の目途がたたないと正直に語っている。厚生労働省はアメリカの製薬会社が開発したワクチン6千万人分を優先的に購入できる契約をしたという、さらにイギリス政府とも同じような契約をしたと言っているが米国の感染者は日本の100倍だ、自国の分が足りなくなったと言われればそれまで、英国にしても同じことだ。ましてや入手が来年6月では殆どの人には間に合わないのではないか。その時にはワクチン外交を進めようとしている隣国に頼るのか。生産も販売も一国に集中して反省が起きている産業界のように他国を頼る厚労行政は危険極まりない。うがい薬が効くということでさえ混乱の起きる現状、日本自身によるワクチンの製造・供給体制を一刻も早く整えておきたい。日本の感染は2月のクルーズ船ダイヤモンドプリンセス号の寄港から始まったが、直ちに自衛隊は同船の除染、感染者への対応に駆け付けた。「百年兵を養うは1日のため」という教訓にぴったり当てはまる防衛省・自衛隊の素早い行動だった、どんな有事にも即応できるということだ。米軍空母では1800人のクラスターが発生したり近くの国では更に大規模に拡散しているとの情報もある中、このミッションでは自衛官から一人の感染者も出していない。奇跡と言われるが積み重ねた演習の成果だろう。冒頭に書いた泥縄式とはご存知の通り泥棒を捕まえてから慌てて縄をなうという意味である。

サイバー競技会
<システム防護隊>
 陸上総隊システム通信団システム防護隊(隊長・平田高志1陸佐)は、サイバー攻撃等対処能力の向上及び部隊の団結強化を目的として、サイバー競技会「0x7E4電脳戦-SPUCyber Challenge-」を実施した。
 (0x7E4‥2020の16進数表記、SPU‥System Protection Unit)
 競技会は、術科の部(令和2年7月7日から10日)及び学科の部(同年7月20日から22日)で行われ、所属全隊員が参加し、それぞれ個人戦及び部隊対抗形式で競い合った。
 術科の部は、マルウェアの解析や秘匿された通信の解読、仮想サーバの調査等、情報セキュリティに係る様々なスキルを駆使して、問題の中から隠された答え(Flagと呼ばれる文字列)を見つけ出して得点を稼ぐCTF(Capture the Flag)方式で行われた。問題は、ネットワーク、プログラミング、フォレンジック、暗号、Web等の専門分野から出題され、5時間以内に獲得した総得点で勝敗が決まる。
 学科の部は、多肢選択式で行われ、CISSP(Certified Information Systems Security Professional)等の資格取得の際に出題されるような情報セキュリティに係る一般的・専門的な知識からサイバー攻撃等対処に必要な規則に関する事項まで幅広く出題された。
 新型コロナ禍の中において、競技会当日は感染防止策を講じながら、各隊員は、時間との闘いにもプレッシャーを感じつつ緊迫した中で難問に取り組んだ。特に、術科の部では、キーボードを叩く音だけが響く静寂に包まれながらも、刻一刻と順位が入れ替わり白熱した闘いが繰り広げられた。
 システム防護隊は、昨年8月に日米共同CTFにも参加しており、高度化・巧妙化するサイバー攻撃に対処できる高度な技術力を維持・向上させるため、日々錬磨を続けている。

桑の実会に感謝状
<朝霞駐屯地>
 朝霞駐屯地司令(鬼頭健司陸将補)は8月3日、庁内託児所「Jキッズガーデン朝霞保育園(朝霞宿舎内)」において、朝霞駐屯地司令感謝状贈呈式を実施した。
 受賞者は同保育園を管理運営する社会福祉法人「桑の実会」理事長、桑原哲也氏。本年、同保育園は運営3年目を迎えたが、庁内託児所として「全国初の緊急登庁支援の協定締結」による隊員の任務に邁進できる環境構築への貢献が表彰の対象となった。「桑の実会」は昭和51年創設、保育・介護・医療について埼玉、東京、神奈川にて事業を展開し、本年まで44年間に亘る福祉事業を提供してきた。当日式場では新型コロナウイルス感染拡大防止のため「新しい生活様式」に基づき式を挙行した。また実施に際しては東部方面音楽隊の支援を受け、円滑な式の進行が得られるとともに、演奏を楽しむ子供たちの零れるような笑顔が参加者全員の笑顔を招き、贈呈式は暖かい雰囲気の中で終了した。

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