防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1033号 (2020年8月15日発行)
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うちの子は自衛官

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まだまだひよっ子
1男3女全員自衛官
多治見自衛隊家族会 地区理事 尾藤 綾花
 我が家の4人の子供達は、今年で全員自衛隊員になりました。
 25歳の長男は、幼い頃から自衛官になりたくて浪人の末、防大へ入校して卒業し、現在は海上自衛官として小月の航空学校で勉強しています。小・中・高・大と野球三昧だった息子は、小月でも野球をやっているようです。
 24歳の長女は、高校を卒業後、2年間農業専門学校で学びましたが、別の将来の夢を見出だし、浪人の末、警察官と自衛官(航空)採用試験に合格することができました。選択は本人の意思に任せましたが、色々な方々のお話を聞き、また職種の多様性を鑑みて、自衛官の道を選んだ様です。現在は、空自千歳基地で整備の工作班で、銃剣道も含めて頑張っています。
 23歳の次女は、はじめは看護師として自衛官を目指しましたが、夢叶わず、家業を手伝いながら浪人、現在は陸上自衛官として3等陸曹を目指しつつ、ヘリコプターの整備をしています。よく男の人と間違えられている様です。航空祭の時には、口下手ながらも戦闘ヘリの説明を3度もやり切ったのには感動しました。
 19歳の3女は、中学生の頃から国際的な仕事に就きたいと考えていましたが、剣道が好き過ぎて浪人、1年の末、国際関係学科があるという理由で防大へ入校しました。新型コロナウイルスの影響で入校式も取り止めになり、なかなか思う様な学校生活を送れないと思われますが、それなりのキャンパスライフ(?)を送っている様です。
 以上、陸海空を綱羅して、入隊・入学をしている4人の我が子の心配は、幾らしてもしきれません。しかしながら私が所属している多治見自衛隊家族会(岐阜県自衛隊家族会の管轄下)の皆さんに、困った時には相談したり悩みにのって頂いたりすることで、心の拠り所になっています。
 また、志を同じくする方々と女性部を立ち上げ、イベント等にも参加して、より交流を深めています。
 今後も、自分の子供達は元より、全ての自衛官の方々の下支えとなる、堅固な家族会の発展に、微力ながら尽力するよう努力していきたいと思います。
 「青い空の平和な世界を願って」

ノーサイド
北原巖男
あれから75年目の8月

 「8月6日そして8月9日は、人類にとって大変大きな歴史的な日です。決して風化させるようなことがあってはなりません。先の大戦時、(宗主国の)ポルトガル同様、当時のポルトガル領東ティモールも中立でしたが、オーストラリア・オランダ連合軍や日本軍によって大きな影響を受けました。今、私たち東ティモール国民は、心から平和を願っています。私は、東ティモール国民を代表して、10年ぶりに広島と長崎の平和祈念式典に参加することを通じて、東ティモール国民に改めて伝えたいことや、東ティモールで行動すべきことなどを学びたいと思います。更に、先の大戦で亡くなられた全ての方々への追悼と連帯の気持ちを心から表したいと思っています」
 去る7月2日、天皇陛下に信任状を捧呈し、大使としての活動を開始されたばかりのイリディオ新駐日東ティモール大使の言。かつて日本軍に占領され、また、激しく厳しい独立回復闘争を経て、現在は平和の中で国づくりに取り組んでいる東ティモール。国民をリードする政治家の一人であるイリディオ大使が、日本における最初の国家的式典に臨む思いを語ってくださいました。
 筆者の自宅の隣に住まれている今井玲子さん。広島での被爆者です。当時11歳。
 彼女は、「ふたたび被爆者をつくらないために-世田谷・被爆者の証言 第三集-」(2008年11月7日 世田谷・被爆者の声を記録する会編集・発行)の中で、「六〇年たっても忘れられない臭気」と題して、壮絶な被爆体験・不眠不休での救援・看護体験を記しています。あまりの惨状に、筆者は震えが止まりませんでした。
 そして最後に「今後も戦争がない世界が理想ではあるが、実現は難しい。核兵器は、他の兵器とはぜんぜん異質な兵器であり、どんな戦争状態にあっても、使うべきではなく、万一お互いに使い合った場合には、双方互いに壊滅という認識を、世界中の、特にアメリカの一人ひとりに持ってもらわなければと思う。」と結んでいます。
 そんな彼女は、いつも熱く語っています。
 「出来るものならアメリカに行って、アメリカに行けなければ、日本にいるアメリカの皆さんに訴えていきたい!」
 新型コロナウイルス感染拡大が依然続く中、去る6月23日の沖縄全戦没者追悼式に続き、広島、長崎における原爆の日の平和祈念式典、更には8月15日の全国戦没者追悼式という、私たちが「決して忘れてはならない4つの日」の式典は、軒並み劇的に規模が縮小されています。全国戦没者追悼式は、毎年、遺族の皆さんなど6000名ほどが参列していますが、今年は、その2割ほどに減らし最大1400人程度の由。規模の縮小は、1963年の式典開始以来初めてとのことです。感染防止の為、密を避ける止むを得ない措置ではあります。
 しかし、私たちが肝に銘じなければならないことがあります。
 それは、コロナ禍対応を機として、私たちが「決して忘れてはならない4つの日」を、いつの間にか風化させて行ってしまう事態は、絶対に生起してはならないことです。
 後世の為、今を生きる私たちには、そのような気配や風潮を看過したり黙認してはならない責任と義務があると思います。
 例年よりも格段に厳しい環境の中で迎えたあれから75年目の8月。
 ふとアメリカの公民権運動の指導者キング牧師の言葉が浮かんで参ります。
 「憎しみの誘惑に決して屈してはならない」
 真摯に謙虚に、歴史に学ぶ機会を作り求めて参りましょう。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事


不用物品オークション
29品目で581万8千円
 7月26日、防衛省A棟講堂において、自衛隊の不用物品の「せり売り」(オークション)が開催された。これは、中期防衛力整備計画に基づく「収入の確保」の施策の一環として行われたもので、陸自の個人装具や今年3月に退役した練習艦「やまゆき」の操舵輪等全29品目の不用物品が21回に分けてせり売りされた。売却額の合計は581万8000円(税抜)で、最高額は航空自衛隊パイロット関連用品セット(ヘルメット、酸素マスク等)が66万円の値を付けた。また、募集人員450名に対して590名の応募があったが、東京都における新型コロナウイルス感染症の発生状況を踏まえ、東京都以外の当選者には参加自粛を要請したため、参加者は176名であった。「せり売り」の結果は以下のとおり。(かっこ内は開始価格)
(1)弾帯及び弾入れ13万1000円(5000円)
(2)水筒及び飯ごう3万7000円(5000円)
(3)部隊章セット(旧デザイン)20万円(3000円)
(4)観測ヘリコプター「OH-6D」銘板32万円(1万円)
(5)戦闘靴(戦車用)4万円(3000円)
※(6)〜(13)は練習艦「やまゆき」関連
(6)食器盤17万円(6000円)
(7)側幕(格納庫用)21万円(5000円)
(8)側幕(桟橋用)16万円(5000円)
(9)舷門表札53万円(1万円)
(10)水晶時計45万円(1万円)
(11)応援旗16万円(5000円)
(12)操舵輪52万円(2万円)
(13)結索標本48万円(1万円)
※(14)〜(20)はC-1輸送機関連
(14)シグナル33万円(5000円)
(15)機内スピーカー17万円(5000円)
(16)衝突防止灯16万円(5000円)
(17)非常用電灯17万円(5000円)
(18)ラダーペダル26万円(1万円)
(19)スロットルレバー16万円(1万円)
(20)操縦桿(試作機)50万円(1万円)
(21)パイロット関連用品セット66万円(3万円)

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