防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1025号 (2020年4月15日発行)
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自衛官としての第一歩
祝 入隊・入校式
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第6普通科連隊
 第6普通科連隊(連隊長・佐藤靖倫1陸佐=美幌)は、4月5日、美幌駐屯地体育館において、令和2年度自衛官候補生(以下「自候生」という)入隊式を挙行し、52名の自候生が紫紺色の制服に身を包み、教育のスタートを切った。
 自候生とは、自衛官となるために必要な基礎的教育訓練を約3ヶ月間行う制度、その後、2等陸士に任命されて自衛官となり各職種に必要な教育訓練を受け、それぞれの部隊に配置される。
 連隊としては、自候生52名の入隊は平成26年以降50人を越えたことはなく、6年振りの50人を越える入隊者となり、道外各地からの入隊者が31人、道内が21人となった。
 今回コロナウイルスの感染防止の観点から、自衛隊協力諸団体及び入隊者の家族等の参加をご遠慮いただき、自衛官のみの式となった。
 午前10時、同式が始まり、国歌斉唱の後、任命告達が実施され、自候生、一人ひとりの名前が読み上げられると、起立と同時に大きな返事が会場に響いた。次に52名を代表して三浦海人自候生が執行者の佐藤連隊長に対し力強く入隊の申告を実施し、同じく三浦自候生が先導で、全員が決意を胸に宣誓を行った。その後、区隊旗授与で吉澤正徳自候生及び神宮武蔵自候生が代表して区隊旗を授与された。
 執行者の佐藤連隊長は、「目の前のことに全力を尽くせ」、「同期の絆を大切にせよ」の2点を要望し、「区隊・班が全員揃って無事に修了式を迎えられるよう一生懸命努力するとともに、人間力を高めていき、いち早く強くたくましい立派な一人前の自衛官となって我々と一緒に将来活躍してくれることを切に願う」と式辞を述べた。来賓祝辞では、自候生に激励の言葉を送り今後の活躍を祈念した。
 その後、駐屯地食堂で祝賀会食が催され、佐藤崇人自候生は「私たち52名は、自衛官候補生として自衛隊の第一歩を踏み出し、今後は助け合い、最後まで一人も欠けることなく、立派な自衛官になることを誓います」と決意表明を述べ祝賀会食は終了し、自候生にとって新しい一歩を踏み出す記念すべき日となった。
 入隊した自候生は、今後共に訓練し、汗を流し、同期一丸となり、教育に臨んでいく。
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第14普通科連隊
 第14普通科連隊(連隊長・根本勉1陸佐=金沢)は4月6日、金沢駐屯地の満開の桜の下令和2年度自衛官候補生課程入隊式を行い、18歳〜31歳の計81名の隊員が入隊した。新型コロナウイルス感染防止のため来賓、保護者、部隊は参列せず、自衛官候補生は全員マスクを装着するとともに間隔を開けて式に臨んだ。
 入隊式では、松下自衛官候補生(石川県出身)が申告を、中野自衛官候補生(福井県出身)が宣誓を行い、すべての自衛官候補生は決意を新たにした。また、根本1陸佐は「自ら進んで困難に立ち向かえ」「感謝の気持ちを持て」の2点を要望し、自衛官として社会人としての成長を願い式辞とした。
 入隊式に引き続き祝賀会食が行われ、防衛大臣、金沢市長のビデオメッセージによる激励、先輩隊員からのアドバイスを受け、終始和やかな雰囲気で幕を閉じた。
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陸自幹部候補生学校
 陸上自衛隊幹部候補生学校(学校長・藤岡史生陸将補=前川原)は、4月2日、第101期一般幹部候補生課程、第56期医科歯科幹部候補生課程、第3期看護科幹部候補生課程の計667名の合同入校行事を執行した。
 新型コロナウイルス感染防止の為、剛健大講堂ではなく青空の下、満開の桜に囲まれたグランドにおいて竹本陸上幕僚副長をはじめ、沖邑第4師団長、原田防衛大学校幹事等多数の部内来賓立会のもと、厳粛に執り行われた。
 式の冒頭に一般幹部候補生(一般大学卒等)、薬剤科幹部候補生、歯科幹部候補生に対する辞令書交付、任命申告、服務の宣誓が行われ、その後全過程の入校申告が行われた。
 候補生の入校に際して頂いた内閣総理大臣及び防衛大臣メッセージを岩田防衛省人材育成課長が代読、藤岡学校長は式辞において『個性を磨け』『困難に立ち向かえ』と要望した。また、陸上幕僚副長は訓示において『幹部自衛官としての「使命感」を確立せよ』『「指揮の要訣」を実践せよ』と要望され、全力で修養に励み、各人が誇りと自信をもって卒業するよう述べられた。
 候補生達は決意を新たに、部隊・国民の信頼を獲得できる幹部自衛官を目指し、困難に立ち向かう気概を胸に、今日始まりを告げた厳しい教育訓練の日々に挑むことになる。
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第44普通科連隊
 第44普通科連隊(連隊長土肥直人1陸佐=福島)は4月6日、駐屯地グランドにおいて自衛官候補生の入隊式を挙行した。
 新制服に身を包んだ73名の自衛官候補生は、野口候補生(埼玉県桶川市出身)が申告を行い、稲川候補生(茨城県北茨城市出身)が力強く宣誓を誓った。続いて土肥連隊長は「本教育で、精神的・体力的にも鍛錬され心身ともに充実し、同期との絆を深め、国家、国民を守る一員になることを学んでください」と式辞し、自衛官候補生を代表して鵜飼候補生(栃木県下都賀市出身)がこれから始まる教育に臨む強い決意を込めて答辞を述べた。
 自衛官候補生は、自衛官として人生の大きな一歩を踏み出した。
◆野口自候生の意気込み
 今まで、お世話になった方々に感謝の気持ちを忘れず、厳しい訓練を乗り越え同期73名全員で教育課程を終え、日本の平和と安全を担える自衛官になれるよう精進致します。

ノーサイド
北原巖男
新年度

 「うちの先生は、出来るだけ抜かない方針なんですが、抜かれてしまいましたね。残念ですねぇ・・・」
 ベテラン看護師さんの言葉がうつろに響きます。言外に「お気のどくに」と同情されている悲劇の主人公なんだなあと思いつつも、身体を硬直させ、途方もなく長く感じた時間ズット口を大きく開け続けていた疲れからの解放感でしょうか、快い軽い眠気に襲われます。
 しかし、先生から我が口を離れ無機質の物体と化した見事な奥歯を見せられた時は、そんな眠気もすっ飛びました。本当に後悔先に立たず、取り返しのつかない喪失感を実感した瞬間でもあります。
 そして、これまで当たり前であった食事で物を噛むことが、こんなにも大変なことなのかを思い知らされました。更に片方の歯だけを使うようにしていると、どういうわけかその歯の上のほっぺたの内側を何度もかじってしまう痛さも避けることが出来ません。しゃべるのにも違和感があります。食事の時間が来るのが苦痛にさえ感じるのです。
 自衛隊員の皆さん・ご家族の皆さんそして「防衛ホーム」の読者の皆さん、皆さんの歯は大丈夫でしょうか?
 「歯は、今より悪くなることはあっても、良くなることは絶対に無いからね」僕も、そう言われ続けて来ていたのです・・・。
 皆さんには、令和初の新年度を機に、とかく軽視し、後回しにしがちな歯の健康・虫歯の治療等に、意識して時間を割く決意と実行を強く勧めたいと思います。甘く見ていると、当然が当然でなくなる後悔の日が必ずやって来ます。
 新年度を迎え、全国各地でフレッシュマン・フレッシュウーマンが誕生しています。元気溌剌、気持ちの良い爽やかな姿です。
 防衛省・自衛隊でもそんな皆さんが仲間に加わりました。ただ今年は新型コロナウイルスの感染防止のため、入省式・入隊式あるいは入校式等は、例年とは全く違った形で執り行われたことと思います。皆さんには、少し寂しかったかもしれません。
 でも、防衛省・自衛隊の先輩はもちろん、OBそして沢山の国民の皆さんは、皆さんを心から歓迎されています。常に国民とともにある自衛隊の将来を担って行くのは、皆さん一人ひとりです。良識ある社会人として、そしてどんなときにも国民の負託に応えることが出来る自衛隊員として成長して行ってください。
 かつて作家の山口瞳さんが、 "新入社員諸君。「悠揚迫らず」でいけ!" と入社の日に呼びかけたサントリーウイスキーの新聞広告を思い出します。(各紙‥平成5年4月1日付け)
 曰く「・・・心の奥底に「見た目に美しくないことは悪である」という信念があれば大きな過ちを犯すことはない。新人でも焦っては駄目だ。悠揚迫らずでいけ。・・・見た目に美しいかそうでないかは、新入社員諸君、きみたちの判断にまかせよう」
 僕が3年間暮らしたアジアで一番新しいフレッシュカントリーの東ティモールには、こんな言葉があります。皆さんに贈ります。
 「ゆっくり、でも着実に!」
 「君ならできる、だって君なんだから!」
 そして、そんな新隊員の皆さんに、新年度早々心からお願いしたいことがあります。4月7日に緊急事態宣言が発令された留まるところを知らない見えない敵、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための行動です。感染しても症状が比較的軽微で済むことが多いと言われている若い皆さん自身が、率先垂範して「3密」(密閉・密室・密接)状態を回避すること。この行動こそ、あなたがあなたの周りの皆さんの命を救う行動でもあるのです。

北原 巖男(きたはらいわお) 元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長。(公社)隊友会理事

 

【お詫び】前号の当コラムで誤りがありました。正しくは「大会名称の東京2020オリンピック・パラリンピックの名称は維持とのこと。」です。著者の北原氏および関係者の方に深くお詫び申し上げます。(編集部)

入隊式特集は5面に続きます


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