防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   1013号 (2019年10月15日発行)
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たきかわコスモスマラソン2019
お汁粉約1400食提供
<10即機連>
 第10即応機動連隊(連隊長・伊與田雅一1陸佐=滝川)は、令和元年9月8日、滝川市が主催する「たきかわコスモスマラソン2019」に炊事協力を実施した。
 本マラソンは、滝川市のシンボルであるコスモスが咲く9月に、毎年開催される市民マラソン大会。連隊は炊事協力としてお汁粉約1400食を提供した。
 当日は天候にも恵まれ、さわやかな秋風の中、ハーフ、10キロ、5キロ、3キロのコースを約1400人の市民ランナーが走り抜けた。走り終えたランナーにお汁粉が振る舞われ、「おいしい」「毎年楽しみにしています、ありがとう」と好評だった。
 また、滝川駐屯地の隊員も市民ランナーと共に汗を流し、大会の盛況に貢献することができた。

中富良野・上富良野消防綜合演習に参加
2年連続優勝
<上富良野・多田>
 上富良野駐屯地(司令・徳留貴弘1陸佐)消防ポンプ班及び多田分屯地(司令・永田真也3陸佐)消防ポンプ班は、9月1日、中富良野町役場駐車場で実施された「令和元年度中富良野・上富良野消防総合演習」に参加した。
 本演習は、富良野広域連合中富良野支署及び上富良野消防署が主催するもので、両消防ポンプ班は合同で本訓練に参加し、消防技術の向上を図るとともに、消防署及び消防団との連携強化を図ることを目的としている。
 消防署員を先頭に、各消防団、駐屯地ポンプ班は駐屯地音楽隊の演奏のもと、開会式場に入場し、演習本部長(中富良野消防団長=上村四男氏)に対し編成完結の報告を行った。
 消防及び消防団と自衛隊との対抗形式で実施された競技会では、水防工法訓練(土嚢運搬・堤防作成)の部において、駐(分)屯地ポンプ班は、班長以下8名の日頃積み上げた訓練成果を遺憾なく発揮し、昨年に引き続き見事「優勝」の成果を獲得した。

千葉県で家族支援協定を締結
<習志野>
 習志野駐屯地(司令・戒田重雄陸将補)は9月20日、千葉県家族支援協定締結式を実施した。
 式は、千葉県家族会会長、千葉県隊友会会長、松戸、習志野、下志津、木更津の各駐屯地司令及び千葉地方協力本部長の出席の下、実施された。
 当日は台風15号による災害派遣活動中であったものの、隊員が不安なく任務に従事できるようにとの想いから予定どおり挙行し、改めて家族支援の重要性を強く認識しての調印となった。本調印により千葉県内の家族支援施策における家族会、隊友会、陸上自衛隊の三者間の連携は更に強化されることとなった。

よさの大江山登山マラソン大会支援
傾斜が厳しい区間を担当
<7普連>
 第7普通科連隊(連隊長・小野田宏樹1陸佐=福知山)は令和元年9月15日、京都府与謝野町で開催された「第14回よさの大江山登山マラソン大会」を支援した。
 この大会は、自然豊かな大江山連峰を縦走する距離23・5km、標高差800mの本格的な山岳登山マラソンである。他にも与謝野町内の比較的平坦なコースを走る10kmと3kmの部があり、幅広い年齢層が楽しめるとともに酒呑童子や源頼光の鬼伝説の地でもあり今年は全国各地から800名を越える選手が集まった。
 連隊の支援は、大江山連峰の山岳コースのうち山頂付近を含む傾斜の厳しい区間において要救護者が発生した場合に患者搬送を行って、大会の安全かつ円滑な運営に寄与することであった。車両が進入できない区間を担当した第4中隊隊員29名は、担架、毛布、20リットルの水缶のほか滑落者の救助用ロープを携行し徒歩により4カ所の救護地点の配置についた。
 参加した選手らは、「自衛隊の人がコース上にいるのを見て安心して走れました」と話していた。
 幸い担架搬送を必要とする患者は発生せず、隊員たちは山頂付近の難関に挑む選手たちに声援を送り大会の盛会に寄与した。

読史随感
<第39回>
日本人の神道的感覚
神田淳
 神道は日本の民族宗教である。われわれにあまり自覚はないが、日本人の基本的なものの考え方、生活、倫理に神道が横たわっている。
 ビートルズのジョン・レノンは、常々「okagesamade(おかげさまで)」という言葉が、世界の中でもっとも美しい、と言っていたと伝えられる。日本人が平素口にするこの「おかげさまで」という言葉は、自分が今日あるのは皆様のおかげ、そして神様のおかげという思いを含む感謝の言葉で、神道に発するといってよい。
 神道は感謝教(有難教)である。神に感謝し、大自然に感謝し、先祖に感謝し、周囲に感謝し、有難い、おかげさまでという思いで生活する。神道の祭りは、神や先祖に対する感謝の念を表明する儀式である。また、神道は神の前で祝詞をとなえる。祝詞とは神をたたえ、神に感謝する言葉である。祝詞の核心は祈願ではなく、神への感謝である。
 次に、日本人の清潔好きは世界的に知られているが、これも神道から来る。神道は清浄の美を根底におく宗教である。神は清浄を好み、清浄なところにまします。ゆえに神道は心身の清浄と環境の清浄を尊ぶ。逆に神道は汚れや、汚いことを好まない。汚れは穢れ、穢れは気枯れであり、人の活力を低下させると考える。
 日本人はよく掃除をし、入浴を好む。また、工場やオフィスに3S(整理、整頓、掃除)や5S(整理、整頓、掃除、清潔、躾)の標語をかかげてこれを推進する。これなど、神道の清浄の思想の実践である。近年、サッカーW杯で日本人サポーターたちがごみ拾いして帰ることが、世界の話題になっている。神道に発する日本の掃除文化が海外に進出している。
 また日本人は、ものごとをあえて「言挙げ」せず、言葉による説明や申し開きを外国人ほど重視しない性向があるが、これも神道の感覚である。「お天道様はすべてお見通し」という神道において、立言は重要でない。神道は「言挙げ」しない宗教である。
 神道が理想とする人のありようは、「清・明・正・直」、すなわち、「清く」、「明(あか)く」、「正しく」、「直く」あることである。そして「清明」と「正直」は密接につながっている。伊勢神道の大成者・度会家行(1256-1351)は「およそ神は正直をもって先となし、正直は清浄をもってもととなす」という。「正直」の基礎に「清浄」があるといっている。「正直」はもと「正直(せいちょく)」で、「神に対して曇りのないありのままの心」であり、伊勢神道で最も重視される。
 菅原道真は「心だにまことの道にかないなば祈らずとても神や守らん」と詠む。まことの道とは「うそのない、正直なこと」である。 正直者の頭に神が宿り、正直には神の加護がある。私は日本人の多くが、無自覚ながらこうした正直教ともいえる神道の信者だと思う。
 最後に、日本人は「作る論理」でなく「自然に成りゆく論理」を好むが、これも神道の感覚である。神道は自然道であり、自然が神である。成り行く自然をそのまま肯定し、作為は好まない。日本人は、「作る論理」にしばしば人の作為と独善性が現れるのを警戒する。人間の理性を絶対視するようなイデオロギーなどを疑問視する。
(令和元年10月15日)
 神田 淳(かんだすなお)高知工科大学客員教授
 著作に『すばらしい昔の日本人』(文芸社)、『持続可能文明の創造』(エネルギーフォーラム社)、『美しい日本の倫理』など。

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