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自衛隊ニュース   985号 (2018年8月15日発行)
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困難乗り越え 新レンジャー隊員誕生!
この手に掴んだダイヤモンド・レンジャーき章
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35普連
 第35普通科連隊(連隊長・曽根勉1陸佐=守山)は、4月6日から7月10日までの間、平成30年度部隊集合教育「レンジャー」を実施した。
 陸上自衛隊のレンジャー教育は、昭和30年、柴田繁1陸尉(以下当時)、首藤愛明2陸尉の米軍レンジャー課程入校にその源を発する。両氏の帰国後、昭和31年10月、富士学校においてレンジャー教育が開始され、現在まで数多くの隊員が教育を修了。この人々が基幹となり、全国の部隊レンジャー訓練が始められ、その魂が現在に引き継がれている。
第35普通科連隊においては、昭和34年(当時14連隊2大隊)にレンジャー訓練が開始され、59周年となる今年は、各部隊から選抜された精鋭20名の隊員が第52期レンジャーとして約3ヶ月にわたる厳しい訓練を乗り越え、栄光のレンジャーき章を胸にした。
 当初、4月6日から5月25日までの約7週間を行動訓練に必要な各種基礎的技能の修得及び体力の練成を目的とし、守山駐屯地近傍訓練場、御在所岳(三重県)等の生地において、体力調整、コンパス行進、ロープ訓練等を実施した。じ後、5月26日から7月2日までの約5週間は、岐阜県白川町及び同周辺地域の生地においてレンジャー訓練の総仕上げとして各種想定に基づく行動訓練を実施した。各種想定は、回を重ねるごとに行動距離・時間、任務が増加されるとともに、睡眠時間・糧食が減少するという過酷な状況下で行う訓練である。各隊員は連日連夜にわたる教官・助教の厳しい指導のもと、学生長を核心として「不撓不屈」の精神で、自らの気力・体力の限界を超えて過酷な任務を遂行し続けた。白川町での任務を遂行した各隊員は、最終想定の最後に白川町から守山駐屯地までの約80キロにわたる長距離離脱を不眠不休で踏破。見事、全ての任務を完遂した。
 帰還式では曽根連隊長が、最後まで厳しい訓練に耐え抜いた隊員一人一人にレンジャーき章を授与した。レンジャーき章が首にかけられた瞬間、大粒の涙を流し喉を詰まらせながら感謝の言葉を述べる新たなレンジャー隊員。これまで鬼の指導に徹していた教官・助教が隊員一人一人と握手を交わし、後輩レンジャー隊員の晴れ姿に涙する先輩レンジャー隊員。夫または息子の健康と無事を心配しながら陰で支えてくれた家族との再会等、本帰還式に参加した全ての隊員に熱い感動を与えた。
 勝利の象徴「月桂冠」・堅い意思の象徴「ダイヤモンド」、この双方があしらわれたレンジャーき章。ここ名古屋守山の地において新たに誕生した20名のレンジャー隊員が身につける栄光のレンジャーき章は、今後彼らの活躍により、一層輝きを増してゆくことだろう。
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5普連
 第5普通科連隊(連隊長・古賀博彦1陸佐=青森)は7月20日、青森駐屯地において平成30年度師団レンジャーの帰還式を実施した。同僚との強い信頼で過酷な試練を乗り越えたレンジャー学生17名は音楽隊が演奏する中、それぞれの所属部隊長等を始め多くの駐屯地隊員や学生の家族らの拍手に出迎えられ帰還した。
 帰還式では、第9特科連隊第1大隊第1中隊所属の3陸曹千葉暁(ちばあかつき)学生長が帰還を報告した後、古賀連隊長が強固な意志を表すダイヤモンドと勝利者に贈られる月桂樹をあしらった栄光のレンジャーき章を学生一人ひとりに授与し、力強く握手を交わしていた。古賀連隊長は「常にレンジャー隊員であれ」「同期の絆を一生大切にせよ」と餞の言葉を述べるとともに、「本教育間に修得した特殊な知識や技術の更なる練度向上を図るとともに、鍛えられた不屈の精神力をもって、いついかなる任務が与えられようとも臆することなく、自ら志願し任務を完遂するそんな隊員へ成長することを期待する」と訓示した。
 帰還式終了後、同駐屯地隊員食堂で会食が行われ、久しぶりに対面した学生の家族は息子や夫の逞しい顔を見て感激していた。また、厳しく教育した教官や助教も「よく頑張った」と学生達を労った。
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34普連
 第34普通科連隊(連隊長・山之内竜二1陸佐=板妻)は7月7日、板妻駐屯地体育館において平成30年度部隊集合教育「レンジャー」の帰還式を実施した。
 本教育は4月23日から開始され、34普連(12名)の他、第1偵察隊(練馬)、中央即応連隊(宇都宮)、第1施設大隊(朝霞)、高射教導隊(下志津)から選抜された隊員が参加してレンジャー隊員として必要な知識と技能の修得のため、約2ヶ月半の過酷な訓練に挑んだ。
 帰還式では、最終想定を終えたレンジャー学生20名が家族、協力諸団体、連隊及び参加学生の各部隊の隊員が出迎える中、「レンジャー」と発声駆け足で入場し、山之内連隊長に帰還報告を実施した後、教育隊長(久木田1陸尉)による状況終了宣言が伝達された。
 その後、感極まる中、連隊長から1人1人に光り輝くレンジャーき章が授与された。
 連隊長は訓示において「諸官らは一致団結して全任務を完遂した。まさに「為すべきを為せ」の体現であり諸官らに敬意を表する。今後は、授与されたレンジャーき章に恥じぬよう「強固な意志と高き誇り」をもって新たな任務に向かって邁進するよう期待する」と述べた。
 式終了後は、記念撮影、花束贈呈や家族との時間を設け、労いの言葉を掛けられる中、時間の許す限り団欒の一時を過ごした。ここに新たに20名がレンジャー隊員の仲間入りを果した。

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