防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   980号 (2018年6月1日発行)
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ノーサイド
合い言葉は、「現在進行形」

 本年3月、厚生労働省が公表した「健康寿命」。介護などを必要とせず日常生活を支障無く過ごせる期間は、男性72・14歳、女性74・79歳(2016年の推計値)。これから益々伸びて行くことでしよう。
 さて、本紙には、ユニークなシリーズ欄があります。
「頑張っています 新しい職場 活躍するOB」
 自衛隊は、実力組織の性格上、どうしても若年定年制を採用せざるを得ません。肉体的にも精神的にも元気バリバリの皆さんが自衛隊退職後、さまざまな分野に進出して「現在進行形」で活躍して行くことは、定年後の長い人生を生きて行く至極当たり前のことです。
また、自衛隊勤務中に培った技能や知識等を再就職先を通じて社会に還元し、貢献して行くことは、人材の有効活用であり、当人にとっては生き甲斐でもあります。
 今、自衛隊ではさまざまな新しい任務が付与され、大きな予算が投入され、新しい装備の導入や部隊が編成されています。それだけに、国民の皆さんの期待は自ずと大きく膨らみ、何かあった場合、自衛隊・自衛隊員による任務完遂は当然だ、当たり前だ、と捉えているようにも感じるときがあります。大きな信頼と同時に厳しい目が向けられています。
 もちろん、自衛隊員はいづれもその使命を自覚し、国民の負託に応えるため、どんな状況であろうと任務完遂に全力を尽くします。
 しかし、そんな自衛隊員も家庭を営み、子女を育て、長い人生を生きて行かなければならない一人の生身の人間であり、善良な社会人です。自衛隊は、常に国民の自衛隊として士気高く精強であると共に、常日頃から、隊員が若年定年退職後も適切に生活設計して行ける安心感を抱けるような組織でなければなりません。もちろん、再就職先等との間に癒着などあってはならないことは論を待ちません。
 他方、少子化の波は、政府のさまざまな施策にも拘らず留まるところを知りません。
 総務省が5月4日に公表した4月1日時点の推計によれば、14歳以下の人口は1553万人(前年比17万人減。37年連続減。過去最少)、人口比は12・3%(前年比0・1%減。44年連続減。過去最低)。
 こうした中で、優れた人材をいかに確保して行くか。防衛省・自衛隊最大の懸案の一つです。
 仮に自衛隊後の生活に懸念があるようでは、それでなくても減り続ける入隊適齢年齢層が入隊をためらうことは必定です。
 小野寺五典防衛大臣は、募集環境が益々厳しくなる中にあって、人材を確保するため、OB隊員の活用も含め、既存の業務分担を必ずしも前提とすることなく、如何なる対応策を取るべきか、しっかり検討して行く旨、答弁しています。(3月15日参議院予算委員会)
 民間等への再就職のための援護活動の推進と共に、精強性を堅持しつつ再任用制度等を通じたOB隊員の一層の活用は焦眉の急です。隊員がセカンドステージでも活き活きと「現在進行形」で活躍できる態勢の整備は、少子化の直撃を受ける自衛隊の特性と相俟って、これ迄になく求められる時代にあります。
 なお、自衛隊員のOBで入会を希望する皆さんを主たる会員としている公益社団法人「隊友会」では、会員の再就職支援の充実・拡大を図るため、職業紹介事業と労働者派遣事業許可申請に必要な定款の変更を、今月19日の定時総会にかけることとしています。会員の皆さんの、特に再々就職支援に向けた特記すべき動きとして注目されます。
 しかし、どんなときも大切なのは、隊員の皆さん自身の心構え、対応です。
 OBになられたら、チャンネルを切り替えること。
 退職によって、今まで味わったことの無い喪失感や孤独感、更には自己否定のようなものに襲われるかも知れません。それは長い間、自衛隊で懸命に頑張り続けて来た証しなのです。退職による反動は自然であり、その大きさは計り知れません。
…でも、いつまでも引きずっていてはダメ。
 キーワードは、「過去を追うなかれ!」「前へ!」
 新しい仕事だけではありません。現職のときには出来なかったこともあるでしょう。
 何でもいい。自分自身で開けた人生の扉の先には、新たな出会いや発見があり、何よりもワクワクしながら「現在進行形」で何かに取り組んでいる未来の自分がいることに気づくでしょう。
 かけがえのないあなたのオンリーワンの人生の折々の花。活き活きと咲かせて行きましょう。
 そう、合い言葉は、「現在進行形」

北原 巖男(きたはらいわお)中央大学。70歳。長野県伊那市高遠町出身。元防衛施設庁長官。元東ティモール大使。現(一社)日本東ティモール協会会長


防研主任研究官による講話
<船岡駐屯地>
 船岡駐屯地(司令・徳永勝彦陸将補)は4月25日、防衛研究所から政策シミュレーション室の阿久津博康主任研究官を迎え、駐屯地防衛講話を開催した。
 講話では、阿久津主任研究官が『最近の朝鮮半島情勢』と題して、朝鮮半島を中心とした地域情勢、特に北朝鮮の核・ミサイルをめぐる最近の行動、北朝鮮の安全保障戦略・対米戦略について、鋭い分析を交えながら詳細にわたる解説をした。
 会場となった駐屯地体育館には駐屯地所在隊員約250名が、平素の勤務では耳にすることができない昨今の緊迫した朝鮮半島の情勢に関して熱心に聞き入っていた。講話の終盤には質疑の時間が設けられ、朝鮮半島の今後の展望等について活発な質疑応答があったほか、講話終了後、聴講者から「複雑な朝鮮半島情勢について幅広く理解することができた」など多くの感想が寄せられた。
 また、同日午前には、駐屯地に隣接するJAXA角田宇宙センター内の施設において、同演目の防衛講話が実施された。
 本防衛講話の実施を通じて、駐屯地所在隊員に対して国際情勢、特に日本国を取り巻く防衛環境等を理解させ、当該隊員の識能の涵養を図るとともに、隣接部外関係機関である同センターとの連携強化を図ることができた。

平成30年度AH-1S射撃訓練
<中部方面航空隊>
 中部方面航空隊(航空隊長・森貴義1陸佐=八尾)は、4月23日〜27日の間、「平成30年度AH-1S射撃訓練」をあいば野演習場で実施した。
 中部方面隊唯一のヘリ火力戦闘部隊として三重県明野に駐屯する第5対戦車ヘリコプター隊が実施し、その練度向上に努めた。AH-1S射撃は、各種の任務を遂行する上において極めて重要な役割を占める。そのため航空機整備員は、より円滑な射撃が実施できるように約1ヶ月前から射撃に関する機能上の整備を実施した。また、操縦士は日頃より厳しい環境下における訓練を克服し、気象状況に影響を受けやすい航空機を巧みに操り、射手は揺れ動く機内から操縦手との絶妙なコンビネーションによって、より精度の高い射撃技術の向上を図った。

全自衛隊で初 シミュレーション・ラボ開設
<西部方面衛生隊>
 西部方面衛生隊は、4月6日、健軍駐屯地において「シミュレーション・ラボ」開所式を行った。
 シミュレーション・ラボは、平成27年7月に策定された陸自救命ドクトリンを背景として、第一線における隊員の戦傷治療に係る各種技能の向上を図るため、西部方面区内全ての衛生科隊員、救急法指導者、補助担架員等の基幹要員を主たる対象とした訓練施設であり、自衛隊で初めて健軍駐屯地に設置され、この度、運用開始となった。
 開所式では西部方面衛生隊長の藤田1陸佐が「各種事態等への対応において、『真に戦える組織』に変革するため、救命率向上を主眼とする衛生機能の強化は極めて重要である。隊員一人ひとりが戦場に立ち、命を賭し任務を遂行することが求められる現下の情勢において、本施設の運営により、西部方面隊全隊員の戦傷治療能力の底上げを推進することは、強靭な陸上自衛隊を創造する上で必要不可欠との認識に立ち、真に戦える戦士の育成に邁進せよ」と訓示した。
 その後、同施設における訓練展示を行い、音響・映像のほか、負傷した隊員の状況も詳細に付与できる人体シミュレーター、煙、放水等の多種多様な状況の現示により、実戦的な第一線救護の演練が可能なことを確認した。
 今後は、各種事態や国際平和協力活動等の多様な任務に対応し得る衛生支援態勢の確立のため、第一線救護能力等を向上させる中核施設として、年間8回の集合訓練等を行い、部隊・隊員の戦傷治療に係る練度の維持・向上を図るとともに、第一線救護衛生員を対象とした集合教育等の受入に向けた準備を行っていく。

入隊式
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舞鶴教育隊
 丹後の桜も散り始めた4月6日、海上自衛隊舞鶴教育隊において、舞鶴地方総監・中尾剛久海将臨席のもと、第11期一般海曹候補生87名及び第16期自衛官候補生293名の入隊式が行われた。
 中尾総監は、課程学生に対し「謙虚に学べ」「同期の絆を大切にせよ」という修練の指針を示し、この教育期間中しか得ることのできないものをよく認識せよと、また家族に対し「ご子息は国の宝であるため、これから長い時間をかけて海上自衛隊が愛情を持って磨き上げていきます。今後ともご子息が一人の海上自衛官、そして一人の社会人として成長していく姿を温かく見守り、励まして頂けると幸甚です」と述べた。
 舞鶴教育隊司令・松尾辰雄1海佐は、式辞の中で「修業なんて奇跡かもしれない。しかし、振り返らずやるべきことをやれば、望みは叶い、そして奇跡は起こる。絶対に」と述べ、「突き進め!そして、奇跡を起こせ!!」という指導指針を示した。
 総監と教育隊司令の言葉に、学生は自衛官となることへの覚悟を強く固め、引き締まった表情を見せていた。
 入隊式修了後の家族の表情は、セーラー服をまとった我が子の凛々しい姿を目の当たりにし涙する人、我が子とのひと時の別れを惜しむ人、我が子の輝かしい門出に安心した人等様々であった。
 学生教育に当たる各教官は、国の宝であり、原石である学生を5ヵ月後立派な海上自衛官として部隊に送り出せるよう、愛情と情熱をかたむけ教育に臨む決意を新たにした。
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呉教育隊

 海上自衛隊に新たに入隊した第11期一般海曹候補生課程学生186名及び第16期自衛官候補生課程学生100名の入隊式が、4月6日呉教育隊(司令・関川秀樹1海佐)において、呉市副市長をはじめ部内多数の来賓の出席を得て挙行された。
 入隊式では、呉地方総監池太郎海将が、第11期一般海曹候補生の海上自衛官任命及び第16期自衛官候補生の自衛官候補生任命を行い、併せて「諸君に期待するところは、何事に対しても愚直たれということである。愚直とは、一般的に馬鹿正直と解釈されるが、困難な状況の中で使命を達成するためには、この愚直さが最も必要であると考えている。愚直さを追求するために、次の3つの「あ」から始まる言葉の実践に務めることを提言したい。1つ目の「あ」は最後まであきらめないの「あ」である。2つ目の「あ」は物事をあなどらないの「あ」である。3つ目の「あ」は人をあざむかないの「あ」である。この3つの「あ」の実践を通して、愚直さを追求してもらいたい」と訓示した。
 新入隊員たちは、初めての儀式に初々しい制服姿で臨み、任命の際に名前を読み上げられると緊張しながらも元気よく返事をしていた。一般海曹候補生による「服務の宣誓」は河野慎之介海士長を代表として、また自衛官候補生による「自衛官候補生の宣誓」は井上志鶴真候補生を代表として、課程ごとに総員で暗唱すると若い声が式場全体に大きく響き渡り、学生たちの決意の強さが窺われた。
 その後、呉音楽隊の伴奏により海上自衛隊歌を高らかに斉唱して入隊式は締めくくられた。
 入隊式に参列した新入隊員の家族は約500人を数え、海上自衛隊の厳粛な入隊式と制服に身を固めた学生の凛々しい姿に印象深く感じ入っている様子だった。入隊式が終るとそれぞれ昼食をとり、学生たちを励ましながら呉教育隊を後にした。


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