防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   962号 (2017年9月1日発行)
-
1面 2面 3面 4面 5面 7面 8面 9面 10面 12面

各国要人と相次ぎ会談
<小野寺防衛大臣>
米戦略軍司令官
 8月24日、小野寺五典防衛大臣は、米軍における全ての核戦力の運用や弾道ミサイル防衛、宇宙作戦の指揮を取る米戦略軍司令官ジョン・E・ハイテン空軍大将と会談し、北朝鮮情勢をはじめとする諸情勢について意見交換を行った。
 ハイテン司令官は韓国で米韓合同演習を視察したのち、今回の会談に臨んだ。ハイテン司令官は「我々が持っている能力は、日米同盟に対してコミットするにあたり、非常に重要な役割を果たしている」と述べた。両者は引続き、日米が連携して警戒監視にあたっていくことで一致した。
将官級訪日団10名表敬
 8月21日、防衛省で小野寺五典防衛大臣は、「日本・ミャンマー将官級交流プログラム」(主催・日本財団 笹川陽平会長)として将官級訪日団10名(団長・ミャンマー国軍監察局長エー・ウィン陸軍中将)の表敬を受けた。
 小野寺大臣は訪日団を歓迎し、「本プログラムを含め両国間で様々な分野における防衛協力・交流を進めていきたい」と述べた。また北朝鮮情勢について説明し、「国際社会が一致して圧力を強化していくことが重要で、ミャンマー政府とも連携していきたい」と呼びかけた。
 エー・ウィン中将は「このプログラムは一個人や国軍にとってとても有意義なものだ」と述べた。
 本プログラムは民生移管が進むミャンマーにおいて、ミャンマー国軍が自衛隊との交流を通じて、民主国家における軍の在り方に触れる端緒となることを目的に、2014年から始まり、今回が4回目となる。その後訪日団は、陸海空の各部隊を視察し、人材育成や防衛方針、部隊運営等を研修した。

米軍・エジプト軍トップと会談
<河野統幕長>
 8月22日、河野克俊統合幕僚長は、エジプト・アラブ共和国軍参謀長マハムード・イブラーヒム・ヘガージ陸軍中将を公式招待し、防衛省で会談を行った。
 訪日が初めてだというヘガージ軍参謀長に対して河野統幕長は、「自衛隊の部隊の現状と日本の文化に触れてほしい」と歓迎した。また、今訪問で両国の首脳及び軍のトップによる相互訪問が実現したことに対して、「日本とエジプトとの関係が進展し、喜ばしく思う」と述べた。
 ヘガージ軍参謀長は「お世辞ではなく、日本はモデルとなる国だ。多くのエジプト人がそう思っている」と敬意を表した。また、「日本とエジプトでは様々な分野で協力ができると考えている」と述べ、両国間の協力・交流が更に深まることへの期待感を示した。
【米軍統合参謀本部議長】
 8月18日には防衛省で、米軍統合参謀本部議長ジョセフ・フランシス・ダンフォード・ジュニア海兵隊大将と会談を行った。両者はアジア太平洋地域における安全保障環境の現状及び日米防衛協力について意見交換を行った。
 北朝鮮による弾道ミサイル発射等度重なる挑発行為は断じて容認できないことで一致、北朝鮮の核及び弾道ミサイル開発による脅威に対し、自衛隊と米軍による協力の重要性を再確認した。
 ダンフォード統合参謀本部議長からは、「拡大抑止を含めた日本の防衛に対する米国のコミットメントは揺るぎない」と述べられた。
 会談後、ダンフォード統合参謀本議長は、首相官邸で安倍晋三内閣総理大臣とも会談を行い、北朝鮮情勢について意見交換を行った。

功績を讃える 2部隊に第1級賞状
派遣海賊対処行動航空隊(第27次)
派遣海賊対処行動支援隊(第7次)
 8月25日、防衛省大臣室において、派遣海賊対処行動航空隊(第27次 司令・長尾英樹2海佐)および派遣海賊対処行動支援隊(第7次 司令・佐藤和之1陸佐)に対する1級賞状表彰式が行われた。
 表彰式に先立ち行われた帰国報告では、小野寺五典防衛大臣から「ご苦労様でした」と労いの言葉がかけられた。
 派遣海賊対処行動航空隊(第27次)は今年5月11日から8月5日まで、ソマリア沖アデン湾において警戒監視等の海賊対処に関する業務を実施した。また派遣海賊対処行動支援隊(第7次)は、今年2月9日から8月4日まで、ジブチ共和国の自衛隊活動拠点で警備および海賊対処に関する業務の支援を実施した。これらの活動が、海賊行為の抑止に大いに寄与し、自衛隊に対する国内外の理解と信頼を深めたとして、その功績を讃えて、副賞を添えて小野寺大臣から1級賞状が授与された。
 現在も、水上部隊(第27次)、航空隊(第28次)および支援隊(第8次)が灼熱のアデン湾・ジブチで任務を継続しており、これまでの活動実績は、国際社会から高い評価を得ている。

「数字」がキーワード 100名が部外講話を聴講
<航空支援集団・飛行点検隊>
 7月18日、航空自衛隊航空支援集団隷下の飛行点検隊(司令・吉廣敏幸1空佐=入間)は、隊員約60名と基地所在部隊隊員約40名の計約100名を前に、「数字」をキーワードに日本の情勢及び国際情勢などに関わる部外講話を実施した。
 本講話は、個人訓練の一環で、自衛隊員としての防衛教養涵養を目的に安全保障関連の専門家に依頼して実施したもの。
 講師の東京工科大学教養学環の落合浩太郎教授は、講話に先立ち吉廣隊司令と懇談した。
 講話のテーマは、「数字で知る世界と日本」。日本と世界を様々な観点の「数字」を用いて比較し、日本における問題点とその対策について概観したものだ。
 人口、食料自給率、空き家状況、世帯状況や格差の拡大など各種データにより、日本と世界の関係などを様々な視点から、情熱的に解りやすく講話を行った。
 落合教授は、テレビやラジオにも多く出演しており、陸海空の自衛隊においても20ヵ所以上で講演をしているためか、非常に解りやすく、聴講した隊員にも「実際の感覚と数字で示される状況との違いがよく解った」、「今後、新聞やテレビを見るときの参考になった」などと大好評だった。
 講演を企画した飛行点検隊は、「日本を取り巻く様々な『数字』で、各種情勢を俯瞰することによって、日本の現状や世界との関係などについて理解を深める事ができ、防衛教養の知識・能力の向上という目的は十分に果たせた」と手応えを感じていた。

NEXT →
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2017 Boueihome Shinbun Inc