防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   957号 (2017年6月15日発行)
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海上自衛隊


開隊60周年
〈呉教育隊〉
 新緑が映え、呉湾から爽やかなそよ風が吹く呉教育隊(司令・関川秀樹1海佐)で、呉教育隊開隊60周年記念行事が、5月10日に粛々と行われた。
 最初に教育隊の体育館で実施した司令講話では、職員及び学生に対し、「海上自衛隊の創設について ? いかにして海上自衛隊は生まれたのか ? 」と題し、海上自衛隊創設に至る歴史及び海軍から受け継がれた伝統を講話した。
 その後、呉教育隊開隊から今日までを振り返る、呉教育隊で作成したビデオの放映を実施し、古き良き伝統を振り返るとともに、60年間の呉教育隊及び呉市内の街並みの変化を知る良い機会となった。
 引き続き、旧海軍呉海兵団第1兵舎跡地で「記念植樹」を実施した。60周年に相応しい樹木として、薩摩紅梅(花言葉‥高潔・忠実・忍耐)を植樹し、職員及び学生に分かれて記念撮影を実施した。
 新たな呉教育隊の歴史を刻む職員一同は、花言葉にもあるように高潔な職務に対し忠実に忍耐強く邁進し、精強な新入隊員の育成に尽力していくことを心に刻み、60周年記念行事の幕を閉じた。

市制88周年記念イベント支援
〈八戸航空基地〉
 海上自衛隊八戸航空基地(群司令・小峯雅登海将補)は5月1日、当航空基地が所在する八戸市の公会堂で開催された陸・海・空自衛隊音楽隊合同コンサートの一環として、市庁舎前市民広場での防災装備品等の展示を支援した。
 合同コンサートは、八戸市が主催し青森地方協力本部(本部長・田中佳行1海佐)が協力した八戸市市制施行88周年の記念事業の一つである。
 このコンサート開催にあわせ、当航空基地は海上自衛隊として機動施設隊が保有するDRASH(Deployable Rapid Assembly Shelter・フレーム一体型急速展張シェルターテント)や、給水車などの防災装備品等を展示したほか、陸上及び航空自衛隊からも災害時に活躍する入浴支援設備等が展示された。集まった多くの来場者は、実際にシェルターテントの中に入ってその大きさを確かめたり、災害装備品の使用法について隊員の説明を熱心に聞くなど、珍しい防災装備品等に関心を寄せていた。
 また、コンサート開始前にオープニングセレモニーが行われ、小林眞八戸市長等の挨拶の後、陸上自衛隊による八戸陣太鼓の演奏披露、その後、航空自衛隊のブルーインパルスによる展示飛行が行われた。あいにくの曇り空ではあったものの、一糸乱れぬ隊形で上空を通過したり、大空に桜の花びらや88周年にちなんだ「8」の字が見事に描かれると、この日会場に詰め掛けた約1万人の観衆や航空ファンから拍手と大歓声が湧いた。
 その後の合同コンサートにおいては、約2千人の観客が同市公会堂を埋め尽くし、3自衛隊の息の合った迫力ある演奏に酔いしれた。全曲目の演奏が終ると、観客からのアンコールに応え各自衛隊の行進曲が披露され、その最後を海上自衛隊の行進曲「軍艦」の勇壮な演奏で飾り、陸・海・空自衛隊音楽隊合同コンサートは幕を閉じた。
 八戸航空基地は、「今回このような形で八戸市制施行88周年に関わり、微力ながら花を添えることができたことは大変喜ばしい。今後とも八戸市及び八戸市民を含む周辺住民の皆様が、数字の「八」のごとく末広がりにご繁栄されることを願っている」と話している。

「災害等の非常時における燃料等の確保に関する協定」の調印式
〈舞鶴地方総監部〉
 海上自衛隊舞鶴地方総監部(総監・菊池聡海将)と京都府石油協同組合(府内約170社が加盟)が4月5日に「災害等の非常時における燃料等の確保に関する協定」を締結した。
 これに先立って、舞鶴地方総監部は、佐世保地方総監部における熊本地震の教訓を踏まえ、本年3月に京都府トラック協会との間で非常時における輸送能力の確保に関する協定を締結している。この協定と同様に、非常時における燃料等の確保に関し、その調達を迅速に実施できる環境を平素から構築するため、京都府石油協同組合に協力を要請し、同組合がそれに応え協定締結が実現した。
 この日、舞鶴地方総監部において行われた調印式には、菊池聡総監と松田好民理事長が協定書に署名。この協定により、想定される南海トラフ大地震等の非常時において、舞鶴から被災地に物資を送る海自のトラックや小型艦艇等に燃料を安定的確保することができることとなった。今後、訓練を通じて、非常時に円滑に燃料の提供を受けられるように、体制を整えて行く方針。海自と地元石油組合との協定は、佐世保地方総監部に続いて2例目。

新入隊員が「いせ」見学
〈佐世保教育隊〉
 佐世保教育隊(司令・梅崎時彦1海佐)第10期一般海曹候補生課程学生(196名)及び第13期自衛官候補生課程学生(108名)は、5月13日と14日の両日、第2護衛隊群、第2護衛隊、護衛艦「いせ」の協力を得て艦艇実習を行った。
 学生は、目の前にそびえる巨大な「いせ」の船体及び体育館のような格納庫に驚き、昇降機が動き出し飛行甲板に昇る最中は思わず歓声を上げていた。また、艦内見学では最新鋭の装備武器に食い入るような眼差しで、活発に質問をしていた。それ以上に、再練成訓練で忙しい中、艦艇勤務の誇りと魅力をアピールすべく真摯に対応してくれた先輩の頼もしい姿に深く感動していたのが印象的であった。
 「いせ」見学終了後は、米海軍佐世保基地の協力を得て、米海軍軍人のボランティアによる案内で基地内の見学を行った。学生は英語での自己紹介や米海軍に関する質問を行うとともに一緒にランチを取る等、楽しい一時を過ごすことができ、艦艇勤務の醍醐味を満喫できた1日であった。
 この日、学生は、海上防衛の第一線で活躍する最新鋭護衛艦とそこで活躍する逞しい先輩の姿を目のあたりすることができ、また、米海軍との絆も肌で感じ、艦艇勤務に対する不安が払拭され憧れが強くなったと口々に話していた。実習所感文でも艦艇勤務希望者も急増し、「いせ」効果は抜群であった。
▽佐世保教育隊コメント
 転籍直後の慌しく多忙な中にあり、後輩の育成のため真摯に対応して頂いた護衛艦「いせ」乗員一同の皆様に深く感謝致します。来年もよろしくお願い致します。

第2期比海軍操縦士2名着隊
〈徳島教育航空群〉
 5月23日、風薫るさわやかな青空の下、徳島教育航空群(群司令・森浩1海佐)に、第2期TCー90操縦講習を受講するフィリピン共和国海軍操縦士のマーク クリストファー・C・シメオン少佐及びジェリー・T・カトバガン少佐の2名が着隊した。
 TCー90操縦講習は、平成26年の日比防衛装備品・技術移転協定に基づき、平成28年11月からフィリピン共和国海軍操縦士の受け入れを開始しており、計6名を教育する予定である。なお、第1期生の2名は、平成29年5月26日に講習を終了し帰国している。
 第2期TCー90操縦講習を受講するにあたり、フィリピン共和国海軍操縦士のシメオン少佐は「TCー90型練習機は、信頼性が高く世界中で利用されている航空機と聞いている。まず機器について学び、慣れることから始めたい」と述べ、カトバガン少佐は「第1期生からは、操縦講習は高度な教育と聞いているが、飛行理論についても深く学べることから、厳しい訓練に喜んで臨みたい。また日本の文化についても学び、日本の方々と積極的に交流していきたい」と抱負を述べた。
 第2期TCー90操縦講習は、5月29日から10月20日までの間、第202教育航空隊(司令・今村靖弘2海佐)での地上教育及び空中教育を通じて、操縦技術や教官としての教育技法等について学ぶ予定である。

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