防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   941号 (2016年10月15日発行)
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「将来、パイロットになりたい」
Tー4発着訓練展示
〈浜松広報館〉
 浜松広報館は、8月24日から8月26日の3日間、Tー4発着訓練展示のイベントを行った。
 このイベントは、浜松広報館展示格納庫の北側にあるエプロン地区において、Tー4練習機の発進、到着、それに関わる整備作業や燃料補給の作業風景を目前で見ていただく人気のあるイベントだ。
 各日午前9時30分にエプロン地区を開放し、けん引車により移動してきた展示機の到着からイベントは始まった。初日の展示機は、通常の灰色の機体とは違う赤白に塗装されているTー4練習機が準備されたため、満足そうな顔で機体を眺める来館者が多くいた。
 エプロン開放から間もなく、飛行訓練を終了した2機のTー4練習機が広報館エプロン地区に戻ってきた。航空機整備員の誘導により、見学者の直前まで近づいて来るTー4練習機の迫力に圧倒された人もいたようだ。
 飛行訓練開始の時には、安全のため格納庫内から見学となったが、エンジン音の大きさに耳を塞いで見守る女性や、大きく手を振って笑顔で送り出す子供達、大きなレンズのついたカメラで撮影を続ける男性などが見受けられた。
 また、飛行訓練の前後にパイロットと来館者との交流の時間が設けられ、来館者からはパイロットになるために注意すべきことや航空機の操縦の方法について質問が寄せられたり、また訓練中の操縦学生に対して励ましのエールを送るシーンもあった。
 中には、緊張して何を話して良いか解らない、恥ずかしいといった子どももいたが、パイロット側からの笑顔でのアプローチやTー4練習機のフォトカードといった思わぬプレゼントにより緊張も解け、最後は笑顔で記念撮影なども行い、楽しく過ごしたようだった。
 今回は、飛行訓練前の機体の点検、終了後の整備、燃料車による燃料補給を展示し、航空自衛隊のパイロット養成のための飛行訓練の状況を見てもらう良い機会となった。また飛行訓練実施中、今まさに飛行しているパイロットと浜松管制隊との無線の交信状況を格納庫内に放送し、併せて航空管制官によるリアルタイムな解説を行い、将来の職業としての興味を持った中学生や高校生、そして航空無線の愛好家にも楽しんでもらうことができた。
 3日間とも天候にも恵まれ、夏休み期間であることから、遠方から来た人もいて、多くの方々に喜んでいただいたイベントとなった。また、イベントに対する感想も多く寄せられ「パイロットの話を聞いて、将来パイロットになりたくなった」と将来の夢を語る女の子や、基地祭などによく訪れる男性からは「航空祭とはまた違う雰囲気で楽しめた」といった言葉が聞かれた。
 今回のイベントを通じ、飛行訓練の状況を多くの方々に公開することで、航空自衛隊を改めて理解してもらう機会になった。

溺れていた小学生を助ける
棚町准空尉に感謝状
〈第13飛行教育集団〉
 第13飛行教育団整備補給群修理隊(芦屋)の棚町真一准空尉は夏季休暇中の8月19日15時頃、北九州市戸畑区若戸大橋下(川代2丁目北側岸壁付近)でサイクリング中の休憩時に岸壁で小学生達が騒いでいることに気がついた。
 はじめは小学生が楽しく遊んでいると思い気に留めていなかったが、しばらく騒いでいるので気になり、海を覗き込むと男子高校生が防波堤のコンクリート製のポールを掴み伸ばした右足首に海に浮かんでいる男子小学生を捕まらせことを確認した。
 状況を確認した棚町准空尉は、男子高校生に励ましの言葉をかけると共に周囲の人々へ消防への連絡とロープの確保を依頼し、男子高校生の手がポールから離れないよう男子高校生の体を保持した。状況に気付いた男性1名、トラックの運転手等が救助に協力し、到着した消防隊員が無事に男子小学生を救助した。
 9月27日に棚町准空尉、男子高校生、男性1名は北九州市戸畑消防署より「3人が連携し救助を行ったことは、広く市民の模範になります。今後ともご協力お願いします」との感謝の言葉と共に感謝状を受け取った。

日米下士官交流
〈第9航空団〉
地域貢献プログラムはじまる

 嘉手納基地の第18航空団と那覇基地の第9航空団(司令・川波清明空将補)は、「日米下士官交流」を始めた。この交流は、米空軍の下士官と航空自衛隊の准曹士が協力して地域に貢献できる活動を行うことを目的としている。
 第1回目の交流は9月20日に那覇基地で行われ、嘉手納基地の第18航空団からは副指揮官のアムライン大佐、最上級曹長ホフマン曹長のほか下士官7名と広報担当の将校2名が参加した。
 この日のプログラムは、はじめにアムライン大佐及び第9航空団副司令の辻1佐による地域活動の重要性に関する講話が行われ、米空軍と航空自衛隊から隊員が約150名参加した。その後、日米の隊員は5つのグループに分かれ、米空軍、航空自衛隊が行っているそれぞれの地域貢献活動について情報を交換したのち、今後の活動要領について話し合った。
 第2回目以降の日米下士官交流では、日米の隊員が協力して地域に貢献できる活動について計画を立て、日米の隊員が一緒に活動していく予定だ。
※当交流の様子は、嘉手納基地のホームページにも掲載されています。


「消防があるとは思わなかった」
〈串本分屯基地〉
 串本分屯基地は、9月14日から3日間、串本西中学校の中学2年生平野哲梓(ひらのてつし)君の職場体験を実施した。
 基地内見学に始まり、基本教練、自衛隊体操といった自衛官としての基本動作を体験し、また、防火服の着装、LANケーブルの作成、警備の巡察等の様々な自衛隊の仕事(特技職)を体験した。
 体験前は、自衛隊は「訓練ばかりしている」とのイメージだったとのことだが、体験しているうちに、自衛隊は「専門的な分野で、それぞれが様々な仕事をしている」と感心していた。
 特に興味を引かれた職種は「消防」で、「自衛隊の中に消防があるとは思わなかった。防火服を着たのは初めて。非常に重く暑かった。これを着て消火活動をするのは、とても大変だと思う」と話していた。
 「非常に貴重な体験が出来た3日間だった」と満足した様子だった。

【訂正】9月15日号に掲載された「高級幹部名簿」の中で誤りがありました。大変ご迷惑をおかけしました。お詫びして訂正致します。《紙面に掲載》

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