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自衛隊ニュース   933号 (2016年6月15日発行)
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海上自衛隊特集

第22次派遣海賊対処行動航空隊帰国
〈八戸航空基地〉
 ソマリア沖・アデン湾で海賊対処任務に就いていた第22次派遣海賊対処行動航空隊(司令・本村雅久1海佐)のP-3C2機が5月13日、海上自衛隊八戸航空基地に帰投し、隊員や家族の出迎えを受けた。同隊は2月1日に海上自衛隊八戸航空基地を出発し、ジブチの活動拠点をベースに、約3ヵ月にわたりソマリア沖・アデン湾における警戒監視などを行った。
 派遣中の任務飛行は51回、約400時間に上がった。今回の派遣期間中、海賊事案の発生がなかったことに対し、本村1海佐は「我々の活動が抑止力として働いていると感じることかできた」とのコメントを発した。
 本村1海佐から帰国の報告を受け、第2航空群司令は「重要な任務を完遂してきたことに敬意を表したい」と述べ、また、列席した八戸市長からねぎらいの言葉をいただいた。
 出迎え終了後は、出迎え家族と3ヵ月ぶりに再会し、隊員に子供たちが駆け寄り、抱きついたりハイタッチするなど歓喜の声が飛び交っていた。
 なお、派遣海賊対処行動航空隊は現在、鹿児島県鹿屋市に所在する、第1航空群から派遣された隊員を主力とした第23次隊が任務に当たっている。

海自水泳大会の会場準備着々
〈舞鶴教育隊〉
 舞鶴教育隊(司令・深谷克郎1海佐)では、本年8月30日に行われる第30回海上自衛隊水泳大会に向けて準備が着々と進んでいる。
 舞鶴教育隊水練館(平成8年6月落成)は、現在に至るまで計画的に整備されてきたものの経年劣化は如何ともし難く、今大会で万全の態勢で好成績を収められるよう、施設整備を急ピッチで進めている。その中でも、劣化が激しいスタート台を新型のスターティングブロック型に更新したことから、今大会では今まで以上の新記録が期待される。
 4月14日及び15日には、今春入隊したばかりの第9期一般海曹候補生課程学生及び第11期自衛官候補生課程学生(計261名)の水泳能力測定で新スタート台が早速使用された。学生は、舞鶴教育隊司令の学生への要望事項である「あきらめるな」を胸に、元気よく飛び込み、全力を出し切った。
 また、選手の宿泊場所としても利用される第1隊舎の建設も間もなく完成を迎え、その後はベッド、ロッカー等を設置する等、舞鶴教育隊内の施設整備を進めていく。

中学生140名を支援
白菊特攻隊等を研修
〈徳島教育航空群〉
 徳島教育航空群(群司令・中園博文1海佐)は5月18日、松茂中学校2年生の生徒140名に対し記念館及びTC-90型練習機の見学支援を実施した。松茂中学校では6月に修学旅行で沖縄県を訪れるのを前に、平和学習の一環として地元徳島の戦史についても知識を深めるため徳島基地見学が企画された。見学の前日には松茂中学校において海軍徳島航空基地で編成された白菊特攻隊に関し、白菊特攻隊を語り継ぐ会の山下氏から講話による説明を受け戦争の悲惨さや平和の尊さについて学習し、記念館では広報室員から説明を受けながら出撃前の所感や当時の写真を間近に見て、「白菊」で飛び立った若い特攻隊員が沖縄近海で祖国日本のために命を落とした悲劇に思いをはせた。また生徒達は、白菊特攻隊員の中には自分たちと同年代で特攻の任務についた隊員がいたことの他に、第2代水戸黄門役の西村晃氏や茶道裏千家15代家元の千玄室氏等の著名人も特攻隊員であったことにも驚いた様子であった。
 生徒達は、記念館の他に航空機見学を実施し、現在の徳島教育航空群についても、数多くの質問があり海上自衛隊の任務についても興味をもった生徒もいた。
 見学終了後、生徒達は平和の大切さを噛みしめつつ徳島航空基地を後にした。

女性航空学生
七つボタンの制服
着用(試行)開始
〈小月教育航空群〉
 この春、第68期航空学生を迎え入れた小月教育航空群(群司令・春花和広1海佐)で、新たな試みとして、これまで男性学生のみが着用していた「七つボタン」の制服を女性学生へも着用させる試行が開始された。
 「七つボタン」は、旧海軍飛行予科練習生が着用していた伝統ある制服を継承したもので、海上自衛隊は昭和45年に航空学生に採用した。
 今回の試行は、今後益々女性自衛官の活躍の場が広がることを踏まえたもので、小月教育航空群に所属する11名の女性学生の「七つボタン」を着用したいという強い願いが叶ったものである。
 今後、約一年間の試行を経て、正式化されれば、航空学生は男女を問わず「七つボタン」を着用し、海上自衛隊航空学生としての強い自覚と海軍から続く伝統を背負い、海上自衛隊幹部搭乗員となるべく、教育・訓練にまい進することになる。

第1回カレーコンテスト
第5航空群
 4月15日に、第5航空群(群司令・畠野俊一海将補=那覇)では初の試みとなるカレーコンテストを開催した。
 コンテストは、給養班の選抜隊員5名が、それぞれ沖縄郷土料理イナムドゥチをベースにしたカレー、鮪を使ったカレー、王道のビーフカレー、バターチキンカレー、タコライスをカレーにアレンジしたタコライス風キーマカレーと創意工夫したカレーを作成して、普段喫食している隊員に食してもらい、投票する形で実施した。投票の結果、バターチキンカレーが多くの票を獲得して優勝した。
 優勝を逃がした他のカレーも好評であったことから、今後、優勝したバターチキンカレーだけでなく、他のカレーも隊員の給食として彼等の胃袋を満たすこととなりそうだ。

蕪島ボランティア清掃
八戸航空基地海曹会
 八戸航空基地海曹会(会長・杉塚一哉海曹長)は4月9日に八戸市にある蕪島海浜公園で清掃ボランティア活動を行った。
 当日は、風がやや強かったものの、青空の下、八戸航空基地に所属する隊員及びその家族合わせて約230人が参加した。
 蕪島海浜公園はウミネコの繁殖地として知られる観光の名所でもあり、活動中もまるで今回の活動を声援するかのようにウミネコが飛び交い、子ども達の歓声もあわせて飛び交っていた。
 ボランティア活動とあわせて、清掃終了後に隊員家族間の交流を深めてもらうため豚汁を振る舞ったところ、参加者はその美味しさに驚きつつ、笑顔とともに舌鼓を打っていた。
 この活動は、蕪島まつり開催日の一週間前に実施しているものであり、平成6年から継続され、(平成23年と24年は東日本大震災の影響により中止)、今回で21回目となる。
 なお、この活動に関し、地元マスコミからの取材を受け、杉塚海曹長は「八戸市民の皆様に蕪島まつりのひとときを気持ちよく過ごしていただけるよう、今後も貢献していきたい」というコメントを残し、ウミネコに見送られ景勝地蕪島を後にした。

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