防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   930号 (2016年5月1日発行)
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〜中央即応集団〜
魁の風
Central Readiness Force
さくらプロジェクト修了式
南スーダン
 南スーダン派遣施設隊第9次要員(隊長・相園和宏1陸佐)は3月31日、南スーダンの首都ジュバ市に所在するジュバ職業訓練センター(以下MTCという)において、再建援助等支援である「さくらプロジェクト」の修了式を、キリキリ南スーダン労働省労働局長代理、紀谷昌彦在南スーダン大使、古川光明JICA所長の他、多数の来賓の臨席のもと執り行った。
 当プロジェクトは、南スーダン国民の職業能力の向上を図り、民生の安定に寄与することを目的として平成27年5月(第7次要員)に開始され、今回が3回目となる。今回は、車両整備、電気整備、コンクリート施工、ITネットワーク技術及び裁縫の5課目の技能実習に合計127名のMTC学生を迎えて実施された。
 修了式に先立ち、キリキリ労働局長代理と派遣施設隊・相園隊長によりメモリアルウォールに記念プレートが設置された。修了式では、相園隊長から各課目の履修代表者に修了証書が授与された。
 学生を代表してマビオ学生は、「我々は、さくらプロジェクトを通して知識や技術だけでなく、人間性を高め、かつ人生の役に立つ日本の文化や日本人のものの考え方を学んだ。ありがとう」と答辞を述べた。
 次いで相園隊長が学生に対し、「教官が困惑するほど実に様々な質問を教官に投げかける等、学生は終始熱心に教育を受講し、少しでも多くのものを吸収しようという意思を強く感じた。127名の学生は、今回の"さくらプロジェクト"を立派に修了し、多くの知識と技能を手にいれた。今後は、この知識と技能を活かして引き続き教育に勤しみ、更にスキルアップすることを望む。私が要望した「資質の涵養」、「技術の修得」、「安全管理」の意味を理解し、南スーダンの発展に寄与するとともに、今後の人生に生かしてもらいたい」と訓示を述べた。また、学校を代表してマーティンMTC副学校長は、「日本隊の隊員各位による我々に対する支援をしたい、技術を共有したいという善意が、127名もの学生を育てた。日本隊の善意は必ず南スーダンの明るい未来へと繋がると信じている。日本隊の皆さん本当にありがとう」と述べた。
 来賓の南スーダン労働省キリキリ労働局長代理は、「本プロジェクトは、南スーダンの基盤となる必要な技術を醸成する上で非常に重要であり、本プロジェクト修了生は国造りに必要な重要な人材である。本プロジェクトが今後も継続し、願わくば規模と範囲が拡大してゆくことを祈念する。」と述べた。また、紀谷在南スーダン大使は「学生の皆さんは、ここで学んだ経験を活かし、この国の平和と繁栄に貢献してもらいたいと思う。自分の能力を活かし、他人を助け、友好的な関係を築き、この国の繁栄を支援してもらいたい。皆さんこそが、この国を変える」と、祝福の言葉を述べた。
 本修了式の様子を南スーダンのメディア(新聞社5社、テレビ局1社)が取材に訪れ、ジュバ市を中心に大きく報道された。
 派遣施設隊は、本プロジェクトを第10次要員へ引き継いでいく予定である。

グローバルセキュリティセンター発足
防衛大学校
 平成28年度の予算成立に伴い、防衛大学校にグローバルセキュリティセンター(武田康裕センター長以下17名)が発足し、4月1日に辞令交付が行われた。同センターは、防衛大学校がさらに飛躍・向上していくための取り組み、「新たな高み」プロジェクトの一つとして一般教養を基礎とした豊かな人間性を形成させる教養教育センター、戦略的に国際交流事業を展開する国際交流センターに次ぐ三番目のセンターとして発足したものである。
 グローバルセキュリティセンターは、現代社会が直面する安全保障上の課題について、(1)学術と実務の融合、(2)文理融合型の学際的アプローチと国内外の教育研究機関との相互連携・協力による学術研究基盤の強化・推進と学問的発展、(3)本科・研究科教育の国際化推進に寄与、(4)研究成果の広く国内外への発信、を目的として設立されたものであり、センター長以下、企画を担当する企画・発信部門(部門長・源田孝教授)、研究を担当する研究部門(部門長・庄司隆一教授)で構成されている。
 平成28年度からは、欧米の研究機関や士官学校との共同研究、海洋、宇宙、サイバー空間といった国際公共財のリスク管理や安定的利用についての研究、そして大規模災害、危機管理、メンタルへルス等についての多角的な研究が開始される。
 学校長は、辞令交付後の訓示において「防衛大学校は、今後も新たな高みに向けて、様々な施策を具現化して行く。『すべては学生のために』を旨としつつ、業務に邁進してもらいたい」と激励した。

砕氷艦「しらせ」帰国
57次隊
 4月14日、第57次南極地域観測協力のため、昨年11月16日に横須賀を出港した砕氷艦「しらせ」(艦長・大鋸寿宣2海佐、基準排水量1万2560トン、乗員約180名)が全任務を完遂し、約5ヶ月振りに帰国した。今次では初めて女性隊員9名が乗艦した。
 午前8時20分、東京晴海ふ頭HJ岸壁に接岸した「しらせ」。生憎の天気にも拘らず、帰国を待ち侘びた約200名の家族が、南極の過酷な環境を克服した隊員達を笑顔で迎え入れた。艦内では、女性隊員の母親が娘の手を握りながら再会を噛みしめている姿等が見られた。
 「しらせ」は昨年11月に横須賀を出港後、12月2日にオーストラリア・フリーマントルで観測隊員64名を乗艦させ、12月中旬に氷海へ進入。今年1月4日に3年連続で昭和基地沖への接岸を達成した。昭和基地には、食料等の物資1037トンを輸送し、艦上観測や屋外観測、基地設営等の支援を55日間にわたり実施した。帰路では、南極のモーソン基地沖で座礁したオーストラリア籍砕氷船の観測隊員70名とヘリコプター3機をケーシー基地まで輸送支援した。その後、3月24日にシドニーで60名の観測隊を退艦させた後、4月14日に151日間、約24000マイル(地球約1周相当)の航路を東京・晴海で無事に終えた。ラミング数は過去最高を数えた前回から大幅減の1852回となった。
 帰国行事で、山崎幸二統合幕僚副長が代読した統幕長訓辞では「これらの成果は、諸官が平素から厳しい訓練に奮励し、大鋸艦長を核心として一致団結、旺盛な士気を維持して任務に邁進した真摯な努力の賜物である」と労をねぎらった。村川豊海上幕僚副長が代読した海幕長訓辞では「「しらせ」が女性職域拡大の新たな歴史を築いたことを嬉しく思う」と訓示した。
 記者団に対し内田麻子2海尉は「他の船や陸上での勤務と同様、男性隊員と一緒に頑張ってこれたので、何も心配せずに、志願してほしい」と、今回が初めての艦上勤務だった平川真由美1海曹は「初めてでも対応できる生活環境やそれぞれの能力を発揮できる場でもあるので、今後も続いてほしい」と後進へメッセージを送った。

東富士・北富士演習場で野焼き等視察
南関東防衛局
 3月27日、東富士演習場において、一般社団法人東富士入会組合ほかが主催で実施する野焼き作業が行われ、井口南関東防衛局次長等が視察した。
 当初2月20日の実施予定だったが、天候不良等により5週間遅れとなった。
 野焼き作業は害虫駆除や野火の発生の防止などを目的としており、地元消防・警察及び陸上自衛隊等が協力し4作業区に分かれ、約2,700ヘクタールを焼いた。
 また、4月10日には北富士演習場において富士吉田市外二ケ村恩賜県有財産保護組合ほかが主催で実施する「火入れ」が行われ、土本南関東防衛局長等が視察した。
 火入れ会場は三か所あり土本局長が出席した吉田会場での火入れ式では堀内新屋入会組合長の開式のことば、武川富士吉田市外二ケ村恩賜県有財産保護組合長等の挨拶の後、「火入れ」が実施され、約1,900ヘクタールを焼いた。

 4月6日に発生した航空自衛隊飛行点検機U-125墜落事故において、亡くなられました6名様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。と共にご遺族様及び関係者の方々にお悔やみを申し上げます。
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