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自衛隊ニュース   928号 (2016年4月1日発行)
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防衛大学校本科60期生卒業式
 若き俊英たちの旅立ちを天が祝すが如く関東地方に桜の開花宣言が出された3月21日、防衛大学校の本科第60期学生、理工学研究科前期課程第53期学生、同後期課程第13期学生及び総合安全保障研究科前期課程第18期学生、同後期課程第5期学生の卒業式が自衛隊最高指揮官の安倍晋三内閣総理大臣を迎え、同校記念講堂で行われた。
 本年度の卒業者数は本科439名(うち女子31名、留学生20名)研究科総計79名。また、一般幹部候補生の任命・宣誓が行われ、陸海空各幕長が陸上要員177名(陸代表並びに卒業生代表・戸高陸)、海上要員94名(代表・山本玲)、航空要員99名(代表・小田原啄)を任命した。
 卒業証書を携え更に凛々さを増した学生を前に、國分良成学校長は式辞を、安倍総理と中田元防衛大臣はそれぞれ訓示を述べ、20年、30年先の自衛隊を担う若者たちを大いに激励した。
 安倍総理は「平和安全法制は世界から支持され、高く評価されています。その誇りを胸に、自信を持って新しい任務に取り組んで欲しい」などと訓示。安倍総理と中谷大臣は共に、PKOを通じ築かれたカンボジアとの深い友好関係等にも触れ、国際貢献の意義や世界を常に意識して今後の自衛官生活を送るよう求めた。

陸自高等工科学校59期生卒業式
 陸上自衛隊高等工科学校(学校長・小和瀬一陸将補)は、平成28年3月20日、若宮健嗣防衛副大臣立ち会いの下、黒江哲郎防衛事務次官、岩田清文陸上幕僚長が参列し、第59期生(305名)の卒業式を盛大に挙行した。
 式に先立ち、若宮防衛副大臣は2学年生徒約100名による儀仗隊と吹奏楽部による音楽隊の栄誉礼を受けた。式は小泉進次郎衆議院議員、古屋範子衆議院議員をはじめとする部内外多数の来賓が臨席するとともに、この晴れの日を心待ちにしていた卒業生の家族約820名が出席した。学校長が生徒一人一人に卒業証書を手渡した後、今まで培ってきた「自信と誇り」を持ち、決してあきらめず、常に溌剌と取り組み、陸上自衛隊高等工科学校出身者『らしくあれ』という言葉を餞として贈った。続いて防衛副大臣は、「本日の生徒諸君の自信と気力に満ちた表情は非常に頼もしく感じる。これからの長い人生様々な壁が立ちはだかると思うが、今日の感慨と眼差しを肝に銘じて乗り越えていってほしい」と訓示を述べた。また、陸上幕僚長は、「軍事のプロとなれ」「自ら進んで、困難に立ち向かえ」「生徒の良き伝統を継承せよ」と訓示した。
 その後、在校生代表池上智浩生徒による送辞、卒業生代表上野良麿生徒による答辞、「仰げば尊し」斉唱、校歌斉唱と続いた。特に答辞では生徒のみならず来賓・保護者が感極まり涙を流す場面も見られ、「仰げば尊し」斉唱においても、卒業生・在校生ともに涙が頬を伝い、本校で過ごした3年間が充実したものであったことを印象づけた。引き続き、学校グラウンドにおいて、恒例の在校生による送別パレード・ドリル演技及び本校出身者の操縦による祝賀飛行が披露され、晴れの門出に花を添えた。
 午餐会後、家族・在校生・学校職員が見送る中、卒業生305名は3年間共に過ごしてきた同期との別れの寂しさと、新たなスタートへの期待を胸に母校を巣立っていった。
 なお、一部の生徒は防衛大学校、海上自衛隊・航空自衛隊の航空学生に進む。卒業生のほとんどの者が4月1日付けで陸士長に任官し、全国5ヶ所にある陸曹教育隊で生徒陸曹候補生課程へと進み、陸上自衛官として自衛官生活の第1歩を踏み出すことになる。

高等看護学院最後の卒業式
〈中央病院〉
 3月4日、三宿駐屯地体育館で中央病院高等看護学院第56期生の卒業式が、塚原大臣官房衛生監はじめ部内外多数の来賓、この日を心待ちにしていた家族、中病職員、三宿駐屯地所在隊員等約450名が見守る中で挙行された。堤崎高等看護学院長から卒業生66名一人ひとりに卒業証書、成績優秀者に対し病院長賞、学院長賞が授与された。
 瓜生田病院長は、式辞で「医療従事者としてのプロ意識を持ち、知識・技能を磨け」「看護陸曹であることに誇りを持て」「自衛隊中央病院高等看護学院最後の卒業生であることを忘れるな」と要望され、新任地に旅立つ卒業生を激励した。また、塚原衛生監は、「常に患者に寄り添い、思いやりの心をもって接する看護師であってほしい」と餞の言葉を送った。続いて卒業生を代表し藤高士長が、「3年間の高等看護学院での学びを糧に、それぞれの任地においても常に学び続ける姿勢を持ち、高等看護学院の最後の学生として伝統と誇りを受け継ぎ、成長し続けます」と決意を述べた。
 引き続き、岩田陸上幕僚長臨席のもと、閉校記念式典が挙行された。陸幕長は祝辞で、自衛隊初の女性自衛官を養成する教育課程として発足した同学院の58年間の歴史にふれ、全国の自衛隊病院・部隊等だけでなく災害派遣・国際緊急援助活動等での看護官の活躍を評価した。さらに高等看護学院の発展的な閉校にあたり陸自の看護官へ「戦場の天使であれ」「救命に執念を持て」の2点を要望し、命がけで戦う隊員の心に寄り添い必ずや救命するとの強い使命感を持って、更なる精強性を追求する衛生科職種の発展に期待を寄せた。
 昭和33年から平成27年度末までの高等看護学院の卒業生は4160名で全国で活躍している。自衛隊における看護師養成は防衛医科大学校に新設された4年制の看護学科に引き継がれ、3月28日その永い歴史に幕を下ろした。

米空軍AWC 教官や学生が訪問
〈空幹校〉
 3月1日、米空軍幹部高級課程(AWC)教官及び学生の計19人が航空自衛隊幹部学校(学校長・小野賀三空将=目黒)を訪問した。アジア太平洋地域の安全保障に関するフィールドスタディーの一環として来日したものであり、平成8年以降20回目の訪問となる。
 空幹校の概要、高級幹部教育に係る説明を受けたうえで、日米のAWC学生は安全保障全般について意見を交換し、特に「今後の日米同盟の発展の方向性」について積極的な議論が交わされた。
 その後の懇親会でも、同じAWC学生ならではの話題に花を咲かせ盛況のうちに終了した。
 米AWC側からは、「今、世界で最も注目を集めているアジアでの最大の同盟国である日本において、日米のカウンターパートと率直な意見を交換できて非常に良かった」とコメントがあり、空幹校も「相互理解を深め信頼を醸成する良き機会であり、今後も国外研修団を積極的に受入れ、幹部教育の更なる充実を図りたい」としている。

152期飛行安全幹部課程修了式
〈航安隊〉
 3月10日、航空自衛隊航空安全管理隊(立川)で「第152期飛行安全幹部課程修了式」が行われた。3自衛隊の区分や職種に関係なく、全国の部隊から集まった飛行運用又は操縦幹部等12名が、部内外講師による講義や部外研修等を通じて、飛行安全及び航空事故調査に必要な知識技能を修得した。
 修了式で航空安全管理隊司令は「これから部隊に戻り、課程で修得した知識や技能を、君たちが中核となって浸透させ、飛行安全に少しでも貢献できる事を期待しています。これから頑張ってください」と激励した。本課程の内容の充実度は学生が口を揃えて話す「自分の知識の浅さを思い知った」という言葉が物語る。部内での講義はもちろんのこと、部隊任務中では機会が少ない部外の専門家による講義や、民間を含む部外研修等は貴重な時間だったようだ。「安全対策の大筋は同じだと感じたが、組織が違えば取組み方も様々だった。外の組織のやり方も取り入れていけたらより良いものができると思った」(伊藤1空尉)、「部外講師による講義は、ただの学問としてではなく、飛行安全をより身近に感じられるような内容で引き込まれ、意識が高まった」(小池2空尉)等学生達は語る。
 学生達は今後課程で修得した知識・技能を部隊で発揮する。「『人は必ずミスをするものだ。それをコントロールしなくてはいけない』ということを部隊で反映したい」(小倉1陸尉)。隊司令以下、部隊総出の見送りを受けた学生達の充実した表情を見ていると、今後の自衛隊の飛行安全に対する彼らの活躍を大いに期待することができた。
※同面、部隊・機関等の長名等は全て実施当時。

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