防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   923号 (2016年1月15日発行)
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一層精強な部隊に
日々訓練に励む

小隊長としての第一歩
〈第7普通科連隊〉
 第7普通科連隊(連隊長・上野和士1陸佐=福知山)は、12月10日から11日の間、長田野演習場において、一般幹部候補生普通科隊付教育の総合訓練を実施した。
 総合訓練は、一連の状況下での陣地攻撃を実施し、初級幹部として必要な指揮要領を実員でもって演練し、小隊長としての指揮要領を概ね修得することを目的に実施された。
 訓練開始にあたり、訓練担任官である第3科運用訓練幹部(原槇1陸尉)は、「初めての実員を用いた訓練であるが自信をもって部隊を指揮せよ」と述べた。
 幹部候補生は、駐屯地において前進命令を下達し、集結地の占領から偵察、攻撃命令の下達、戦闘指導そして第一戦陣地に対する攻撃等、一連の行動を不眠不休、悪天候の中、寒さに耐え、常に小隊の先頭で、士気高らかに小隊を指揮した。
 状況終了後、第1小隊を指揮した桑原幹部候補生は、「部隊を指揮・掌握する難しさ、企図を明示することの大切さを感じた」と感想を語った。
 明日の自衛隊を担う幹部候補生9名は、福知山駐屯地で小隊長としての第一歩をスタートさせた。

秋田県警と共同訓練
〈第21普通科連隊〉
 第21普通科連隊(連隊長・前島政樹1陸佐=秋田)は12月17日、秋田駐屯地において、第1中隊(中隊長・堺3陸佐)50名と秋田県警50名による自衛隊と警察の共同訓練を実施した。
 訓練開始式で自衛隊側訓練統裁官の米山副連隊長は、「自衛隊及び警察が相互の能力を理解するとともに、共同での対処任務を効果的に遂行するための調整要領や現地での対処要領を実際的なイメージを持って演練し、検証してもらいたい」と訓示した。
 訓練は、秋田県内に不法侵入した武装工作員が車両を強奪し、複数の検問所を自動小銃等を乱射しながら突破して、一般の警察力では治安を維持できない事態が発生し、自衛隊に治安出動が下令されたという状況で行われた。
 緊急輸送訓練では、自衛隊車両を重要施設まで誘導するという想定のもとに、パトカーの先導及び後押さえによる前進要領を演練した。自衛隊と警察は、迅速に前進要領を調整するとともに、速やかに悌隊を組み前進し、緊急事態発生時における連携について確認をした。
 想定訓練では、自衛隊と警察が検問所を開設し、各状況に応じた対処行動を実施するとともに、迅速かつ正確な情報共有及び緊密な連携により武装工作員の侵入を阻止・排除する要領を検証した。
 今回の訓練において自衛隊と警察の密接な連携と強固な信頼関係を構築し、共同訓練を終了した。

BCTCに参加して
〈第12普通科連隊〉
 第12普通科連隊(連隊長・根本正之1陸佐=国分)は、12月4日から10日までの間、西部方面指揮所訓練センター(健軍)で実施された第一回戦闘団対抗方面指揮所訓練に参加した。
 健軍駐屯地で七日に編成完結式を行い戦闘団として決戦の火蓋が切って落とされた。二夜三日の状況下、疲労感が増す中、全隊員が心をひとつに中隊・支援部隊そして戦闘団本部の力を結集して敵戦闘団を必ず倒すという強い気持ちで最後まで死力を尽くし戦った。状況終了時は鬼のような形相から一気に安堵の表情へと変わり各ブースから出てきて互いの健闘を讃えた。

第128期団陸曹候補生等履修前教育
〈第1特科団〉
 第1特科団(団長・徳川泰久陸将補=北千歳)は、11月9日から11月27日までの間、団最先任上級曹長蛯原准尉を担任官として団陸曹候補生等履修前教育を行った。
 教育は、陸曹候補生課程入校予定者24名に対して、陸曹候補生として必要な資質を涵養するとともに、共通的識能に習熟させ教育入校準備に万全を期すことを目的とし、精神教育、戦闘訓練、野外訓練及び訓練指導法等の教育が行われた。
 候補生達は積極果敢に訓練に取り組み、時間に追われる生活、厳しい訓練の中で互いに切磋琢磨し、体力、精神力が向上するとともに、同期の絆を日々強めていった。
 総合訓練は、前日に降った大雪に足を取られながらも雪をかき分け、訓練成果を発揮して任務を完遂した。
 本教育終了に当たり候補生は、「今教育で自分に足りないものをたくさん感じました。理想の陸曹に近づくために、陸曹教育隊入校前までに今回の教育で学んだことを復習し、資質を高めていきたいです」と陸曹教育隊入校への抱負を述べた。

冬季遭難救援隊訓練
〈上富良野駐屯地〉
 上富良野駐屯地(司令・山崎誠一1陸佐)は、12月10日、上富良野町十勝岳三段山周辺において、冬季遭難救援隊訓練を実施した。本訓練は、災害対処能力の向上を図ることを目的に行われ、任務付与から行進・救助・搬送までを一連の状況下で演練した。
 訓練に参加した隊員は、練度向上を図るとともに、冬季における災害の特性について認識を深めていた。

海賊対処行動水上部隊(22次隊)22名帰国
〈第22航空群〉
 第22航空群(群司令・大町克士海将補=大村)は、12月17日海賊対処法に基づくソマリア沖・アデン湾での任務を終え母港(佐世保)に帰港する第5護衛隊の護衛艦「あきづき」、第13護衛隊の護衛艦「さわぎり」に派遣した第22航空群所属隊員22名(搭乗員16、整備員6名)の帰国行事を行った。
 午後2時、護衛艦「あきづき」、「さわぎり」に搭載していた第22航空隊「SH—60K」及び「SH—60J」哨戒ヘリコプター3機に搭乗した派遣隊員は、約6ヵ月ぶりにその勇姿を大村航空基地に現した。
 同ヘリコプターが着陸後、派遣隊員家族、地元防衛協会関係者等の来賓及び隊員等約400名を前に、派遣隊長(第22航空隊223飛行隊・宮元裕史3海佐)以下22名は、第22航空隊司令に対し、任務の完遂と無事の帰国を清々と報告し、同航空隊司令は、「出発してから約半年間、海賊から船舶を護衛するという我が国の国益にとって極めて重要かつ困難な任務を完遂した諸君に敬意を表すると同時に誇りに思う。今や世界の海洋安全保障は一国のみでは確立できず、海賊対処も国際協力のもとで実施され、また、我が国から中東に至る重要なシーレーンを海上自衛隊の艦艇が定期的に往復し、そのプレゼンスを示している意義は誠に大きい」と、第22航空群司令からの訓示を代読した。
 派遣隊員22名は、出迎えた家族、多数の来賓及び隊員等の大きな拍手に迎えられ、任務を終えた安堵感と、久しぶりの家族、友人との再会に緊張もほぐれ、満面の笑みで満ち溢れていた。
 第22航空群は、21年3月に海賊対処行動の第1次隊として4機の哨戒ヘリコプターを派遣して以来、第22次隊で17回目延べ215名の派遣となる。現在も第23次隊が同任務を遂行中であり、今後も基地一丸となって同任務を継続していく。

飛行1万時間を達成
山下海曹長・細川1海曹
〈第81航空群〉

 第31航空群第81航空隊(司令・大久保勝司1海佐=岩国)でOP—3C多用機の第3収集評価員として勤務する山下通助曹長(43)及び第1/第2収集評価員として勤務する細川耕作1海曹(53)は、12月11日「総飛行時間1万時間」を達成した。
 山下海曹長は昭和63年3月、第34期海生徒として海自に入隊。航空士対潜課程を履修後、8航空隊(岩国)にP—3C哨戒機の非音響対潜員として配属され、以来23年間、51空(厚木)、81空(岩国)でOP—3C多用機の第3収集評価員、203教育航空隊(下総)でP—3Cの非音響対潜員教官をそれぞれ務めた。P—3Cに約4600時間、OP—3Cには約5400時間搭乗した。
 細川1海曹は昭和56年5月、呉教育隊第208期練習員として海自に入隊。航空士対潜課程を履修後、5空(那覇)にP—2J哨戒機の音響対潜員として配属され、以来31年間、8空(岩国)でP—3C哨戒機の音響対潜員、51空(厚木)、81空(岩国)でOP—3C多用機の第1/第2収集評価員を努めた。P—2JおよびP—3Cに約5400時間、OP—3Cには約4600時間搭乗した。
 達成当日はOP—3Cでの飛行任務を終えた山下海曹長及び細川1海曹を、大久保司令以下多くの隊員が拍手で出迎え、総飛行時間1万時間達成を祝福するとともに、航空部隊恒例の「水かけ」も行われ、両名への功績を讃えた。この業績に対し山下海曹長は、「無事に1万飛行時間を達成できたことは上司や部下のお陰であり、大変感謝しています」と、細川1海曹は「これまでの経験から得た教訓を後輩に伝え、航空部隊の発展に貢献したいと思います」と、語っていた。


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