防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   918号 (2015年11月1日発行)
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特別儀じよう隊に総理大臣特別賞状
 10月21日、総理大臣官邸大ホールで特別儀じよう隊に対する特別賞状の表彰式が執り行われた。式には若宮健嗣防衛副大臣、熊田裕通政務官、黒江哲郎事務次官、河野克俊統合幕僚長、岩田清文陸上幕僚長、海上幕僚長代理、航空幕僚長代理、警務隊隊長・佐々木伸司陸将補が陪席した。
 昭和32年10月にインド共和国のネルー首相を国賓として迎えて以降、58年間で100カ国、延べ1000人を超える賓客に対する特別儀じようを実施し、日本国として賓客に最高の敬意をを表し、また自衛隊の精強性を示した功績が認められた。
 陸上自衛隊第302保安中隊隊長高橋太亮3陸佐、陸上自衛隊中央音楽隊隊長武田晃1陸佐に特別賞状および副賞を授与した安倍晋三首相は「絶対に失敗が許されない緊張感の下、諸君は我が国を代表する名誉と重責にしっかりと応えてくれた」「今回の特別賞状を機に、その自信と誇りを胸に更なる高みをめざして欲しい」などと訓示、特別儀じよう隊の功績を称えた。

「いずも」艦内でシンポジウム開催
海洋安全保障テーマに
 10月11日、防衛省は平成27年度自衛隊観艦式付帯広報行事として海自護衛艦「いずも」艦内で「海洋安全保障シンポジウム(共催・笹川平和財団海洋政策研究所)を開催した。
 同シンポジウムでは「海洋安全保障環境安定のための国際協力と協調〜戦後70年の歩みと将来への展望〜」をテーマに、吉田正紀・慶応義塾大学特別招聘教授(元佐世保地方総監)を司会者に、主に、南シナ海や東シナ海に進出する中国に今後どのように対応していくべきかについて出席パネリストが議論を展開した。
 中国に対処するフィリピンやベトナムといった南シナ海の国々へ日本からの装備や技術の移転、海自-各国海軍の共同演習や非伝統的分野での協力の更なる推進など能力構築支援の重要性が改めて確認(神保謙・慶応義塾大学総合政策学部准教授の発表による)されたほか、インド太平洋地域における日米の直接的な役割については特に時間を割き議論が深められた。
 基調講演を行ったデニス・ブレア笹川平和財団アメリカ会長(元米太平洋軍司令官)は、「日米は軍と自衛隊の近代化に引き続き投資し中国の軍事力に対抗する能力を保ち続けるべきだ」と主張。護衛艦隊司令官・山村浩海将と米海軍第7艦隊司令官・アーコイン海軍中将は日米の現役代表として日米の役割を述べる中で同盟の現状や将来を考察した。山村海将が日本の安全保障政策や戦後の海自の歩みなどを総括し列席者の理解を深める一助とした上で、両者は「日米同盟は米軍がインド太平洋地域への常続的関与を容易ならしめるための拠り処。海自はそのための『留め金』である」(山村海将)、「日米の海軍及び海自の協力はこれまでにないほど進んでいる。共通の目標(海洋の安定)のためしっかりとした枠組みを持ち(海自と米海軍の)協力、調整、友好を強化し海上の集団安全保障を強化したい」(アーコイン中将)等とそれぞれの見解を述べた。
 また、安保法制の成立やガイドライン改定も議題に上り、「日本の焦点は東シナ海、アメリカの焦点は南シナ海にある。東シナ海にアメリカを留め置く事が日本の防衛に繋がる。そのための安保法制でありガイドライン」(勝俣秀通・日本大学総合科学研究所教授)との分析があったほか、現場の声として、「新ガイドラインにより日本と緊密に協力できることが楽しみ」(アーコイン中将)との私見も述べられた。司会の吉田教授は深められた議論を踏まえ、「中国の民・軍の海洋での活動の活性化する中で、日米が"戦争と平和の間"で、どのように共通のゴールである『安定』をもたらすのか。現役の諸官が期待されている」と結論付けた。
 また、当日は引き続き、「海軍からの伝統の継承を考えるシンポジウム 海上自衛隊が受け継いだもの〜そのアイデンティティと価値観〜」が開催され、福本出・元海自幹部学校長を司会者に、海自第2術科学校長・下薗輝昭海将補や岡部文雄・元海上幕僚長等をパネリストに白熱した議論が行われた。2術校に旧海軍時代から伝わる資料等をもとに、終戦直後から主体的に海軍の伝統を継承しようとした人々がいた歴史を下薗海将補が解説。防大2期生である岡部元海幕長は当時の実感として、「旧海軍の改めるべきところは改めようと思った。悪しき伝統の撤廃を目指していた」と証言。海自研究者であるパタラーノ・ロンドン大学講師は「旧海軍の遺産である外交精神、国際性を維持することが必要」と提言した。シンポジウム冒頭では旧海軍の特攻隊員であった千玄室・裏千家大宗匠が基調講演を行い、92歳の現在も健康でいられる理由として喫茶の習慣とともに、海軍で心身を鍛えられた事を挙げ、一般公募20名を含む満場の聴衆を感嘆させていた。

第19回全自衛隊陸上競技会
若い力が台頭、塩谷1陸士が円谷賞
 年に一度、全国部隊・機関所属のアスリートたちが集う第19回全自衛隊陸上競技大会(主催・防衛省、共催・埼玉陸上競技会)が10月7日、自衛隊体育学校(朝霞、山中洋二学校長=大会実行委員長)陸上競技場で開催された。
 台風などの影響を受け「3年に2年は悪天候」と言われるほど雨風の印象も強い全自陸上。今年は例年になく綺麗な青空に終始し気温20℃湿度30%と過ごしやすかったが、午前午後ともに強い北風が吹き競技に影響を及ぼした。短距離走や走り幅跳び、ソフトボール投げ等は追い風により自己ベスト等を更新しながらも公認なしや参考記録に止まる種目も目に付いた。他方、長距離ではバックストレートの強い向かい風に参加者たちは大いに苦しまされた。トラックの周囲には競技前後の大会出場選手や部隊の同僚などが声援を送り苦戦する選手を大声で励ます。森山尚直東部方面総監ら来賓多数も目を細め熱気溢れる大会を見守っていた。
 注目を集めたのは、長距離種目で共に6連覇がかかっていた男子5000mと男子10000m。5000mは大島禎央2陸曹が前人未踏の快挙を達成したが、10000mでは今年も大本命だった山下伸一2陸曹が敗れる波乱。初参加の新鋭・塩谷潤一1陸士が見事、男子10000m優勝者に贈られる栄光の円谷賞を獲得した。「レース中はずっと苦しかったが他のランナーは気にせず自分の走りを心がけた」(塩谷1陸士)と振り返ったように、スタート直後から先頭に立ち、途中表情をゆがめながらも自らのペースで力走を続け、やがて独走状態でゴールした。
 他の競技でも河崎梓穂璃2陸士が女子100mと女子走幅跳で2冠を獲得しMVPに輝いたほか、個人・団体で短距離2冠を獲得した防衛医大の鈴木謙太学生、向井頌之学生ら若い選手のフレッシュな活躍が強く印象に残る大会だった。
 各種目の優勝者は次のとおり。()内数字は優勝者の記録。◎男子▽10000m・塩谷潤一1陸士(30分51秒47=普教連)▽5000m・大島禎央2陸曹(14分59秒04=2普連)▽3000m・高柴玲央陸士長(8分50秒47=32普連▽1500m・須貝理志3陸曹(4分01秒05=2普連)▽800m・橋本裕太3陸曹(1分56秒58=41普連)▽400m・高良大輝学生(51秒45=防大▽200m・向井頌之学生(22秒07=風:+2・6"=防医大)▽100m・鈴木謙太学生(11秒00=風+1・9"=防医大)▽5000m40歳以上・松葉広司陸曹長(15分55秒49=35普連)▽3000m40歳以上=桜井史陸曹長(9分19秒72=部隊訓練評価隊)▽1500m40歳以上=青木文伸1海曹(4分29秒60=4整備補給隊)▽走幅跳・佐藤崇3陸曹(公認6m79cm(+1・6)6m95cm(+5・9)=71戦車連)▽ソフトボール投げ・森田健介陸士長(97m20cm=8師団司令部付隊)▽4×400mリレー・防医大(3分27秒95)▽4×100mリレー=防大(43秒79)◎女子▽3000m・中軽米愛美陸士長(10分14秒84=5普連)▽100m・河崎梓穂璃2陸士(風:+2・6"=12秒88=10通信大隊)▽走幅跳=河崎梓穂璃2陸士(5m53cm(+3・4)=公認なし=10通信大隊)▽ソフトボール投げ・菅野汐里1陸士(57m10cm=7施大隊)

アサマシジミを守れ!
遠軽町と協定締結
〈遠軽駐屯地〉
 遠軽駐屯地(司令・山本公威1陸佐)と遠軽町は10月8日、遠軽演習場で生息が確認されている絶滅危惧種の蝶「アサマシジミ(北海道亜種)」の生息環境保全に関する協定を結んだ。遠軽町は町のシンボルとしてアサマシジミの保全活動を展開している。
 アサマシジミは、羽を広げると約3cmの小型の蝶。環境省のレッドリストに登録されていて、近い将来に野生で絶滅する可能性の高い「絶滅危惧IB類」に区別されている。道東と本州中部の一部で確認され、草原や高地に生息する。遠軽演習場に生息するアサマシジミは、適切に草地管理が行われていたことなどから長年にわたり守られている。今後町は、固体数調査も検討中である。
 調印式で佐々木修一遠軽町長は「町内にアサマシジミが生息していることをPRしていきたい。駐屯地には日頃からお世話になっているが、さらに地域と結びつき遠軽町の魅力としてしっかり取り組んでいきたい」とし、山本司令は「地域と連携して守って行きたい」と話した。保全活動には丸瀬布昆虫生態館や丸瀬布昆虫同好会、遠軽町観光協会もバックアップ。幼虫の餌となるナンテンハギを町民に育ててもらい、太陽の丘えんがる公園の一角に移植する計画をしている。

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