防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   912号 (2015年8月1日発行)
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全国で活躍する海上自衛隊

「いずも」でヘリ6機運用
〈第21航空隊〉
 就役して2ヵ月が経過した6月、護衛艦「いずも」に第21航空隊(隊長・國見泰寛1海佐=館山)のSH—60J1機及び60K1機が初搭載された。
 これと同時に、第51航空隊のSH—60Jと60K各1機及び第111航空隊のMCH—101 2機も各種運用試験のため積載され、合計6機のヘリが「いずも」に搭載及び積載されることとなった。
 これにより、本格的ではないものの、合わせて6機の艦上運用が早くも実現した。また、これらを運航、整備する搭乗員、整備員が異なる航空隊等から合わせて約70名が乗艦することとなり、第211、第212及び第111飛行隊長の3名が同艦に会するなど、多機種多数機運用の艦内は活気ある雰囲気となった。
 3月に就役したばかりの「いずも」であったが、今回、速やかに多機種多数機を搭載、積載できたことは、艦側のきめ細かな受け入れ態勢の早期確立及び航空隊、整備隊等の戦力化への強い意欲の表れにほかならない。
 現下、海上自衛隊ひいては日本全体が国防の変革期を迎えているなか、隊員及び国民にとって護衛艦「いずも」は大きな存在であり、今後の活躍が注目される。その期待を背負う隊員一人一人は一隅を照らす如く「いずも」戦力化に向かって今日もまい進している。

輸送艇1号特別・一般公開
加治木港で
 梅雨前線の影響で時折スコールのような雨が降る悪天候の中、6月12日朝、輸送艇1号(艇長・津代和宏1海尉)は地元自衛隊父兄会等の熱烈な歓迎を受け鹿児島県姶良市の加治木港へ入港した。今回の入港の目的は一般公開と高在生等に対する特別公開であり、母港佐世保から約200マイル、排水量500トンに満たない船体を荒れた海に弄ばれつつ、濃い雨雲の影響で視界はおろか一時的にレーダーやGPSすら不能となりながらも乗員が一丸となって波濤を乗り越え、無事予定時刻にもやいを取ることができた。
 入港後も一丸となり翌日からの広報の準備を整えた後、鹿児島地方協力本部のマイクロバスの輸送支援を受けて鹿屋資料館を見学した。史料館ではガイドの丁重な説明と貴重な資料を通じ、先人の高い使命感に熱い感銘を受ける有意義な研修となった。
 広報1日目、13日の一般公開では途中から大雨に見舞われたが、天候を予察して早朝から乗員総出で車両甲板に天幕を展張して対応するとともに、乗員一人一人の創意工夫により楽しんでもらう広報に努めた結果、小さな船に330人もの見学者が訪れ、退艇時には笑顔が見られる実りのある広報となった。また、NHKの取材を受け、鹿児島ローカルながらも夕方と翌朝のニュースで紹介されるなど、自衛隊のPRの一役を担うことができた。
 2日目の特別公開は、自衛隊への入隊を視野に入れた興味を持つ高在生等に対し、乗員それぞれの職域を活かして手旗や結索等の教室を行う職業体験+海軍カレーの体験喫食を実施した。3時間におよぶ長い特別公開であったが、若者たちの強い関心と乗員の熱心な指導により時間はあっという間に過ぎ、最後は親近感も沸いてお互いがいい笑顔で帽振れをすることができた。
 特別公開終了後、輸送艇1号は多くの地元住民等に見送られながら次の目的地に向け、雨の加治木港を別れの汽笛とともに出港した。

下関市・蓋井島災害派遣訓練
〈下関基地隊〉
 下関基地隊(司令・中尾典正1海佐)は、6月13日、下関市の蓋井島で災害派遣訓練を実施した。訓練の目的は、災害発生時に円滑な救助活動を実施するため、救助能力向上を目的としたものである。
 訓練は、当日午前6時に大地震が発生し山口県知事から災害派遣要請を受けたとの想定で始まり、掃海艇「とよしま」が蓋井島沖に進出、隊員がゴムボートに移乗し救助に向かった。
 主な訓練内容は、掃海艇による救援物資の輸送、自治体による津波避難訓練、隊員による車両や倒壊家屋からの負傷者救助訓練、隊員と消防団との合同放水訓練を実施した。
 特に車両や家屋倒壊により閉じ込められた住民を下関基地隊の救助隊が各種器材を使用し救助する姿は島民からの高い信頼を得ることができた。
 今回の訓練では島民約50名が参加しており、下関基地隊では、今後も基地外での定期的な災害派遣訓練を計画する。

トルコ海軍艦が下関に入港
〈下関基地隊〉
 下関基地隊は5月30〜31日、下関港あるかぽーと岸壁に寄港したトルコ海軍「ゲディス」(艦長ユスフ・コジャマン中佐)の出入港及び一般公開を支援した。
 トルコ海軍「ゲディス」は6月3日に和歌山県で行われる「エルトゥールル号」の追悼式典に参加の途次に寄港したもので、下関市とトルコ・イスタンブール市が姉妹都市ということもあって実現した。
 先導する護衛艦「たかなみ」とともに並んだ雄姿は見学者の「格好いい」「日本の艦とは違うね」という驚きの声が多く聞かれ、下関基地隊の隊員も誇らしい気持ちで支援した。あいにくの天候ではあったが各艦艇に2500人を超える見学者が訪れ、多くの来場者が初の入港となるトルコ海軍を歓迎した。

軍艦「足柄」戦没者追悼式
あしがら
 護衛艦「あしがら」(艦長・川久保正彦1海佐)は6月8日、佐世保市東山海軍墓地で執り行われた軍艦足柄戦没者追悼式に艦長他、代表者10名が参列した。式に先立ち6月4日、「あしがら」乗組員総員で東山海軍墓地を清掃、特に軍艦足柄戦没者鎮魂之碑周辺は念入りに実施した。
 追悼式において当時の軍艦足柄乗組員で熊本県天草市在住の鶴田氏の他、御遺族の方々と共に戦没者に手を合わせた。そして、当時19歳だった鶴田氏から、潜水艦からの魚雷攻撃を受け、艦と共に海に沈んでいった同僚の話や、沈没後の生々しい話も聞かせていただくことができた。「あしがら」乗員は軍艦足柄戦没者鎮魂之碑前で哀悼の意を表しつつ献花、黙祷を捧げた。
 70年の時が過ぎ、現在ある護衛艦「あしがら」乗組員は、艦の行動の都合がつく限り軍艦足柄の追悼式に参列し続けなければならないと感じた。

岩国厚生隊事務所移転
 5月22日、海自岩国航空基地隊(司令・上野眞一郎1海佐)の厚生隊(厚生・共済班)は、基地内の西地区から東地区の厚生センター2階に事務所を移転した。岩国基地は、滑走路を挟んで東西に自衛隊施設が分散しており、隊員の約80%は東地区で勤務していることから、隊員の福利厚生サービス向上を図るため、厚生隊の機能集約化を図ったものである。移転を記念し、第31航空群司令・大瀬戸功海将補により、真新しい看板が掲げられ、新事務所での業務が開始された。今後、共済組合と売店等の連携も緊密になり、更なるサービスの向上が期待される。

海軍機関学校同窓会慰霊祭
〈第4術科学校〉

 5月20日、海自第4術科学校庁舎前グラウンドで平成27年海軍機関学校同窓会慰霊祭が実施された。この慰霊祭は海軍機関学校同窓会が主催したもので、機関学校47期から58期までの卒業生と遺族等59名が全国から集まり、海上自衛隊からは舞鶴地方総監をはじめ約40名が参列した。
 卒業生等は午前9時過ぎに舞鶴地方総監部にバス等で到着、慰霊祭までの間、海軍記念館(機関学校当時の大講堂)を見学した。この海軍記念館では、平素から展示している機関学校に関する史料に加え、今回の慰霊祭の実施にあわせ、同総監部内の歴史資料室に収められている卒業アルバム等を記念館に特別に展示した。卒業生等はこれらの史料を手に取り、当時の訓練・生活に思いを馳せ、昔話に花を咲かせていた。
 午前10時からの慰霊祭では舞鶴音楽隊の伴奏による国歌斉唱、黙祷、同窓会代表・舞鶴地方総監による献辞のほか、舞鶴警備隊による弔銃発射が実施された。慰霊祭終了後、卒業生等は第4術科学校(機関学校当時の生徒館)を見学、最後に海軍記念館前で記念写真を撮り、同総監部を後にした。


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