防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   912号 (2015年8月1日発行)
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創立60周年記念行事
倶知安駐屯地
 倶知安駐屯地(司令・前田貴大2陸佐)は6月21日、駐屯地内で「創立60周年記念行事」を挙行した。
 倶知安駐屯地創立記念行事は、地域参加型の記念行事として近年大変な好評を得ている。当日は、雲一つ無い日本晴れで、駐屯地の象徴である羊蹄山も映え、創立記念行事には最も適した気候となり、朝9時の駐屯地開放と同時に多くの来場者が訪れた。
 記念式典は、衆議院議員中村裕之氏、道議会議員村田憲俊氏、倶知安町長西江栄二氏、歴代駐屯地司令藤縄祐爾氏、倶知安駐屯地設立時に土地を開墾したOB自衛官で編成された「モッコの会」、他各協力関係諸団体等より多数の出席があり盛大に実施された。
 前田司令は式辞において、創立記念行事挙行に当たっての感謝の気持ちを述べ、また、隊員に対しては「"地域と共に融和団結"を合言葉に、任務に即応し、完遂できる部隊を育成する」決意を述べた。
 本年度は昨年に引き続き、「子供パレード」「音楽演奏会」が実施され、倶知安駐屯地創立60周年記念である「人文字撮影」も実施された。「子供パレード」では地元小学校のスクールバンド部の演奏が式典に華を添え、「太鼓演奏」では、『くっちゃん羊蹄太鼓保存会・鼓流』のメンバーがトレーラー上で、迫力ある太鼓演奏で観客を魅了した。
 また、「人文字撮影」では、羊蹄山を背景に、「60」の数字を隊員が整列して作成し、その正面と両脇には来賓と来場者を配置する、参加型の記念撮影となった。会場内には装備品展示や売店、子供広場等が揃い、地元の警察・消防・後志総合振興局の協力による展示・体験コーナー、戦車・装甲車等体験試乗、大人気の乗馬コーナー、エアバルーン迷路等、常に来場者が絶えることなく賑わいをみせていた。観閲台前では地元の小中高生による太鼓演奏、ブラスバンド演奏等も行われ、沢山の観客が演奏会場に訪れ、その音色に耳を傾けた。
 一方、駐屯地内では倶知安町主催の毎年の恒例行事となった「全道サマークロスカントリースキー IN 倶知安大会」が同時開催され、幼児から成人までの77名の選手が、冬から貯蔵した大型ダンプトラック約158台分の雪を使用して作られた約500mの特設コースを駆け抜けた。
 各会場内は駐屯地開放終了時刻の15時まで多くの来場者で賑わい、来場者数約2300人を数え、今年度の創立記念行事も大盛況のまま幕を閉じた。

創隊61周年行事
〈第4陸曹教育隊〉
 6月20日、第4陸曹教育隊(隊長・中山順一1陸佐=大津)は、創隊61周年記念行事を琵琶湖汽船ビアンカで行った。
 当日は晴天とまではいかずあいにくの曇り空であったが、隊員・家族・友の会合わせて総勢174名が参加した。
 ビアンカで琵琶湖を2時間半のクルーズ及び食べ放題・飲み放題の懇親会、そしてビンゴ大会等盛大・盛況の内に終了した。
 初参加者からは、「来年もぜひ参加したい」等嬉しい言葉があった。

新庁舎に移転
木更津駐屯地
2mの津波に対応
 7月13日、陸上自衛隊木更津駐屯地(司令・田尻祐介陸将補)で庁舎移転セレモニーが開催された。当日は真夏日に迫る暑さの中、近隣の自衛隊協力会や協力団体の顧問や各会長等多数の来賓を迎えて、新庁舎玄関前で盛大に執り行われた。式典で田尻駐屯地司令は「旧庁舎で諸先輩が築かれた功績と伝統を継承しつつ、新庁舎で新たな1ページを綴っていけるよう一層、任務・訓練に精進する所存です」と今後の抱負を述べた。
 新庁舎は、旧海軍時代の昭和14年から使用した旧庁舎の老朽化に伴い建設された。鉄筋コンクリート8階建てで、第1ヘリコプター団本部等隊員約300名が勤務する。東日本大震災の教訓を基に津波対策を行っているのが特徴だ。基礎部分を旧庁舎より約1mかさ上げし、作戦室や通信、配電施設などの重要なセクションを高所化した。更に1階ロビーには高さ約1mの防潮板を設置し浸水を防ぐ。かさ上げと防潮板のセットで津波対策を施しているのは、陸自では木更津駐屯地のみで、他では海自徳島基地、空自松島基地しかない。入口前の階段と防潮壁により想定2mもの津波に対応する電源室も報道陣に公開された。このような対策強化が、陸自最大の空中機動部隊が所在する第1ヘリコプター団を中心とした各部隊を更に即応・機動的に活動させ、国内外の平和と安全に寄与する事となる。なお、緊急用に司令室へ繋がる地下通路や米軍駐在時にあったバーの名残等がある旧庁舎は歴史的趣を感じる建物だが、残念ながら今年中に解体され跡地には資料館が建設される予定だ。

英語弁論大会
〈第3陸曹教育隊〉
 第3陸曹教育隊(隊長・藤井博樹1陸佐=板妻)共通教育中隊英語区隊は6月10日、板妻駐屯地で英語弁論大会を実施した。同大会は、英語による原稿の作成及び発表を通じて総合的な英語力、意思伝達能力の向上を図るとともに陸曹としての資質の向上を目的とし、米軍キャンプ富士からコーレイ・デューウィッツ2等軍曹、アンドリュー・ジョンソン3等軍曹、リトルスターイングリッシュスクールからグッドフェラー・アダム氏を来賓兼ねて審査員として迎えた。学生達は自己の信念、体験等を限られた時間の中で熱く語り、特に富士教導団本部付隊・八木浩3陸曹が弁論した「目標を持つ事の重要性」が多くの人に共感され優勝した。八木3陸曹は弁論の中で「目標は持つだけでは不十分で、具体的にしてこそはじめて意味を成すと思います」と英語で熱弁をふるった。また、「大会を通し私の英語力、特に話すという能力が非常に向上したと思います。原稿を何度も読み込んだお陰で抑揚の付け方等、多くの事を学ぶ事が出来ました。この経験を糧に今後も英語に真摯に向き合っていきたいです」と感想を述べ、英語弁論大会は終了した。

師団陸士銃剣道競技会
〈第1師団〉
 第1師団(師団長・永井昌弘陸将=練馬)は6月10、11日、練馬駐屯地及び大宮駐屯地で平成27年度師団陸士銃剣道競技会を実施した。体力・気力・闘争心の涵養、隊員の士気の高揚及び団結の強化を図ることを目的に総勢639人が競った。師団3年振りの銃剣道競技会で陸士に限定した競技会は初の試み。最大の特徴として師団最先任上級曹長を統裁官に陸曹が主体となり企画・運営に携わった。開会式で統裁官は、競技に当たり「勝利への執念」「礼節を守れ」の2点を要望した。
 競技は個人戦と団体戦で行われ、個人戦はAグループ(普通科連隊)、Bグループ(その他)に区分した男性自衛官の部と、女性自衛官の部で行われた。団体戦は、Aグループ(連隊・特科隊)、Bグループ(大隊・偵察隊)に区分し行われた。選手は旺盛な闘争心を持って勇猛果敢に試合に挑み熱戦が繰り広げられる中、最大の盛り上がりを見せたのは団体戦。各部隊の大応援団が熱い声援を送る中、選手は部隊の名誉を懸け決して諦めることなく勝利を追及した。男性の部で優勝した福田士長は「自分一人の力では決して優勝できなかった。忙しい隊務の中、練習時間を頂いた中隊や一緒に練習した仲間の応援等々、全てが重なり結果を残せた。お世話になった方々へ恩返しができ良かった」、師団初の女性の部で優勝した大島士長は「部隊の方々の指導と応援のお陰で優勝することができ嬉しい。今後も日々の練成を怠らず頑張っていく」とそれぞれ競技の感想を話した。
▽各部門優勝○団体戦・Aグループ=第1普通科連隊、Bグループ=第1施設大隊○個人戦・男性自衛官の部=第1普通科連隊第2中隊・福田賢二陸士長、女性自衛官の部=第1通信大隊第1中隊・大島美穂陸士長

全自バレーボール優勝
〈目達原駐屯地〉
 6月14日、朝霞駐屯地体育学校で第42回全国自衛隊バレーボール大会が行われ、目達原駐屯地バレーボール部が2連覇を達成した。
 5月3日に行われた全九州自衛隊大会優勝で弾みをつけ臨んだ今大会。各方面を勝ち抜いてきた22チームが熱戦を繰り広げ、会場は数々の好プレーに手に汗を握り応援にも力が入る中、目達原駐屯地バレーボール部は決勝戦で西部方面通信群をセット数2—0で下し、見事優勝した。駐屯地バレーボール部は9人制バレー部としてメンバー10名と少数ながらも、創部以来7回目の優勝を手にした。

雪月花

 雨の日が好きだと言う人は結構多い。水害に遭われた方がいたら申し訳ないが筆者もその組だ。特に夏場は天然のクーラーになるので老骨にはありがたい、夜もなんとなく落ち着いて寝られる。子どもの頃に買ってもらったばかりの蛇の目傘でチャンバラをして破ってしまい親に叱られたことも懐かしい。今のようにビニ傘の溢れ返っている時代とは違い蛇の目傘は貴重品だった。祖父も長持ちするようにと渋柿から作ったシブを塗ってくれた。母親は傘の開き方やたたみ方まで教えてくれた、そばに人のいる時、すれ違う時には特に気を付けるように言われた。今になって気が付いたが母親が言いたかったのは「傘かしげ」かもしれない。狭い道で行き交うときには相手に滴が掛からないように自分の方に傾ける。古くからの日本人のたしなみだったようだ。越川禮子さんのエッセー集「江戸しぐさ」にも「肩引き」(人混みや狭い道で人とすれ違う時にお互いに肩を後ろへ引きぶつからないようにする)などと共に紹介されている。現代の「傘かしげ」はまったく反対、自分に滴が掛からないように相手の方に傾ける、向けられるこちらには滝のように流れてくる。若いきれいな女性に平気でやられるので悲しくなる。肩引きもしなくなったらから怖いお兄さんのけんかのようにもなる。昔からのしぐさはいつまでも残しておきたい。(所谷)


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