防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   911号 (2015年7月15日発行)
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寄せ書き
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臥薪嘗胆を誓って
第46普通科連隊(海田市)3陸曹 藍川 和紀
 私は今年で28歳になります。幼少期に遊びで「死んだふり」はした事はありましたが、今回富士訓練センター訓練に参加し「死亡」になりました。
 今回は01式軽対戦車誘導弾射手として主に敵機甲戦闘力の無力化が任務でしたが、達成する事なく戦車の連装銃により重傷を負い、第一線救護がなく時間が経過し「死亡」することとなりました。私が重傷になった位置から、10mの範囲で8名が同連装銃によって即死し、生き残ったのは、陸士長1名という惨事となりました。小隊で、対機甲戦闘力を有する人員は限られており、その貴重な1名であった私は悔んでも悔みきれません。この時、生き残った陸士長が、一人黙々と装備の換装をしている姿を見て、私は心の中で「本当にすまない」と思う事しかできず、生まれて初めて与えられた「死」を十分に噛み締めました。
 FTC訓練は初参加でしたが、この貴重な体験を陸曹になってからできた事は、意味が大きいと思います。今まで頭で分かっていながら疎かにしていた基礎基本の重要性や、それだけではカバーしきれない事など初級陸曹として、学ぶ事は非常に多かったです。初のFTC訓練は終わりましたが、自衛隊人生、残り25年余り、いずれ訪れるだろう次の機会に敵の撃破を誓い、臥薪嘗胆と銘を打ちこの文を終わります。
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南スーダンPKOに参加して
東北方面後方支援隊(福島)3陸曹 柴 優一朗
 ずっと憧れだった海外派遣に参加する事ができ本当に嬉しいです。自衛官になったのも施設科隊員になったのもPKO活動に参加する機会が比較的多いと聞いていたからです。
 今回私は本部付隊整備班施設機械整備陸曹として派遣されました。南スーダンはとても暑く雨季は短時間で滝のような大雨が降ります。日本ではありえないような故障整備が沢山来ると思いましたが施設小隊の方の使用状況がとても良く、器材を優しく扱って頂いたのであまり頭を悩ます故障整備はありませんでした。
 私は現場で消耗品係もやらせて頂き、市場や工具屋などで市場調査などもしました。日本では当たり前にある物がなかったり安く買える物が物凄く高額だったり質が良くなかったり、こういった面からもやはり日本は素晴しい国だと改めて感じました。物が無いなりに色々考え整備をやっていく難しさ、どうしたら環境のよくない場所で整備が楽になるかを考えるのはとても勉強になりました。
 南スーダンでの経験を今後に活かして、これから頑張っていきたいと思います。
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武人の誇りを胸に
第364会計隊(国分)陸士長 都留 一輝
 射撃競技会では緊張した状態で選手宣誓をしましたが、緊張とともに自分を奮い立たせることができ個人の部1位を獲得しました。5月11日から競技会まで射撃練成を行い、見出し等の基礎的な練成は元より、競技会の特性である各種姿勢、銃口管理に対する減点等の教育を十分に受け自信をつけ挑みました。普段、伏射ちは20点程度のところ競技会では23点。「これは自己ベストを狙えるか?」と思い膝射ちに臨みました。いつも以上に集中して射て23点を取り合計46点を出せました。このような点数を取れたのは宣誓で誓った「武人の誇りを胸に一発一発魂を込め射つ」を実行できたからだと思います。今後も慢心する事無く射撃予習を実施する際は基本を忘れず更なる高得点を目指したいと思います。
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部外コンクールで奨励賞
東北方面音楽隊(仙台)3陸曹 尾形はるか
 Kサクソフォーンコンクール2015一般の部で奨励賞(第4位)を受賞しました。このコンクールに参加しようと考えた理由は2つあります。今の自分の実力は部外のプロフェッショナルな演奏者と比べてどの程度なのか知りたいということ。そしてもう1つは演奏終了後に審査員の先生方から直接口頭で講評を頂き、今後の演奏の糧にできる独自のシステムに興味があったからです。
 セミファイナル(2次予選)までは中央音楽隊初級陸曹特技課程入校中で、教官をはじめ同期の応援を受けファイナル(本選)まで進出することができました。本番当日、周りの参加者は国内外で活躍されているサックス奏者であることに圧倒されつつ、私らしさを貫いて最後まで演奏することができました。
 4年前の5月、宮城県名取市で災害派遣演奏に参加した時のことです。ソリストとして演奏した曲を聴いていた被災者の方から演奏終了後に声をかけられました。「この子が大きくなったら、あなたと同じサックスを演奏してもらいたいと思いました。元気が出ました、ありがとう」。その方の背中には、5か月のお子さんが寝ていました。私らしさは、音楽に親しみを持ってもらい、前向きな気持ちになるきっかけになれる演奏だと今でも思っています。
 憧れだった自衛隊音楽隊員となって6年。3陸曹として迎えた新しい年度に明るい話題を届けることができました。これまで陸上自衛官として育てて下さった方々に感謝し、自分に厳しく日々精進してまいります。
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体験搭乗の感想文
体験搭乗者 榎本 駿斗(東京地方協力本部投稿)
 今回私は、広報官の方の案内から体験搭乗に応募しました。自衛隊の施設に入ったり、隊員の方々とお話しする経験が今まであまり無かったので大変緊張しましたが、とても新鮮で刺激を受ける事が多かったです。パイロットはユーモアのある方で、事前の機体や安全に関する説明もわかりやすく、とても優しそうな方でしたが、左胸につけた航空徽章と時折見せる精悍な顔からは、日々の厳しい訓練に裏付けられた自信や自衛隊員としての誇りのようなものを感じました。
 搭乗は、ヘリコプターが初めての私にとっては衝撃的で、とても楽しいものでもありました。今回の体験搭乗は、将来陸上自衛隊を志す私にとって大変貴重で有意義な体験になりました。自衛隊のイベントでこのような経験ができる事は私達からしたらとても有難い事ですし、広報という点で考えても効果的なものだと感じました。
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8師団記念行事における予備自訓練
予備自衛官3陸佐 平賀 卓二(宮崎地方協力本部投稿)
 私は4月23〜27日の間、第8師団創立記念行事における予備自衛官招集訓練に参加しました。本訓練は5日間連続の訓練で南九州3県から27名が参加し、宮崎からは私を含め4名が参加しました。課目は式典訓練、射撃訓練、体力検定、職種訓練、武器訓練で、充実した5日間の訓練を受けるとともに大きな成果を得ることが出来ました。慌しい中担任して頂いた42普連1中隊による綿密な訓練計画に基づく訓練や状況の変化に対する適時適切な処置等により得ることが出来たもので、予定通りの訓練ができたことに感謝しています。
 特に式典訓練では中隊長職をさせて頂き、連続3日間の式典予行及び本番の記念行事によって、年齢的に体力の衰え及び晴天・高温続きにより、予行・本番中に自身や予備自部隊の皆が倒れないかなど不安も有りましたが自身を含め誰一人倒れることなく、予備自の部隊威容を評価して頂き有り難い気持ちになりました。現役時代に培った精神力と使命感で職務を果たすとともに全員が訓練の目的等を理解し、かつ式典に対する心構え及び8師団を代表する予備自だという気持ちがあったからだと思います。
 また、訓練を通じ各予備自との意思の疎通、団結、信頼が生まれたのではないかと思います。本当に出会えて良かった、一緒に訓練をして良かった、親睦を深めることができ良かったなど感謝の気持ちで一杯であるとともに式典が無事終わったことを嬉しく思います。体力検定では甲斐士長が若さを発揮し1位の成績で体力賞を受賞。甲斐士長は射撃検定でも最高得点でしたが同点者が出たため年齢条件で2位に。訓練に対する心構え・前向きな姿勢は他の予備自に影響を与えるとともに宮崎県の予備自が頑張ったのは大変嬉しかったです。
 最後に、今回の予備自衛官招集訓練を通じて感じた事は、予備自衛官は自衛隊を愛している、自衛隊に貢献したいというと思う気持ちが伝わりましたので、私も生涯自衛官の気持ちを忘れることなく持ち続けるとともに、何かあれば直ぐに任務遂行ができる態勢を保持しながら、これからも第二の人生を一歩一歩歩んで行きたいと思います。
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入隊して約1ケ月
普通科教導連隊(滝ヶ原)自衛官候補生 高久 貴智 自衛官候補生 室伏 卓
 自分は中学、高校と陸上部に入部し長距離で体を鍛え、体力だけは自信があったので、その鍛えた力を自衛隊という厳しい環境でさらに高めたいと思い入隊しました。
 入隊前は、初日から筋トレやランニングなどがあると思っていましたが、実際入隊してみると、初日は自分が使用する被服、訓練に使用する物品等の官品の受け取り、その後は、ただひたすら縫い物をする日々で、体を動かすことが少なく、正直楽に感じていました。しかし、次第に規則正しい生活の中で縫い物の数が増えると稼業時間内では終わらない程になり、食事等も時間が決められているので一気に自分の時間が取れなくなりました。しかし、それと同時にその規則正しい生活に、仕事をしているという実感が沸きやりがいも感じてきました。
 入隊して約一ヶ月経ち、まだまだ自衛隊のことを理解出来ていませんが、残りの自衛官候補生課程を通じて、しっかりと学んでいきたいと思います。
 高校時代に集団生活を行う上で、必ず「協力」が必要だということを学びました。その経験を活かして、自衛隊においても区隊や班の同期とお互い協力し、助け合える環境や良い人間関係をもって、将来、自分の個性を活かした立派な自衛官となれるように頑張っていきたいと思います。(高久自候生)
 滝ケ原駐屯地に着隊してあっという間に約1ヵ月が経ちました。「自衛官は時間で行動する」と聞いていたので、実際にそれを経験し、大変驚きました。今までとは全く違う生活リズムの中で健康状態等個人で管理する等、訓練だけでなく生活面においてもしっかり成長しなければと思いました。
 自分は遅れての着隊だったので、すでに他の同期が集団で行動出来ているのを見て、当初は差が出来てしまったと不安を感じました。
 しかし、区隊や班の同期、班長や班付等の基幹要員の方々が優しく接してくれたお陰で、すぐに追い付くことが出来て入隊式は安心して臨むことが出来ました。
 今の自分には、体力的にも精神的にも足りない部分が沢山あり、このままでは区隊や班の足を引っ張ってしまうと思っています。今後の自衛官候補生課程教育の中でしっかりと成長して、どんな苦しいことでもバディや区隊の同期とともに協力しながら乗り越えていきたいと思います。
 教育終了後、自分の希望する職種に進めるよう精一杯がんばっていきたいと思います。(室伏自候生)

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