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自衛隊ニュース   909号 (2015年6月15日発行)
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日豪防衛相会談
〈中谷防衛大臣〉
 6月3日、防衛省において中谷元防衛大臣とケビン・アンドリューズ豪州国防大臣は日豪防衛相会談を行った。両大臣は5月30日にシンガポールで開催されたシャングリラ会合で初めて会談を行ったばかりで、その際は、カーター米国国防大臣と日米豪3カ国で共同声明を出している。
 会談冒頭で中谷大臣は「日豪間の防衛交流・人材交流が非常に活発に行われている」と歓迎の意を表した。アンドリューズ大臣も「今後は特に防衛分野に関して両国の関係を更に深めたい」と防衛協力の発展を要望した。
 会談では日米防衛協力のための指針(ガイドライン)及び平和安全法制について中谷大臣から説明があり、アンドリューズ国防大臣は支持を表明した。また、豪州が進めている将来潜水艦の選定において中谷大臣は「日本としていかなる協力が可能か詳細に検討する事で政府は一致している」と豪州側との協議推進の意思を伝えると、アンドリューズ大臣も「独や仏も含めた公正な選定のために、引続き情報提供をお願いしたい」と要望した。また、南シナ海における一方的な現状変更に対しては強く反発し、中国に対する深刻な懸念を共有し、国際法に従った解決を求めていくことで両大臣は一致した。

比陸軍司令官と会談
〈岩田陸幕長〉
 岩田清文陸上幕僚長は6月8日、幕僚長室でヘルナンド・イリベリ フィリピン陸軍司令官と会談を行った。岩田陸幕長は昨年の9月、歴代陸幕長として初めての訪比時(陸自がオブザーバー参加した米比海兵隊の共同訓練「フィブレックス15」を研修)にイリベリ司令官と会談しているが、今回はその答礼として岩田陸幕長が招待したもの。
 昨秋の会談で両者は、これまで十分でなかった陸軍種間の日比防衛協力・交流の開始で意見の一致をみたが、今回の会談でも協力・交流の拡大・継続を確認した。今後は、日比担当者レベルで具体的な協力・交流分野について調整を進めていくことになるが、ハイレベル交流も機会をみて実施し更に信頼感を醸成していく。イリベリ司令官は当日夜の陸幕長との夕食会や陸自部隊研修等のスケジュールを消化し、11日に帰国した。

〜中央即応集団〜
魁の風

Central Readiness Force
国連メダル授与式 南スーダン
 南スーダン派遣施設隊第7次要員(隊長・西村修1陸佐)は5月15日に国連メダル授与式を日本隊宿営地において挙行した。
 授与式には、FC(軍事部門司令官)ヨハネス・テスファマリアム中将ほか、UNMISS関係者、各国の指揮官及び日本大使館からの来賓をはじめ、100名以上が参加し、FCへの儀じよう後、国連メダルの授与式が開始された。
 授与式で西村隊長は「本日、この日を無事に迎えられたことを、心から嬉しく思います。これからも日本隊の技術力を最大限発揮して、UNMISSの任務達成のために施設活動を中心とした活動を継続してまいります」と英語で式辞を述べた。FCは「日本隊は国連の一員として、西村隊長の統率方針"団結"の下に日本の代表として、国連の期待と要求に応え任務を見事に完遂した。日本隊の実施した施設、給水、医療支援その他の素晴らしい活動は、UNMISSのマンデート達成の核心と言える。日本隊が果たした役割と成果は、国連メダルに値する。私はFCとして日本隊に感謝するとともに、引き続き質の高い日本らしい仕事を続けて頂きたい」と訓示した。その後FCから西村隊長、隊本部幕僚に対し国連メダルが授与され、参列した隊員へは、各国の指揮官から授与された。授与式後、日本文化紹介として空手、柔道、銃剣道等の武道及び山形県の伝統踊りである花笠踊りを披露し、国連メダル授与への謝意を表し、日本に対する信頼及び理解を深めた。
 記念撮影後は食堂に移動し会食、茶道の実演を実施し、各国来賓をもてなした。

各地で安全講話
〈空自・航空安全管理隊〉
 航空安全管理隊(司令・橋本進空将補=立川 以下航安隊)は他部隊等での安全講話の実施にも力を入れている。
 6月3日、府中基地に所在する航空保安管制群が実施した安全推進担当者集合訓練に招かれ、橋本隊司令が講師として安全に係る講話を行った。テーマは「これまでの飛行経験より」。隊司令自らのこれまでの飛行経験に係る話や、部隊指揮官としての多種多様な経験談等を語った。真摯に聴く安全推進担当者ら約30名に対し、航空管制に係る留意事項や安全担当者としての心得等に示唆を与えることができたものとしている。
 6月1日には、市ヶ谷にある航空システム通信隊からの要請を受け、教育研究部長の吉廣敏幸1空佐、講師として教育研究部主任研究官の片寄隆正技官を派遣。隊員約50名に対し安全講話を行った。
 まず第1部では「ヒューマン・エラーの要因と対策」をテーマに講話を行った。人間の情報処理過程の特性及び限界に関して、図及び動画等を活用しつつ解説、医療分野におけるこのような講話は新鮮で、参加者の反応等からは興味深く受講し、理解している様がうかがえた。また、隊員からも理解しやすかった等の感想があり、ヒューマン・ファクターの概要等を理解させ、安全管理等に関する知識の向上を図るという目的は果たせたとものとしている。
 引き続き第2部では、「「意志決定」に影響する要因(個人での意志決定に影響する要因)」をテーマとし、ヒューマン・エラーを引き起こす意思決定の特性及び意思決定へ影響する要因について、身近な事例を使用しつつ概説した。隊員らは真摯に講話に聞き入り、安全に関する知識向上及び安全意識の高揚を図ることができたものとしている。
 航空システム通信隊での安全講話の実施は今回が始めてである。これからも航安隊は部隊等からの要請に応じ、講話等によって隊員の飛行安全に係る知見の向上と航空自衛隊の安全確保に貢献していきたいとしている。

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