防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   904号 (2015年4月1日発行)
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寄り添える看護士を目指し
高等看護学院第38期学生卒業式
防医大

「感謝忘れず」誓う
 3月10日、防衛医科大学校(三浦総一郎学校長)高等看護学院第38期学生卒業式典を体育館兼講堂で行った。式典は、梅の花が咲くさわやかな天気のなか、大臣官房衛生監をはじめ、多数の来賓、家族及び教職員等約300名が参列し、盛大に執り行われた。
 卒業生48名は、3年間の看護教育を終え、看護師国家試験を受験し卒業式を迎えた。
 四ノ宮高等看護学院長は、「本学院において得た、看護の知識・技能・態度や様々な人々との出会い・経験を、「看護の原点」として大切にして欲しい。患者さんの事を真剣に考え、寄り添い、話に耳を傾け、心を癒せるような、真に頼りがいのある看護師になることを要望する」と式辞を述べた。
 その後、三浦学校長は、「今日の日に抱いた前向きの気持ちを忘れずに最新の医療知識や看護技術の修得に努め、看護能力の向上に励んで欲しい」と訓示した。
 卒業生は、3年間を振り返り「自分の未熟さに苛立ちや無力感を感じたり、人の生命に関わる責任感の重さに耐えかねて、看護の道をあきらめかけたこともあったが、患者さんから『ありがとう。がんばって素敵な白衣の天使になって欲しい』と激励を頂き、自分の選んだ看護の道は間違っていなかったと再認識することができた」と述べ、感謝の気持ちを忘れず、立派な看護師になることを誓い卒業式を終えた。

12省庁参加に規模大幅拡大
サイバー駅伝
 防衛省は3月18日、東京都品川区の総務省関連施設で行われた内閣サイバーセキュリティーセンター(NISC)と総務省主催の12省庁(※)対抗戦形式による、実践的サイバー攻撃防御演習(CYDER)をベースにした競技会「NATIONAL 318(CYBER)EKIDEN」に参加した。サイバー駅伝は、総務省のCYDERにタイムトライヤル要素を加え、ウィルス感染したPCの特定→感染ルートの特定→漏えいした情報を特定する一連の流れを駅伝になぞらえて4つの区間に区切り早解きを競うもので、演習の魅力化を図るため昨年3月に防衛省が初開催した。
 12省庁参加に規模を拡大した今回のサイバー駅伝は、山口俊一内閣府特命担当大臣(IT担当)のビデオによる冒頭挨拶に始まり、12省庁の代表チーム(1チーム3〜4人)がびっしりと机を並べ、互いの声が響きあうような濃密な空間で数時間に及ぶレースを競った。
 早解きを競い各区間賞が設けられ官房長官表彰の総合優勝(優勝は警察庁)が決まる一方、各区間の設定タイム以内に課題をクリア出来なかった場合は繰り上げスタートとなるなど、本物の駅伝さながらの要素も。加えて、単に早さだけでなく、時間管理担当、連絡担当、解析担当などメンバー間のチームワークを評価する総務大臣賞(金融庁が受賞)も設けられ、「実際にサイバー攻撃に対処する"現場力の向上"を目指すコンペティション」(MISCの大原一郎内閣参事官。防衛省から出向中)である同競技会の狙いが随所に感じられた。
 中央省庁が一同に会し、3・18=サイバーの日に行われた初の試みは大きな注目を集め、テレビ局を含む多くのメディアが取材に訪れた。また、各賞は同日夕刻、総理官邸で盛大に表彰された。参加者は「各省庁を代表する情報セキュリティの専門家である皆さんの任務に対する国民の期待はますます高まっている」(山口大臣)自らの置かれた立場を改めて強く認識。競技会参加を通じて各自が高めたモチベーションを組織の活性化や今後の更なる技量アップなどに繋げていく。
 ※警察庁、金融庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、防衛省

豪のエアショーで空自機等展示
KC−767が参加
〈航空自衛隊〉
 2月23日から28日までの間、航空自衛隊はオーストラリアで開催されていたアヴァロン・エアーショーで第1輸送航空隊404飛行隊(小牧基地・司令野中盛空将補)のKC—767空中給油・輸送機を地上展示した。これは、オーストラリア空軍及びその他の参加国空軍等との相互理解の促進を図り、防衛協力・交流の一貫として行ったもの。
 KC—767は日本初参加ということもあり約5000人が機内見学を行った。航空自衛隊は、来場者等に対する航空機や機内の概要説明の他、豪空軍空中給油・輸送部隊(33飛行隊KC—30A)のクルーやシンガポール空軍のアクロバットチーム「ブラックナイツ」、米空軍空中給油部隊(KC—135部隊)との部隊間及び防衛交流を行った。また、文化交流を目的として入間基地太鼓部「入間修武太鼓」による和太鼓演奏を実施。たくさんの豪州国民や、エアショーに訪れた他国の来訪者にも大反響だった。
 主催者や現地の人から「ぜひ次回も参加して欲しい」との声を受けながら、参加した43名は小牧基地へと戻った。

第150期飛行安全幹部課程修了式
〈航空安全管理隊〉
深まった陸海含む11人の絆、それぞれが部隊での活躍を誓う
 3月6日、航空安全管理隊(司令・橋本進空将補=立川)で「第150期飛行安全幹部課程」の修了式が行われた。
 節目の150期目では、7年ぶりの女性隊員2人を含む空自8人、陸自2人、海自1人の計11人(内訳:操縦士8人、要撃管制要員2人、警務要員1人)が1月、飛行安全及び航空事故調査に必要な知識技能を1月16日から280時間(約7週間)に渡り修得した。
 橋本司令は修了式の訓示で「統合運用の時代に、ここで培った陸海空の絆それぞれの職域の絆をしっかりと保って職務に邁進してほしい」「部隊に帰り教育や再度勉強をする際に分からない事があれば、航安隊は絶大な支援を実施するので気軽に連絡をするように」と2点を要望した。
 約7週間を振り返り、阿久根2海尉は「培った経験や絆は今後の業務にすごく役に立つ。大切にしたい」と今後の抱負を語った。部隊ではF—15の操縦士である伊藤2尉は「違う職種、違う機種、また他幕の任務や活動を聞けて非常に良い経験となった」と話した。また、毎年現地訓練を行っているが、今回は冬期のため閉山中だった1985年の日航123便機墜落事故現場である御巣鷹の尾根に(防衛ホーム 3月15日号参照)、あらためて同期で慰霊登山する計画もあるという。学生長の本田3陸佐は「飛行安全、航空事故調査に関する知識の修得という目的は概ね達成できた。特に副学生長の但(且ににんべん)野3空佐がよく補佐してくれて、公私ともによく繋がり、周囲から「よくまとまっているね」と言われ、ありがたかった」とこの約7週間を総括した。
 式後、司令をはじめ隊員や職員が温かい見送りを実施した。11人の表情は密度の濃い課程を全うした充実感で溢れ、それぞれが今後の活躍を誓い帰隊していった。

ヒューマンエラーテーマに
岐阜病院で初の安全講話
〈航空安全管理隊〉
 2月27日、自衛隊岐阜病院からの要請を受け、講師として教育研究部主任研究官の片寄隆正技官を派遣し、安全講話を行った。
 岐阜病院では初めての安全講話であり、「ヒューマン・エラーの要因と対策」をテーマに講話を行い、参加人数は副院長以下約50名が参加。
 人間の情報処理過程の特性及び限界に関して、図及び動画等を活用しつつ解説したが、医療分野におけるこのような講話は新鮮で、参加者の反応等からは興味深く受講し、理解している様子がうかがえた。また、副院長などからも理解しやすかった等の感想があり、自衛隊岐阜病院職員に対し、ヒューマン・ファクターの概要等を理解させ、医療安全に関する知識の向上を図るという目的は果たせたとものとしている。
 講話等によってこれからも航安隊は、隊員の飛行安全に係る知見の向上と航空自衛隊の安全確保に貢献していく。

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