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自衛隊ニュース   903号 (2015年3月15日発行)
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日米共同訓練
North wind2
 国内で初めて日米共同空艇降下
〈陸上自衛隊〉
 陸上自衛隊は2月9〜22日まで、矢臼別演習場(北海道厚岸郡厚岸町・同浜中町、野付郡別海町)で、国内における米陸軍との日米実動共同訓練「North wind2」を実施した。
 同訓練は第5旅団長・徳田秀久陸将補とアラスカ陸軍司令官マイケル・シールズ少将を担任官とし、日本側は、第5旅団隷下の第27普通科連隊(連隊長・淺井修1陸佐=釧路)と中央即応集団隷下の第1空挺団(団長・岩村公史陸将補=習志野)から合わせて約150人、米側は、即応機動に優れた第25歩兵師団第4空挺旅団戦闘団隷下の第501空挺歩兵連隊第1大隊(大隊長・ジェイソン・コンドレー中佐=アラスカ州エレメンドルフ・リチャードソン統合基地)から約50人が参加。日米共同作戦を実施する場合の相互連携要領を実行動により演練し、相互運用性の向上を図ることを目的に、指揮機関訓練、機能別訓練、敵陣地を攻撃する総合訓練を行った。
 総合訓練に先立ち行われた機能別訓練では市街地戦闘訓練、迫撃砲射撃、戦闘射撃、空挺降下などのほか、スキー機動、雪による築城、生存自活のための雪洞作成や孤立した状態での露営など積雪寒冷地における戦法・戦術も学びあった。空挺降下では、日米両空挺部隊共に陸自CH—47を使用。日本国内における日米共同の空挺降下は初の試みだった。最終日には淺井1佐、ジェイソン中佐の両訓練統裁官が「本訓練を通じて相互に多大な成果を得ることができた。今後とも、より一層の陸上自衛隊と米陸軍の強い信頼関係が継続することを祈念します」と述べ実り多き訓練を締め括った。
 また、2月13日には、機能別訓練を視察に訪れた陸上幕僚長・岩田清文陸将が極寒の地で奮闘する訓練参加部隊を激励。北海道を守る決意を改めて表明するとともに、翌日から釧路市博物館、鳥取神社などの史跡研修や家庭訪問を控える米軍へ、日本への理解を深めるよう要望した。

方面隊等最先任上級曹長会同
 「答えは現場にある」
〈陸上自衛隊〉
 2月18日、19日の2日間、陸上自衛隊は市ヶ谷の防衛省で全国から約90名の最先任上級曹長を集め、方面隊等最先任上級曹長会同を開催した。
 岩田清文陸幕長は訓示で「陸上自衛隊体制移行における陸曹の意識改革」「上意下達・下意上達の重要性を再確認」する様話された。また、「常に見られていることを意識し、背中を見せても恥じぬようかつ模範となるべく自己修行に努めて欲しい」「答えは現場にある」などと語った。
 訓練成果報告や災害派遣活動報告後には部隊最先任としての立場からの活発な質疑応答があった。各地から集まって「生の意見交換をする事は大切だと思った」瞬間だ。歴代最先任上級曹長の講話は、退官前後の生の話等が聞け「先輩方が改めて頼もしく思えた」と参加者は言う。
 8年の検証を経て、運用開始されてから間もなく1年が経とうとしている上級曹長制度。「様々な変化により今まで以上に全国の最先任同士の繋がりと情報交換が大切だと思う」等と言いながら、部隊で話す事や実行することを沢山持ち、全国の部隊へ戻って行った。(吉田佳子)

第68期幹部高級課程 卒業行事
 中央音楽隊の生演奏で出来たばかりの学生歌を斉唱
〈陸自幹部学校〉
 3月3日、目黒にある幹部学校大講堂で「第68期幹部高級課程」卒業行事が厳かに行われた。陸上自衛隊幹部学校長(小川清史陸将)は「幕僚業務等で忙殺されていても、常に有事の事を考え、自分は何者かということを忘れず、自分を律して、優しく、強く、自分の将来への揺るぎない自信を持っていて欲しい」などと式辞を述べ、一人一人に卒業証書を手渡した。
 幹部高級課程(AGS)では、上級の指揮官及び幕僚としての資質を向上するとともに、師団等以上の部隊運用に必要な知識及び技能を習得させる事を目標とし、約25週1032時間の教育を受ける。今回から戦略推進コースと総合兵站コースの2個コースに区分され、初の総合兵站コースには、衛生科・航空科・特科・機甲科・施設科から1名ずつが入校した。来年度からは更に情報コースも設けられる。「部隊にいる時と違い、全ての時間が勉強も含め自分のためだけに使える。自分の事を見つめ直す良い時間も持てた」という卒業生たちは、9日から統合高級課程(JAC)に進み更に約19週間の教育を受けることになる。
小川学校長の要望事項「日本国の事を我が事とし、腑に落ちるまで考え抜け」「知識と隊務の融合」
 この卒業式では、「陸上自衛隊幹部学校各課程学生歌」を学校長初め、卒業生・在校生・職員が斉唱した。この学生歌は、今年2月25日に完成したばかりの歌。卒業式後には、小川学校長から中森1佐と堀1曹に花束を贈呈。「未来に対して夢と希望を持てる歌をありがとう。幹部学校も3年後にはなくなってしまうが、この歌を大切に継承していきたい」と謝辞を述べた。
作詞者中森1佐・作曲者堀1曹のコメント
 中森1佐「選抜された誇りを持って能力向上に専念する学生が、当面具現すべき学校長要望事項などを共通部分で自覚させるよう、また、それぞれの課程の目標を確認できるよう構成。平素から言葉を大切にされる学校長には、学生が誤解なく同じ認識をもって歌えるよう、改めて自分で適切な訓読みの表現・言葉を選定され、丁寧かつ具体的に指導していただいた」
 堀1曹「学校長からは、明るい曲調でと要望があり、力強く明朗勇壮で、歌詞の雰囲気を損ねない事を心がけた。これまで何度か隊歌の作曲をしたが、隊歌作成の大綱の写しや音源へのアンケート結果等を知らされたのは始めてで、学校長の強い思いを感じた」

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