防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   902号 (2015年3月1日発行)
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千歳市内の陸空准尉270人が交流
余市から海自も
 1月31日、千歳市内のホテルにおいて市内の陸上及び航空自衛隊の准曹約270人が集まり、「千歳地区准・曹交流会」が行われた。
 今回で5回目となるこの交流会は、千歳市内に所在する東千歳駐屯地、北千歳駐屯地及び千歳基地で働く自衛官等が陸・空自衛隊の垣根を越えて「横軸の強化」というテーマの下に、地域社会貢献等情報の共有や隊員の団結の強化を目的として毎年度1回開催しているものである。節目となる5回目は、千歳基地准曹会が幹事を務め、初めて空自連合准曹会副会長や陸自曹友連合会会長、また、千歳から最も近い海上自衛隊である余市から防備隊先任伍長らが招かれた。
 交流会は、はじめに杉本孝哉千歳基地准曹会会長より挨拶が行われ、その後、千歳基地准曹会最高顧問である小川能道千歳基地司令と青空東北会会長より祝辞を頂き、各会長及び来賓による鏡割りで始まった。途中、各会の活動状況が紹介されたり、ビンゴゲームなどで盛り上がった。
 また、今回は空自連合准曹会規約にある「特別級表彰」が行われ、2空団司令部の深瀬かおり1等空曹をはじめ東千歳及び北千歳から各2人、計5人に今村史連合准曹会副会長から記念の盾が贈られた。
 最後は、今後も交流を深め各活動の益々の活性化を祈念し、蛯原隆二北千歳駐屯地最先任上級曹長による万歳三唱で締めくくった。

第17次派行空・第2次派遣支援隊
家族らが盛大に出迎え
〈海自厚木基地〉
 2月22日、海上自衛隊厚木基地において、昨年10月〜本年2月までアフリカ東部ソマリア沖アデン湾で船舶の安全な航行を妨げる海賊行為に対する警戒監視活動に従事し、期間中"海賊案件ゼロ"に貢献した第17次派遣海賊対処行動航空隊(指揮官・草野信也2海佐、海自第4航空群基幹約70人)・第2次派遣海賊対処行動支援隊(指揮官・飯塚祥平1海佐(※1次から、3次も引き続き)、4空群及び陸自第1空挺団基幹約110人)の帰国行事が盛大に行われた。式典には原田憲治防衛大臣政務官、<INLINE NAME="" COPY=OFF>田英一自衛艦隊司令官をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、大和市長や周辺自治体の議員、協力団体などの来賓、隊員家族や派遣隊員の所属部隊隊員ら多数が列席した。
 午後2時過ぎ、到着を待ちわびた家族らが手に持った小旗や大弾幕を打ち振る中、曇天をかき分け2機のP-3Cが雄姿を現し着陸した。タラップを降り行進する隊員の中から久しぶりに見つけた父の姿に、式典中も「パパ、パパ」と声をかける幼子の声が式場の格納庫内に木霊する。式典終了後すぐさま愛娘に飛びつかれた"パパ"は感激の面持ちで「出発前は片言だったのに、こんなに喋れるようになって」(P-3C操縦士・成田航1海尉)と愛しげに頬を擦り寄せた。
 式典では、草野2海佐の帰国報告を受け、原田政務官、<INLINE NAME="" COPY=OFF>田自艦隊司令官が壇上から海賊対処行動の意義、その活動が国内外からいかに高く評価されているかを列席者へ改めて声高らかに説明し、隊員と留守中を支えた家族を労った。草野2海佐は報道陣の取材に対し、隊員がモチベーション高く活動を全うした様子や、ジブチの拠点で支援隊が毎日用意する日本食に感謝して過ごした日々を安堵の表情で振り返るとともに、昨年2月の航空隊の参加以来、丸1年が経過した多国籍部隊CTF-151での活動についても笑顔で「151に参加以後、各国の哨戒機と分担して効率的に監視活動が出来ている」と、手応え十分のようだった。

防研の専門家が講話
中東情勢テーマに
〈航空安全管理隊〉
 空自航空安全管理隊(司令・橋本進空将補=立川)は2月18日、防衛研究所の西野正巳主任研究員(中東地域研究、イスラム学が専門)を講師として招き「2011年『のアラブの春』後の混乱と過激派組織『イスラーム国』の台頭」をテーマに部外講話を実施した。第150期飛行安全幹部課程の学生11人及び基地等隊員を含む航安隊等隊員約65人が参加し「講師の中東情勢に関する豊富な経験と知見を基にした、中東情勢全般をはじめ今話題のシリア情勢やISILの現状など」に関する講演を熱心に聴講した。
 講演後の質疑応答も活発に行われ、参加隊員からは「現在の中東情勢やISILの現状を理解できた」、「今まさに話題の中東について、非常にわかりやすい講話で興味深く聞けた」などの所感が寄せられ、航安隊も「隊員の防衛教養に係る知識の向上、自学研鑽の一助となった」としている。

中空音楽隊演奏会
立ち見出る盛況
〈浜松広報館〉
 浜松広報館は、2月1日、午後2時から午後3時までの間、展示格納庫特設会場において、浜松基地所属の中部航空音楽隊によるアンサンブル・コンサートを行った。演奏1時間前からアンサンブル・コンサート目当ての来館者が続々と訪れ、演奏30分前には、満席となり立ち見も出るほどだった。
 木管五重奏によるクラシック音楽「ディベルティメント 1.アレグロ 2.アンダンテ 4.ロンド」を筆頭にサックス四重奏による、誰もが知っている「聖者の行進」や今年のNHK連続テレビ小説「マッサン」の主題歌「麦の唄」、金管五重奏による子ども向け楽曲「となりのトトロ〜さんぽ」ほか計13曲を熱演した。
 「聖者の行進」や「となりのトトロ〜さんぽ」では、小さな子どもからお年寄りまで自然と手拍子が沸き起こり、演奏者と一緒にアンサンブル・コンサートを楽しんだ。
 アンサンブル・コンサート終了後、来館者から「また来年も是非やってください。楽しみにしています」という声が多く聞かれ、盛況のなか終了した。

自衛隊初の多国籍部隊司令官
5月に伊藤弘海将補をCTF151に派遣
 防衛省は2月3日、中東ペルシャ湾のバーレーンに本部を置く有志各国による連合海上部隊(CMF)の下で海賊対処を目的とする第151連合任務部隊(CTF151)司令官として、海上自衛隊第4護衛隊群司令・伊藤弘海将補を5月末から7月23日まで派遣することを発表した。自衛官が多国籍部隊の司令官を務めるのは創隊以来はじめて。CTF151司令官は09年の設立以来、米・トルコ・シンガポール・韓国・パキスタン・ニュージーランド・デンマーク・タイ・英の各国が概ね3カ月前後の期間務めている。防衛省は昨年7月、CTF151司令官を自衛隊から派遣することを明らかにしていた。
 また、これに伴い、CTF151司令部要員として佐官級の海自幹部自衛官約10人が派遣され、イギリス・オランダ・トルコ・オーストラリア・ニュージーランドから派遣される予定の10人程度の要員とともに活動する。その他のCTF151参加国についても司令部要員の派遣を調整している。
 CTF151司令部は、アデン湾内の特定海域で多国籍部隊による警戒監視を行うため、参加国との間で事前の艦艇の配置日程や航空機の飛行区域、海賊の疑いがある船舶を発見した場合の対処などについて各国やCMFと調整を行う。自衛隊は2013年のCTF151参加開始後、海賊対処を行う各国との連携が大幅に強化された。加えて、従来知り得なかった各国の海賊対処に関する情勢分析や航空機の運用方針を知る機会にも恵まれている。中谷元防衛大臣は2月3日の記者会見で司令官及び司令部要員の派遣について「CTF151の参加部隊を始め各国部隊との間における連携要領を実践できる」などと期待を寄せている。

アジア太平洋等14カ国招き
海軍大学セミナー
領海巡る問題等議論
〈海幹校〉

 2月16〜20日まで海上自衛隊幹部学校(学校長・山下万喜海将=目黒 以下、海幹校)は、第18回アジア太平洋諸国海軍大学セミナーを開催した。同セミナーは平成10年から、アジア太平洋諸国海軍の大佐クラスの教官・研究者や公的機関の研究員などを招き、研究発表・討議や市ヶ谷、横須賀での部隊等研修を通じ、相互理解を深め防衛交流を促進する事などを目的に毎年行われている。
 海幹校における主要行事の一つである同セミナーの開催意義は大きく、海幹校創立60周年記念式典に兼ねた開会式における挨拶では、山下学校長が「知学一致が私の方針です。(教育・研究機関たる海幹校のような組織には)知識の集積と知恵の発信の両輪が無くてはならない。大いに議論し、相互理解を深めてもらいたい」などと要望した。
 また、開会式に続く基調講演では、米海軍大学校長・ハウ少将が「各国海軍がアジア太平洋、世界各地でどのような役割を果たすことができるのか、海洋におけるパートナーシップをどのように強化できるのかについて話し合いたい」と期待の言葉を寄せた。
 今年は14カ国(※1)と海洋政策研究財団(OPRF)、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)からパネリストが参加し、海幹校のパネリストである防衛戦略教育研究部課程管理室長・寺田博之1海佐と共に、メインテーマ「『開かれ安定した海洋』の追及」に即した4つのサブテーマ(※2)から一つを選択して研究発表・質疑応答が行われた。
 同セミナーは当初、各国海軍大学等の教育機関の取り組みについて、互いに紹介することからスタートしたが、ここ数年はHA/DR(人道支援・災害救難)など各国海軍共通の最新課題を随時研究テーマに採用し活発な議論が行われている。今回掲げられた、領海などを巡る諸問題も近年たびたびテーマに取り上げられている重要課題だけに、各国海軍の最新事情や方針を知り得る貴重な機会となった。

※1 豪、ブルネイ、カナダ、フランス、インド、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、韓国、シンガポール、タイ、英、アメリカ。英国海軍は初参加
※2 サブテーマ「世界の海洋安全保障環境に影響を与える要因への対処」(1)法とルールが支配する海洋秩序の実現策(2)排他的経済水域(EEZ)における衝突及び不測事態への発展を回避するための軍事活動のあり方(3)MDA(Maritime Domain Awareness=海洋領域認識。安全保障、安全、経済などに影響を及ぼす地球規模の海洋環境に関する様々な構成要素の効果的な理解)における海軍の役割及び国際協力のあり方(4)海洋安全保障に必要な防衛技術協力


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