防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   894号 (2014年11月1日発行)
-
1面 2面 3面 4面 5面 11面 12面

日豪防相会談
〈初顔合わせ〉
 防衛協力・交流の進展状況を確認
 10月16日、江渡聡徳防衛大臣は防衛省でジョンストン豪国防大臣と日豪防衛相会談を行った。両国は近年防衛協力・交流を加速度的に深化させており防衛相会談も様々な機会で頻繁に行われている。江渡大臣就任後初の防衛相会談で「顔合わせ」の意味合いもあり、日本側が日米防衛協力ガイドライン見直しについての中間報告を行う等互いの防衛政策の近況について説明があった。
 また、両国が取得を決めている米F-35のメンテナンス等に係る協力や、豪軍が取得を決めている新潜水艦についての防衛省・自衛隊の協力など両国の防衛協力・交流について進展状況を確認した。船舶の流体力学分野の共同研究、技術者交流など、豪州国防科学技術機関との防衛技術交流も議題に上った。

「精強・即応」「伝統の継承」
河野新統幕長が初訓示
 10月14日に前統合幕僚長・岩崎茂空将の、10月15日に新統合幕僚長・河野克俊海将の離着任行事が防衛省でそれぞれ行われ、栄誉礼、儀じょうに続き、隊員を前に訓示した。
 河野新統幕長は海幕長時代から掲げる"真に戦える"自衛隊で有り続けるため「精強・即応」「伝統の継承」の二点を隊員に要望するとし、来年度に文官と自衛官が一体となり運用に関し防衛大臣を一元的に補佐する体制に移行することを踏まえ、「体制の中核となる統合幕僚監部には、歴代統合幕僚会議議長、統合幕僚長のリーダーシップのもと培われてきた素晴らしい伝統がある。これらを基盤として、諸官とともに統合幕僚監部、自衛隊の新しい歴史を刻んでいきたい」などと初訓示した。
 岩崎前統幕長は統幕を去るに当たり「2年9ヵ月の在任期間中、様々な事態に統幕や全国の陸海空の部隊が一丸となって対応してくれて大変感激している」「統幕の重責に対し様々な事を考え、新統幕長を核心として統合運用の更なる深化のために一丸となって取組んでほしい」などと訓示。A棟1階ロビーで隊員の見送りを受け、女性隊員から贈られた花束を手に防衛省を後にした。なお、岩崎前統幕長は10月14日付で防衛大臣政策参与に任命された。

26年度殉職隊員追悼式
「遺志を受け継ぎ、全力を尽くす」

 10月25日、防衛省メモリアルゾーンにて平成26年度自衛隊殉職隊員追悼式が執り行なわれた。任務遂行中に不幸にして職に殉じた隊員を追悼するために防衛大臣の主催により、昭和32年から実施しているもので、今年度新たに顕彰されたのは陸自8柱、海自3柱の計11柱。昭和26年の警察予備隊発足以降の累計は1851柱となった。
 式には新遺族、殉職後10年目及び20年目等の遺族や遺族会役員、協力団体のほか安倍内閣総理大臣、江渡聡徳防衛大臣をはじめ防衛省・自衛隊の高級幹部、歴代大臣や国会議員など約330人が参列した。
 安倍首相は追悼の辞で「御霊は立派に使命を果たしこの国のために尽くし大きな職責を果たしました。その尊い犠牲を無にすることなく御遺志を受け継ぎ国民の命と平和な暮らしを守り世界の平和と安定に寄与するため全力を尽くす事を誓います」等と述べ、江渡大臣は「御霊のご功績を自衛隊員の鏡として永く顕彰し、御遺志を引継ぎ、国民の生命・財産、我が国の領土領海領空を守るという防衛省自衛隊の任務達成に全身全霊で取り組みます」等と述べた。
 続いて安倍首相、江渡大臣をはじめ順次、献花が行われ、遺族代表の挨拶で藤田麻呂さん(今年度顕彰された藤田隆久1海曹の御遺族)は「周りの人から尊敬されるような人間になるため力強く生きていきます。隊員の皆様には父の果たせなかった分まで任務を全うされるようお願い申し上げます」と涙ながらに述べた。
 最後に特別儀じょう隊による捧げ銃が澄んだ秋空に放たれ、参列者全員で拝礼を行い式典は閉じた。


沖縄基地負担軽減推進委員会
左藤副大臣「一歩前進」
 10月17日、防衛省は第4回沖縄基地負担軽減推進委員会(委員長・左藤章防衛副大臣)を開催した。左藤副大臣は冒頭、「8月26日までにKC-130の普天間飛行場から岩国飛行場への移駐が完了したことは『目に見える負担軽減』が一歩前進したものと考えます」などと挨拶。また、オスプレイについても、「10月19日に和歌山県が実施する津波災害対応実践訓練に陸海空自衛隊の統合任務部隊とともにオスプレイが参加するなど県外移転の動きが本格化している」と述べた。
 委員会では、「普天間基地負担軽減推進チーム」(チーム長・山本達夫地方協力局次長以下内局の関係課長)及び「牧港補給地区返還推進チーム」(チーム長・鈴木敦夫防衛政策局次長以下内局・各幕の関係課長、各地方防衛局の関係部長)から6月20日の第3回同委員会の開催以後の動きについて、委員長以下両政務官、事務次官、大臣官房長、内局各局局長や四幕長など出席委員が報告を受けた。

防衛大臣感謝状贈呈式
66個人、70団体が受賞
 10月25日、平成26年度防衛大臣感謝状贈呈式がホテルグランドヒル市ヶ谷で行われた。これは自衛隊記念行事の一環として防衛協力や自衛官募集、予備自衛官雇用等で功績のあった方々を表彰するもので、今年度は個人が66人、70団体が受賞した。式典で江渡聡徳大臣は壇上で代表者に感謝状を授与し、その後受賞者1人ひとりに「ありがとうございます」と言葉を添えて感謝状を手渡した。挨拶では「皆様方に支えられてはじめて自衛隊は誇りをもって日々の任務に邁進できます」と感謝の意を伝えた。
 (受賞者については次号にて掲載させて頂きます)

雪月花
 '64東京オリンピックからちょうど50年、あの時の自衛隊の活躍はめざましかったが、'64オリンピックといえばまず東京上空を飛んだF86Fのブルーインパルスだろう。真っ青の秋空に浮かんだ5色のマークを忘れる人はいないはずだ。2020年にももう1度披露してもらいたい。自衛隊の活躍は裏方と同じように選手としても国民から喝采を受けた。競技場への入場券が手に入らなかった筆者はせめてマラソンでもと友人と沿道応援に行った。折り返し点の調布市飛田給に行きアベベ選手の平然とした走りを見、すぐに京王線と国電で千駄ヶ谷に引き返した。まさに円谷幸吉選手が国立競技場にアベベ選手に続いて入るところ。間に合った。銅メダル?そんなはずはないとラジオのニュースを疑ったが翌日の新聞で事実を認めざる得なかった。競技場に入ってからヒートリー選手に抜かれていたのだ。しかし1億国民は円谷選手の健闘に沸き返った。円谷選手記念館は故郷の須賀川市にあり、円谷記念マラソンも郡山で毎年行われている。'64オリンピックには自衛隊体育学校所属の選手20人が出場した。重量挙げで三宅義信選手が金メダルを取り海自横須賀の鶴田治選手が平泳ぎで6位、レスリングの桜間幸次選手が4位と大活躍(円谷選手は1万mでも6位)。以来オリンピックと言えば自衛隊となった。同校の展示室では歴代メダリストのメダルや公式ブレザー、円谷選手のシューズなど関係資料を見ることができる。

NEXT →
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2014 Boueihome Shinbun Inc