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自衛隊ニュース   879号 (2014年3月15日発行)
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平成25年度国際平和協力活動民軍連携研究会
CRF
 3月4日、間もなく移転1周年を迎える座間市所在の中央即応集団司令部(司令官・日熕ュ広陸将)で、平成25年度国際平和協力活動民軍連携研究会(IPCMCS)の民軍連携会同が開催された。これはPKOにおける民軍連携に係る機能の向上及び自衛隊と文民組織との相互協力の促進を目的に開催。国際平和協力活動等(PKO)の分野における民軍関係の重要性の高まりから深化・拡大を継続しており、国際・国連機関、NGO等の文民組織との関係において、これ程焦点を当てて行う研究会は、防衛省・自衛隊として初めてである。
 2月6〜7日には、同研究会の前段である実務者演習が静岡県駒門駐屯地所在の国際活動教育隊(隊長・古庄信二1陸佐)で行われ、ロールプレイによるミニ演習が行われた。自衛官・文民が相互にロールプレイをすることにより、自分以外の役割も模擬体験。各団体のミッションも違う、与えられた情報も違う状況下、セッションが進むにつれミニ演習も白熱して行き、参加者は「各々役になり切り、日頃の立場とは異なる視点から物事を考えなくてはならない場面もあり、大変参考になった」と語る。
 今回行われた民軍連携会同は、「PKOにおける民軍連携の現状〜文民の視点・自衛隊の視点〜」のテーマで、全体会議とグループ討議に2本立てで行われた。冒頭で日燻i令官は「自衛隊・陸上自衛隊の役割というのは益々大きくなるだろうと感じております。そういった意味でもPKOをより効果的にするために現場等で活躍されている皆さんと我々相互の考え方や活動内容を理解して、よりよい関係を構築していきたいと思います。この研究会を通じて、自由な雰囲気の中、積極的な意見交換を通じまして、良好な関係が築かれる一助となれば、主催するものとしてはこれ以上の喜びはありません」と挨拶した。
 全体会議では、難民を助ける会理事長・長有紀枝氏(演題・文民サイドから見る民軍連携の課題)、防衛研究所理論研究部長・吉崎知典氏(同・国連PKOにおける民軍関係)、JICA南スーダン所長・花谷厚(同・南スーダンにおけるJICAの協力と自衛隊PKOとの連携)及び研究本部(元南スーダン現地支援調整所長)土屋晴稔1陸佐(同・南スーダンPKO派遣における自衛隊の活動概要)の基調講演が行われ、参加者たちは熱心に聞き入っていた。各講演の後には質疑応答があり、「自衛隊との連携を必要とするNGOは、どのような手段及び要領により、当該NGOのニーズを自衛隊に要求すればいいか」「PKO等において、中央(現地UN司令部等)の考えや戦略を現場に反映させるには、どのようにしたらよいか」「南スーダンにおいて、JICAはどういった判断基準で自衛隊と連携したのか」などの質問があり、会場は熱気に溢れていた。
 この研究会を調整したのは、中央即応集団司令部の民生協力課で、課長の持田将貴2陸佐は南スーダンへ第3次施設隊長として派遣されていた。「今日の講演等を聞いてどうでしたか」の問いに「私は、南スーダン派遣施設隊長として、現地支援調整所の調整結果に基づき、インフラ整備を実施していた。任務化(タスク化)に係る調整に当たって、これ程までに、現地との連携が難しく苦労があったとは知らなかった。また、文民の方々の自衛隊に対する関心の高さにも驚いた。初めて知った事もあり、本当に勉強になった」と応えた。また「民生協力課は、中央即応集団にしかなく、編成されたのも平成19年とまだ歴史も浅い。この様な研究会を通じて、様々な機関の方の胸を借り、幅広い視点から意見交換をすることができた。今後とも継続して文民と自衛隊組織との認識の共有を図って行きたいと思う」とも語った。

第5回東部方面区
陸・海・空下士官団体交流会
 「第5回東部方面区 陸・海・空下士官団体交流会」が3月1日、盛大に東京・アルカディア市ヶ谷で開催された。集まった陸・海・空の下士官はおよそ100名。会を重ねる毎に参加者が多くなる。そして、陸海空の垣根が低くなっていくのを感じる。この会は陸・海・空持ち回りで主催しており、今回は海自担当。プロダンサーによるベリーダンスのショーは大盛り上がり。趣向を凝らした交流会に、来年主催の空自は「今回の会は凄い!プレッシャーだ」と笑いながら圧倒され気味。災害派遣などでも、現場にいる陸海空の下士官同士が連携し速やかに任務を行えるなどの効果も出て来ている。会ったことがある者同士はやはり、話も通じやすいようだ。小紙で陸上自衛隊の「最先任上級曹長」の記事等を掲載すると航空自衛隊の方から「久しぶりに〇〇陸曹長の顔を防衛ホームで見て、電話しちゃったよ」などの反響もある。挨拶で「各部隊に戻り任意団体も凄いよと伝えて」とあったが、遠慮することなくどんどん参加して欲しいと主催者は話していた。
 「下士官制度が充実していくと任意団体はやりにくくなる点がでてくるかもしれない。しかし、任意団体は組織ができない部分をやれる。組織を縁の下から支えるつもりで10回、20回と続けて行って下さい」とはOBからの祝辞。各地で開催されている下士官交流と共に益々発展していって欲しい交流会だ。

信友会創立50周年
記念祝賀懇談会
 2月23日午後、都内ホテルで「第50回通信科・信友会合同歓送迎会 信友会創立50周年記念祝賀懇談会」が行われた。昭和39年11月5日に発足して今年で50周年を迎えた信友会(菊池伯会長)は、陸上自衛隊通信科幹部自衛官等OBの親睦会で、全国に約1100名の会員がいる。当日は午前中に信友会の総会と、信友会の維持・発展に功績のあった企業などに感謝状を贈呈した記念式典、『散るぞ悲しき—硫黄島総指揮官・栗林忠道』の著者である梯久美子氏による記念講演会が行われた。
 午後の歓送迎会・懇談会では、昨年度の同会開催以降に退官・入会した通信科幹部等19名のうち、当日出席した16名を、退官の日付順に所属部隊・退官日・再就職先を紹介。退官者を代表して元通信学校長の小林英彦氏が挨拶し、「信友会に入るのは実に大変でした。30有余年も現職を勤めなくてはならない。少工出身の方は40数年です」などと述べた。"30有余年""40数年"の部分には、長い年月を走りきり、一筋に勤め上げた万感の思いが感じられた。
 信友会会員、現役、通信関連の援護企業関係者など約400名が出席した同会ではそのほかに、最高齢93歳を筆頭に19名の80歳以上の信友会会員が紹介された。その半分ほどの年齢である幹部学校・通信学校入校学生たちが壇上から今後の部隊勤務に賭ける意気込みを力強く語った。通信団長・西川公康陸将補、通信学校長・成田千春陸将補をはじめ5名の将官も紹介された。会場の外には通信科・信友会の歩みが年表や写真で詳しく掲示され、当日出席できなかった信友会会員の直筆メッセージカードも多数掲示されていた。
 過去・現在・未来の信友会・通信科の歴史は携わる一人ひとりの人生の積み重ねによって成立している。歴史を紡いでゆくことの素晴らしさ、尊さをヒシヒシと感じた懇談会だった。

お詫び
 3月1日号1面で〈「指揮官の直接の補佐官」最先任上級曹長〉とありましたが表現に誤解を招く部分がありました。お詫び申し上げます。〈「指揮官の直接の補佐者」最先任上級曹長〉に替えさせて頂きます。

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