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自衛隊ニュース   2013年11月15日号
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HA/DRをテーマに
防衛省主催「東京DF」で21カ国等が議論
 10月29日から31日まで、ホテル椿山荘東京で第18回東京ディフェンスフォーラム(TDF)が開催された。日本独自の取組として、防衛省の主催で平成8年からアジア太平洋地域諸国の防衛政策担当幹部(国防省局長、将官クラス)を対象として毎年行っているもので、各国の防衛政策や防衛面に焦点をあてた信頼醸成措置への取組について自由な意見交換を行っている。
 今年はASEAN諸国、オーストラリア、モンゴル、ニュージーランド、韓国、米国など21カ国、ASEAN事務局、EU、赤十字国際委員会(ICRC)、国連人道問題調整部(UNOCHA)の関係者が参加し、「平素におけるHA/DRへの備え」「HA/DRにおける地域枠組の役割」を議題に意見交換を行った。
 人道支援・災害救援=HA/DRの平素の備えについては、各国が国内で法的基盤や組織の整備、訓練・演習の実施等を行うことが重要で、訓練の実施については自治体やNGOと共に訓練を行うことが重要であると議論された。また、支援国—被支援国、支援国同士の災害発生時の協力を円滑にするため平素からさまざまな機会を通じ協力を図ることが重要であるとの意見があった。災害発生時の各国の行動の基準となるガイドラインの策定が進展していることも言及され、UNOCHAは、「災害発生時の各国の責任と役割や軍のアセットの運用等に関する基準を定めたガイドラインを策定中」とのこと。
 HA/DRにおける地域枠組みの役割については、今年5月のASEAN地域フォーラム、6月の拡大ASEAN国防相会議のHA/DRに関する実動演習が共に成功したことを受け、今後について、各演習の教訓事項の共有や、異なる枠組み間の協力の必要性が議論された。また、TDF等の機会を利用して各演習の日程の調整や統合等について議論を行うことが重要で、「ASEANの中心性を尊重しつつも、各国が実施する多様な二国間・多国間の演習や枠組みの活用も必要」などと議論された。

UNMISS派遣要員に対する
支援や安全確保を要請
岩崎統幕長がジョンソンSRSGに
 岩崎統幕長は10月28日、ヒルデ・ジョンソンUNMISS国連事務総長特別代表(SRSG)と懇談を行い、自衛隊のUNMISSでの施設活動などについて意見交換を行った。
 懇談では岩崎統幕長から、平素より自衛隊の派遣要員への多大な配慮に対して感謝を述べるとともに、今年5月に派遣施設隊の活動地域をジュバおよびその周辺に加え、東および西エクアトリア州に拡大することが決定したことに伴い、引き続きUNMISS司令部による支援を要請した。また、11月下旬頃より派遣を予定する第5次要員から、東エクアトリア州での施設活動を実施する旨を伝達した。さらに派遣要員の安全確保に係る協力を要請するなど、有意義な意見交換となった。
 ジョンソン特別代表は外務省の招へいにより日本を初めて訪れた。岩崎統幕長との懇談は、今年5月の南スーダン派遣施設隊などの部隊視察で同国を訪れて以来2回目となる。

魁の風
〜中央即応集団〜
central readiness force
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本邦における派遣準備や現地の
部隊行動を演練

CRF国際演習に参加
中央即央連隊
 中央即応連隊(連隊長・阿部洋一1陸佐)は、9月17日〜27日にかけて、宇都宮駐屯地および相馬原演習場において実施された、『平成25年度中央即応集団演習(国際)実動演習』に参加した。
 本演習の主要演練項目は、「本邦における派遣準備」および「現地における部隊行動」であった。
 当初、9月17日〜18日までの間、宇都宮駐屯地において、前段演習として装備品の輸送準備を、9月20日〜27日までの間、相馬原演習場において後段演習として派遣部隊主力到着後の部隊行動を実施した。
 9月17日に実施された演習開始式において、統裁官(CRF副司令官(国際)・岩村公央将補)は、「実派遣を想定したミッションリハーサルとして捉え、全力で取り組んでもらいたい」と訓示を述べた。
 今回の演習では、西副連隊長を演派遣施設隊長とし、総員約200名が、本演習に参加し、当初、宇都宮駐屯地において、実際の派遣を想定した装備品等の輸送準備を実施し、じ後、相馬原演習場において、現地で予想される実戦的な状況に迅速・的確に対応した。
 訓練参加部隊は、不測事態対処訓練における対処要領の練度向上等、多くの教訓を得て、国際任務部隊として所期の成果を収め、本演習を終了した。
 演習部隊指導官として参加した阿部隊長は、「派遣予定の隊員が初めて一堂に会して、コミュニケーションを図りながら、即戦力を発揮することは予想以上に難しいが、それを克服してこそ先遣隊であり、本演習の成果大であった」と語った。

『天空の歌姫』熱唱
藤原美弥子さんが演舞に合わせて
空自目黒基地文化展で実現
一糸乱れぬ基地空手道部と共演
 航空自衛隊目黒基地(司令・尾上定正空将)は、10月22日から23日まで、目黒基地文化展を実施した。
 基地厚生活動の一環として毎年実施しているもので、美術品等展示の他、空手道部及び合気道部の実展展示が行われた。
 今年は、空手道演武に「天空のディーヴァ(歌姫)」ことソプラノ歌手の藤原美弥子さんが「一日部長」として共演し、陸海空の自衛官・職員がギャラリーとして多数集まる中、武道と歌のコラボレーションという妙技を披露し、会場から盛大な拍手が送られた。視察した基地司令も満足げな表情を見せていた。
 藤原さんが、「アメージング・グレース(素晴らしき恩寵)」、「もののけ姫」等の名曲を高らかに歌い上げるのに合わせて、空手道の団体演武や個人演武が次々と実演された。歌と演武のタイミングがぴったり合っている事も観客を唸らせた。
 また、「仁義なき反則技の世界」と題した応用組手展示が実施され、空手道の基本技に、柔道、プロレスの技等を取り入れた技も披露され、大いに会場を沸かせた。次々に繰り出される変則技に、観客が思わず吹き出す様子も見られた。
 同日程で実施された平成25年度多国間セミナーに参加していた外国軍人も、一糸乱れぬ実演展示に感嘆した様子であった。同セミナーの視察のために来基した航空幕僚長が、ソプラノの美声に足を止める一幕もあった。
 藤原美弥子さんは「参加できて光栄です。今後も様々な武道と共演したいです。夢は、日本武道館で開催されるような大きなイベントで共演することです」と目を輝かせた。藤原さんは平成16年に航空自衛隊創立50周年記念イメージソング作詞者・歌手として一般公募で採用されて以来、多数の空自イベントに出演。今回も大阪から駆けつけた。
 目黒基地空手道主将の坂梨1佐は、「今回の共演は前例のない試みであり、演武と歌のタイミングを合わせることに重点を置いて準備した。藤原さんとの合同練習の機会は前日のみであったが、本番ではうまくやれたと思う。日頃の稽古の成果を遺憾なく発揮し、武道の素晴らしさをアピール出来たのでは」と話していた。

〈訂正〉
  11月1日発行第870号「第21回危険業務従事者叙勲」の中で、10面の瑞宝単光章受章者の「福嶋直治・64・元陸自第9後方支援連隊・准陸尉」は「藤嶋直治・64・元陸自第9後方支援連隊・准陸尉」の誤りでした。訂正してお詫び致します。
 また、同号2面の「酷暑、真夏のアフリカで貢献」の文中で「約60時間に及び」とあるのは「約560時間に及び」の誤りでした。訂正してお詫び致します。

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