防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2013年10月15日号
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寄せ書き
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3個の"太陽スマイル"
第12普通科連隊(国分) 久木田隆1陸曹の家族 久木田弘美
 主人と結婚して今年で29年目。その間に2人の子供に恵まれました。父の背中を見て育ったのか(?)長男、長女も自衛官として同じ道を歩いています。
 子供たちそれぞれも子を授かり、私も「バァーバ」と呼ばれるようになりました。長男は近くにいるので、よく孫は遊びに来てくれます。「バァーバ」と両手を広げて駆け寄って来る姿を見ると、どれだけ疲れていようが、どれほど体調不良であろうが、一発で完治。まさに医者いらずです。孫3人の太陽の様な笑顔に囲まれている時の幸せといったら何にも代え難きものです。これほどまでに愛しいものが存在したなんて、これは究極の愛そのものです。
 今まで我が子を心から大切な宝物と想っていましたが、この想いを越えるものが今、私の中に存在しています。現在、長女は福岡より里帰り中で、この数ヵ月間毎日、孫娘を世話している最中ですが、首が据われば大喜び、寝返りすれば大騒ぎ、ビデオ回し、写真撮りと少しの変化に一喜一憂の毎日です。買い物に出かける度に、あれもこれもと買ってしまう有様。親バカならぬ孫バカ(?)状態。ここまで私を癒してくれる孫たちを見せてくれたことに対して、子供たちには心から「ありがとう」を連呼です。生きていると大なり小なり様々なことがありますが、3個の"太陽スマイル"ですべて帳消し、私の精神安定剤なのです。
 主人と2人の生活から4人家族となり、そこから婿、嫁、3人の孫…人間の出会いや生命の凄さを改めて実感中です。
 孫たちが元気に逞しく成長することを心から祈って、バァーバはずっと先まで見守り応援し続けます。時に力になり、励まし、これまでの人生のあらゆる経験から知恵を絞りつつ、多くのことを学ばせられたら…そんなことを密かに思い巡らせ中です。
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やさしいお父さん
国分駐業務隊 塩川幸樹1陸曹の家族 専門学校生 塩川恵利
 私のお父さんは自衛官なので、今まで何回も引っ越しと転校を経験しました。幼稚園・小学校・中学校それぞれ2ヵ所ずつ通いました。学校に慣れて、仲良しの友達ができた頃には転校だったので、すごく辛い思いをしてきました。だけどその分、友達はたくさんできたし、九州は沖縄以外いろんな所に遊びに連れて行ってくれたので、本当に感謝しています。
 久留米では、筑後川で手長エビ釣りをしたり、花火大会を観に連れて行ってくれたり、プール遊びや山でカブトムシを捕りに行ったりしました。熊本では、阿蘇ファームランドに行ったり、動植物園に連れて行ってくれたり、家族をドライブに連れて行ってくれる優しいお父さんです。たまに「七夕には天の川を見に行こう」なんてロマンティックな部分もあります。
 現在、都城に住んでいるので、鹿児島県霧島市まで毎日通勤しています。朝は5時に起きて家族のために頑張っています。たまにお土産も買って帰って来てくれます。これからも体調に気をつけて、お酒の飲み過ぎにも注意して、お仕事にも頑張ってもらいたいです。
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リタイアをバネに
第8普通科連隊(米子) 陸士長 種田 愛
 私がトライアスロンを始めようと思ったきっかけは父親がやっていたからです。
 幼い頃、父と母と妹と一緒にゴールしたあの瞬間は、今でも鮮明に目に焼き付いています。その時からずっと「大人になったら私もする!」と思っていました。
 自衛隊に入隊し米子駐屯地、8連隊に配属になり、トライアスロン部を発見し、即入部を決めました。部員の一人である山口2尉とは休日にバイクの練習をし、沢山鍛えてもらい、今では坂道を登るのが苦ではなくなるくらいになりました。
 昨年、大会でリタイアになった時、今までやってきた練習がすべてゼロになってしまったような気持ちになりましたが、多くの人から叱咤激励を受け、このリタイアをバネにして再び挑戦しようと決心しました。
 そんな沢山の支えがあり、出場した今大会(全日本トライアスロン皆生大会)は無事完走することができました。これも本管中隊をはじめ補給小隊、銃剣道訓練隊、先輩、後輩、同期や家族のご理解とご協力、そして沿道の温かい声援があったからです。本当にありがとうございました。
 今後は更に練習を重ね、今年よりも早くゴールできるよう、より一層努力していきます。
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究極の大人の遊び
第9後方支援連隊(八戸) 1陸曹 滝澤大輔
 釣りを始めて約20年、始まりは先輩に渓流のルアー釣りを進められ連れて行ってもらってからだ。
 一緒に行った先輩は何匹もの魚を釣り上げていたのに比べ、私はルアーを枝に引っ掛けたり、根掛かりの連続でやっと12cmほどの岩魚を釣っただけ、酷く悔しい思いをした。
 そこから日々、ルアーを投げる練習を始めた。釣りに行けるときは川で、それ以外は家の前で、15m先のバケツにルアーを入れる練習を、四季を通して必死にやった。いつからか射程距離は20mを超え、思った所に思い通りの弾道で投げることができるようになった。
 川に立った時、すべてを忘れ釣りに集中し、全般の状況を判断、攻め方を組み立てる。自分の作戦がはまったときは魚の大きさに関係なく例えようのない充実感を味わい、年甲斐もなく興奮する。
 作戦通り釣れる、失敗して釣れない、すべての出来事が自分の責任。釣りは究極の大人の遊び、生涯やめることができない趣味だと思う。
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「兵士(戦闘員)を育てる」ということ
第46普通科連隊(海田市) 准陸尉 小笠原薫
 私が本職に上番以来、考えていることの一端を紹介したいと思います。皆さんもご承知のとおり、最先任上級曹長の役割の中に「曹・士の育成」があります。私は連隊の最先任上級曹長の職に就いて連隊の陸曹・陸士の教育訓練に関わる機会が増えました。特に履修前教育を担任する任務を与えられ、教育を通じて人を育てることの難しさを痛感しています。また我々の仕事は、社会人として徳のある人を育てるとともに国家有事の際は、敢然と戦うことのでき得る戦闘員を育てることを主眼としている為、戦場を見据えた教育が不可欠であると考えています。
 私は一昨年渡米し、米軍の新兵教育の現場を研修する機会を得ました。訪れた米軍基地は、全米の約50%の新兵教育を担当する組織であり、年間約5万人の兵士を育て戦場に送り出しています。その中において米陸軍の新兵教育の主眼は、あくまで戦場で即戦える兵士を育てることであり、民間人を完全に戦闘員へ変えることが前提になります。なぜなら平時では、一見良い人でも戦場において無意識のうちに仲間に危害を及ぼす恐れがあったり、恐怖に狼狽して戦闘できない又は戦闘技術の未熟による戦闘への不参加等あってはならないからです。米軍の教育の考え方は、戦場で部隊として個人として戦闘力を最大限発揮でき得る隊員を育てるとともにその中にあっては、自ら考え行動できる兵士を育てることを重視しており、様々な教育現場において掲げている教育指標は、「隊員のリーダーシップの発揮」と「チームワークの醸成」でした。 教育の基礎段階において戦場での戦闘序列の変化に伴い、例え新兵であっても小部隊等を指揮する事も考えられることもあることから教育初期段階から徹底してリーダーとなりうる人材を見出し、自覚を促すとともに人種及び育った環境の違いが大きい米国特有の環境において自分勝手な人間を矯正指導し、協調性ある人間を形成していくため、チームとして総合発揮できるように訓練することを重視しています。
 これらのことから真の兵士とは、彼我交錯した戦場において仲間を助け、例え劣勢な状況においても冷静な判断と一歩前へ前進する気概を持つとともにマインドのスイッチが入れば戦闘マシーンになり得る「戦闘員」を育てることにあると感じました。
 我が国の取り巻く環境は以前に比して複雑であり、「いつ」「何処で」「何が」起きるか予想のつかない状況にあり、今後の自衛隊に与えられる任務は、周辺事態対処を含め、冷戦期においては予想もしなかった有事での任務も真剣に考えなければならない状況にあると思います。起きてはならない事態に対して心身及び戦闘技術の伴った隊員の育成が急務であり、まさに米軍のような完全な戦闘員を育てるプロセスが不可欠になると思います。また我々の敵となり得る国を認識して陸曹・陸士レベルにおいても情勢認識を保持し、情勢の変化に対応でき得る隊員教育を実施するとともに現場の訓練においても「敵は誰なのか」「敵の可能行動は?」等、常に敵を意識した訓練に努める必要があると思います。
 今後私は可能な限り、与えられた教育現場において、将来の陸上自衛隊を担う隊員達に対して起きてはならない事態が起きた場合においても怯むことない「覚悟」と「戦闘技術」を備えた戦闘員を育てることを念頭においた教育に努めたいと思います。

「頑張っています」新しい職場
活躍するOB シリーズ
三井不動産ビルマネジメント(株)安藤 孝彦
気力、体力と気遣いの精神で
安藤氏は平成22年9月、海自航空集団司令部
海上航空運用支援室操作運用班を准海尉で定年退職。57歳

 私は平成22年9月27日付で、海上自衛隊航空集団司令部を最後に定年退職しました。自衛隊在職中は当直制の職場が多かったため、再就職は日勤を希望して自分のフィールドを広げようと考えておりましたところ、おかげさまで三井不動産ビルマネージメント株式会社に再就職でき、早いもので入社から3年目を迎えております。
 当社は総合ビル管理会社であり、私は設備点検業務に従事しています。主に渋谷、原宿地区にある18棟のビルを月に1回の割合で巡回し、テナント内の空調機フィルターの点検整備および電球などの交換並びに水回りの点検作業をしています。
 これらの作業はテナント内各企業が就業中に作業をするため、工具の落下防止、塵埃遊防止などに細心の注意を払う必要があります。そして、作業開始前後には必ず「作業を開始させていただきます」「作業終了しました。ご協力ありがとうございました」といった報告と作業の協力に対する感謝の気持ちを欠かさないようにしています。
 自衛隊勤務で培った特技を、再就職の現場で生かせる仕事はそれほど多くないと思いますが気力、体力および気遣いといった基本的なことは、どのような再就職先でも共通して生かしていけるものと思います。
 再就職について、私から皆さんにアドバイスさせていただくとすれば、第一に健康であること。第二に人間関係の大切さを知ること。第三にストレスをためないようにすること。第四にやる気を持って仕事に臨むことです。
 私は仕事で難問にぶつかった時は、先輩や同僚に相談し、必要なことは常にメモを取るようにしています。そして上司には誠意をもって接し、同僚とは仲良くすることが肝心です。多くの人がかかわり合って仕事をしていますので、素直で前向きに行動することが望まれます。
 皆さんには、これまで培った気力、体力、気遣いの精神を持って再就職に臨んでもらいたいと思います。


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