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自衛隊ニュース   2013年10月1日号
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オリンピック成功へ全力
「全隊員が参加の気概で」
防衛省・自衛隊が特別委員会設置

 東京オリンピック開催決定を受け9月10日、五輪への防衛省・自衛隊としての取組強化を目的に、小野寺五典防衛大臣を委員長とする第1回「防衛省・自衛隊2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会特別行動委員会」が開かれた。
 小野寺大臣は冒頭の挨拶の中で「しっかりと日本の安全保障、安全な環境を今後とも維持し、7年後に無事にオリンピックを開催できるよう日本の安全、日本の平和な社会をアピールすることが何よりも大切だと考えている。 自衛隊員すべてがオリンピックに参加しているという気概の下、これからも日本の安全保障のために全力で働き、大会の成功に向けて努力していきたい」と述べた。
 次に、関係者として出席したロンドン五輪レスリング金メダリスト米満達弘2陸尉が、今回の東京招致とレスリングの競技種目存続への協力について感謝の意を述べた上で「自衛官アスリートとして東日本大震災の被災地などで、オリンピックの理想と素晴らしさを広める活動にも参加し、東京五輪成功に向け貢献していきたい」と話した。
 その後、黒江哲郎官房長や関係局長から防衛省・自衛隊のオリンピック・パラリンピックでの会場(陸自朝霞訓練場)の使用、そのほかの競技運営と警備など安全対策への協力、さらには競技者の育成などについて報告があった。


初出場初優勝の快挙
陸自高工校生徒が全国高校軟式野球選手権大会で

 全員が陸上自衛隊高等工科学校(学校長・菊池哲也陸将補)の生徒である神奈川県立横浜修悠館高校軟式野球部は、地区大会の激戦を勝ち抜き南関東代表として第58回全国高校軟式野球選手権大会に出場し8月30日、兵庫県の明石トーカロ球場で行われた決勝で四国代表で愛媛県の新田高校を3—2で下し、初出場初優勝の快挙を成し遂げた。
 生徒たちは陸自高等工科学校に入校と同時に、提携している通信制の横浜修悠館高校にも入学、全日制高校の各種大会には横浜修悠館高校として参加している。参加466校の頂点に立ち、陸自高等工科学校の名前を県内外に轟かせた。
 決勝戦では1回裏に先制するも直後の2回表に逆転を許した。1対2で迎えた6回裏、3年生の黒田裕貴のタイムリーヒットで同点に追い付き、延長11回裏2死2塁から村野孝成のライト前ヒットにより走者の松浦翔也が生還しサヨナラ勝ちを呼び込んだ。「どうすれば勝てるのか」と選手自身が冷静に考え、確実に行動した。その結果が初出場での全国制覇という成果に結びついた。
 茂木皓太主将は「チームで戦ってきたことをこれからに活かしていきたい」と先を見据えている。エースの鮫島孝太投手は延長10回表に右足がつるアクシデントに見舞われたが、怪我や不調の時も支えてくれたチームメートに恩返ししたいという一心で投げきった。「仲間と野球をできることが楽しくて、ピンチのときも笑顔で投げた」と話す。
 本校の防衛教官を務める丸山王明監督は「最後まで気持ちで負けなかった」と卒業後、自衛官となる選手に、最大級の賛辞を贈った。「集団生活を経験し、野球を通じて人間が形成されることが、自衛官にもつながっていく」と教え子の将来を楽しみにしていた。
 今後、野球部は9月29日から10月2日までの4日間、東京都(八丈島)で開催される国民体育大会高校野球軟式の部へ出場する。激励やエールを受け、来る戦いへ新たな闘志を燃やしている。


今年も大会新記録が続々誕生
全自陸上
山下伸一2陸曹(滝ヶ原)男子1万メートル4連覇!

 第17回「全自衛隊陸上競技会」(大会会長・小野寺五典防衛大臣)が9月11日、体育学校(朝霞)で行われ、全国の陸海空自から選ばれた約500名の選手が参加した。
 今年も強豪選手が揃い、全種目の約3分の1、6種目で大会新記録が生まれた。中でも「男子走幅跳」では佐藤崇3陸曹(第71戦車連隊=北千歳)が7m18、これまでの記録よりプラス15?の好記録で優勝し大会最優秀選手に選ばれた。「女子ソフトボール投」では13位まで、「男子ソフトボール投」も4位まで大会新記録となった。
次は日本選手権で
トップ選手と勝負
 自衛隊最強の長距離ランナーを決める「男子10000m」は山下伸一2陸曹(普通科教導連隊=滝ヶ原)が序盤から他の選手を圧倒。"山下劇場"の展開となり見事4連覇を達成した。
 山下2陸曹は本紙の取材に「昨年は夏場のレースで体調を崩してしまったが、その失敗を教訓に今年は良い練習ができた。4年連続で円谷賞(この種目優勝者に授与)を受賞し大変光栄に思う」と述べ、「来年6月の日本陸上競技選手権に出場し、トップ選手と勝負できるようにしたい」と抱負を話した。そして「優勝は司令はじめ駐屯地の隊員の支えと、現地まで応援に来ていただいた中隊の皆様のおかげ」と感謝した。
 "陸上競技の華"リレーの男子4×100mと4×400mはともに防衛大学校が制した。4×400mは前々回優勝の防大と前回優勝の第1空挺団(習志野)が激しいトップ争いの末、両チームとも大会新記録をマークした。
 40歳以上の部では「男子5000m」で三宅雅土2陸曹(50普連=高知)が最初の一歩からトップをキープし、最後まで"ぶっちぎり"で優勝した。

 【種目別優勝者】
 〔男子〕▼100m=中山十五(陸士長、高知・第50普通科連隊)▼200m=仙石真人(3空曹、入間・飛行点検隊)▼400m=北川直秋(3陸曹、久居・第33普通科連隊)▼800m=八谷弘樹(学生、横須賀・防大)▼1500m=伊藤文彦(3陸曹、山口・第17普通科連隊)▼1500m(40歳以上)=川口譲治(陸曹長、旭川・第2特科連隊)▼3000m=佐竹一弘(陸士長、別府・第41普通科連隊)▼3000m(40歳以上)=桜井史(陸曹長、北富士・部隊訓練評価隊)▼5000m=大島禎央(3陸曹、高田・第2普通科連隊)▼5000m(40歳以上)=三宅雅土(2陸曹、高知・第50普通科連隊)▼10000m=山下伸一(2陸曹、滝ヶ原・普通科教導連隊)▼4×100mR=防大・横須賀、学生(田尻純平、小林瞬、荒川大、安田雄太)▼4×400mR=防大・横須賀、学生(中野翔平、加太宏明、山本裕之、八谷弘樹)▼走幅跳=佐藤崇(3陸曹、北千歳・第71戦車連隊)▼ソフトボール投=荒木克(陸士長、朝霞・第104全般支援大隊)
 〔女子〕▼100m=佐々木美歩(3陸曹、霞目・東北方面輸送隊)▼3000m=松谷里紗(陸士長、宇都宮・第12特科隊)▼走幅跳=福田聖子(陸士長、滝ヶ原・普通科教導連隊)▼ソフトボール投=澤岡梓(陸士長、桂・中部方面輸送隊)


"慰問の歌姫"内田あやさんが道東で熱唱
1000万本のコスモスに迎えられ遠軽自衛隊音楽隊と共演

 1000万本のコスモスが迎えてくれる北海道・遠軽町のコスモスフェスタが今年も開催された。道東の名物イベントとして11回を数え陸自遠軽駐屯地(司令・遠藤充1陸佐)でも第1回の始まりから毎年支援をおこなっている。
 会場の太陽の丘公園、18ヘクタールに赤、ピンク、黄色、白のコスモスが咲き誇っており、その真ん中の芝生会場に音楽演奏のステージが設置され、朝8時に来た人や兵庫県からのリピーターさんたち約5000人(役場職員)が芝生のアリーナに陣どっている。
 遠軽町のメインストリートには愛称「連隊通り」の旗も取り付けられ、自衛隊との交流は極めて良好のようだ。今回のフェスタにも25連隊の遠軽がんぼう太鼓同好会がオープニングの「響」を打ち鳴らし盛大な拍手が送られた。つづいて遠軽自衛隊音楽隊(松本政和隊長)が登場、公園いっぱいに響きわたる演奏にギャラリーや出店の人たちも一緒になって拍手を送っていた。
 つづいて25普連がハイチに6次隊として派遣された時に慰問に行った内田あやさんが登場した。内田さんは5次隊、7次隊の時にも慰問を行っており、一昨年にはCRFから感謝状も贈られている。
 同音楽隊にはハイチで合奏した隊員もおり内田さんとの呼吸もバッチリ。内田さんのヒットナンバー8曲を披露した。ギャラリーも内田さんのハイチでの裏話や爽やかな声とパフォーマンスに大喜びで盛大な拍手を送っていた。
 内田さんは8月29日には神奈川県座間市の中央即応集団の陸将・日高政広司令官を表敬訪問しており、ここでもハイチの戦友(?)を交えて司令官らと懇談した。さらに新装なった大講堂では200人の隊員を前に同行の山中条氏のアコースティックギターの伴奏でハイチで歌った曲を披露した。


雪月花

 オリンピックの東京開催のニュース、早朝4時に起きてテレビをつけた。プレゼンテーションを行う安倍総理、こんなに英語がお上手だったのかとびっくりした。にこやかに腕を振りながら終始笑顔も絶やさない、我らの総理をちょっと見直した。滝川クリステルさんも素敵だった。もともとこのようなステージは本職だから当然と言えば当然だがフランス語もなめらかで落ち着いている、左手でタクトを振るように「お、も、て、な、し」とやった時には会場もどよめいた。「おもてなし」を英語やフランス語ではどのように通訳したのか聞いてみたいが気持ちが伝わったことは間違いない。佐藤真海さんは前回パラリンピックの陸上選手だった。スポーツの力を訴え途中感情が昂ぶって涙ぐむ場面もあったがかえって良かった、前日までリハーサルを繰り返した効果は十分過ぎる。他の人たちはこま切れの映像でしか見れなかったが評判は上々、それぞれの任務は十分に果たしたようだ。それにしても東日本大震災への支援の謝意を述べられた高円宮久子さまには魅了された。羽田をご出発された時の普通の女性の雰囲気とは一変、これぞロイヤルファミリー。高貴とさわやかさ、親しみが伝わる。会場の外国人よりもテレビを見ている日本人の方が感動したのではあるまいか。IOC総会へ出席した人たちのみならず日本人みんなで招致した2020年オリンピック、1964年以上の感動を味わいたい。


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