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自衛隊ニュース   2013年3月15日号
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ベトナムのPKO研修を受入れ
24年度3回目の能力構築支援
初の招聘事業

 防衛省は、3月5〜8日にベトナムへの能力構築支援を行った。
 2013年に予定されている初のPKO派遣を目標に準備を進めるベトナムの要望を受け、PKO分野におけるベトナム側の実務レベルの担当者である、同国防省軍医局長ヴー・クォック・ビン少将以下6名を招聘。
 防衛省でのブリーフィング、朝霞駐屯地の陸自CRF司令部、宇都宮駐屯地の陸自中央即応連隊、目黒地区の統合幕僚学校国際平和協力センターでの研修を通じて、自衛隊が20年間にわたる経験から保持するPKO分野の各種ノウハウを提供した。
 5日は、防衛省で、防衛省国際政策課による日本のPKO関連法案などの説明と、陸自によるPKO派遣に至るまでのプロセスなどの説明が行われた。6日は、CRF司令部でCRFの概要や派遣部隊の運用の説明、PKO関連の装備品展示があり、中央即応連隊では連隊の概要や即応態勢の維持などに関する説明、現地活動を想定した野外訓練研修などが行われた。7日は、国際活動教育隊の幹部課程教育訓練の集大成である指揮所演習を研修し、8日は、統合幕僚学校で国際協力センターの概況説明、防衛省で意見交換が行われた。
 今回のベトナムからの研修受け入れは、24年度から本格的に始まった防衛省の能力構築支援事業において、当該国からの招聘事業としては初の試みとなった(東ティモール、カンボジアにおける支援事業は防衛省からの要員派遣)。


エストニア国防軍司令官初来省
岩崎茂統幕長と懇談
NATOのサイバー防衛センター等テーマに

 エストニア共和国国防軍司令官のリホ・テラス陸軍少将が、日本政府の招聘により来日し、7日、同国国防軍司令官として初めて防衛省を訪れ、岩崎統合幕僚長と懇談を行い、防衛分野において対話等を通じて日エストニア両国の関係の発展に貢献していくことなどについて認識を共有した。
 懇談の中では、自衛隊とエストニア国防軍双方の関心事項について意見交換を行った。特に、先方からは同国に所在するNATOサイバー防衛センター(CCDCOE)※の概要等、エストニア国防軍のサイバー防衛分野への積極的な取組みについて説明を受けた。 
※サイバー防衛の分野で国際的なイニシアティブを発揮。2008年、タリンに設立


1年に11校150名を受け入れ
霞目駐屯地の中学生職場体験

 霞目駐屯地(司令・椿裕一1陸佐)は、平成24年度に11校約150名の中学生の職場体験を受け入れた。東日本大震災以降、自衛隊への期待感の高まりを示すかのように、多くの中学校から依頼があった。受入れ能力の限界から、何校かは断らざるを得ない状況だった。職場体験は見学の他、ほふく前進や格闘など体験を中心としたメニューで構成しており、リピーター校も多かった。広報室員が認識を新たにしたのは、目立たない場所で待機している赤い消防車と展示用の61式戦車の人気が高いこと。部外者の目線で見ることの大切さを改めて感じた。
 また、このようなエピソードも。昨年8月に上番した広報室長は現役のヘリコプター操縦士。東日本大震災時は夜間暗視ゴーグルを使用して、小学校屋上から孤立者を救助した経験があり、テレビなどでも取り上げられた。ある学校を受入れた際、広報室長がいつものように当時の様子を説明していると、「自分もヘリコプターに助けられました!」という生徒が数名いた。卒業式予行を終わり帰ろうとしていたところを震災が襲い、そのまま小学校屋上に取り残されたという。広報室長は偶然の再会に目を潤ませていた。


エゾシカ捕獲に協力
第27普通科連隊

 第27普通科連隊(連隊長・眞部和徳2陸佐=釧路)は、3月1日から3日までの間、釧路管内白糖町の国有林において、北海道が実施する「エゾシカ捕獲事業」に協力した。
 同事業協力は、民生安定への寄与と、積雪寒冷地における部隊行動の向上を目的とした3年目の取組みであり、今年は過去最高の113頭を捕獲した。
 同事業は、農林業や交通機関などへの被害が深刻化するエゾシカ対策として、道、林野庁、白糖町及び地元猟友会と自衛隊が連携して、短期集中的にエゾシカを捕獲しようとするものであり、協力隊長(第1普通科中隊長・田中1尉)以下54名の隊員は、5者一体となって、現地での連絡・調整やヘリコプターによる情報収集、深い雪を克服しての捕獲した鹿の運搬などを行った。


スキー大会の支援で競技者の誘導を担当
島松

 島松駐屯地(司令・熊本義宏陸将補)は2月17日、恵庭市畜産共進会場及び北海道大演習場で開催された「第25回恵庭クロスカントリースキー大会」の支援を行った。
 大会へは恵庭市所在の3個駐屯地(北恵庭・南恵庭・島松)がそれぞれ支援しており、島松駐屯地支援隊は誘導班として9名(北海道補給処7名、北部方面後方支援隊2名)の隊員が、コース上を爽快に走る競技者の誘導を担当し大会運営に協力した。
 また、大会長の原田裕恵庭市長から市内3個駐屯地の永年に渡る支援に対し感謝状が贈られた。


航空機体験搭乗に地元住民等を招待
三軒屋

 三軒屋駐屯地(司令・田中良典2陸佐)は、2月17日、航空機体験搭乗を実施した。体験搭乗には、駐屯地協力会会員や地元町内会のほか、報道関係者を招待し、岡山市上空約20分間のフライトを楽しんでもらった。
 体験搭乗後、「全然揺れることがなく、乗り心地が最高だった」、「家も車もおもちゃみたいだった」といった感想があった。
 三軒屋駐屯地は、「いつも自分の暮らしている街を上空から見るという貴重な体験をするとともに、自衛隊の装備品UH—1の概要を理解してもらうことができ、地域住民や報道関係者との信頼関係をより深め、連携の強化を図れたのではないだろうか」としている。


大阪、神戸、八尾で相次いで不発弾処理
第103不発弾処理隊

 第103不発弾処理隊(隊長・高畑康彰3陸佐=桂)は2月3日、昨年12月20日に大阪市北区長柄東の工事現場で発見された米国製の2、000ポンド普通爆弾(1トン爆弾=長さ約1・8m 直径約0・6m)の、不発弾の処理・撤去を実施した。
 当日は処理現場から半径約300m以内の避難地区(立入禁止地区)に住む住人約2800世帯(約6000人)が避難場所(指定された小学校等)に避難し、午前9時、第103不発弾処理隊の処理班長以下4名により処理を開始、約4時間をかけ、無事に爆薬を取り除き、不発弾の安全化・回収を実施し任務を完遂した。今後も、失敗の許されない任務であることに誇りと緊張感をもって任務に邁進する。
 また、17日は神戸市東灘区、24日は大阪府八尾市において、それぞれ米国製500ポンド爆弾の処理を実施した。


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