防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   2012年10月1日号
-
1面 2面 3面 4面 6-7面(PDF) 9面 10面 11面 12面

防衛交流推進の重要性を確認
岩崎統幕長と比国陸軍参謀総長が共同発表

 岩崎茂統合幕僚長の公式招待を受け、フィリピン国軍参謀総長・ジェシー・デロッサ陸軍大将が9月20日、防衛省を訪問した。
 デロッサ大将は、統幕長と共に栄誉礼・特別儀じょうを受けたあと統幕長室を訪れ懇談に臨んだ。その後、森本防衛大臣を表敬し同夜は夕食会に出席。翌日以降、松島基地の部隊研修や石巻地域の被災地視察などのスケジュールを消化した。9月22日には、統幕長とデロッサ大将による共同プレス発表があった。以下、抜粋。
・日比防衛当局間の緊密な関係が両国の安全保障及びアジア太平洋地域の平和と安定に極めて重要であるとの認識を共有
・多国間枠組みでの協力を重視し、PKO、人道支援・災害救援及び海上安全保障等の防衛分野において国際社会の平和と安定のための協力を更に強化することが重要であるとの点で一致
・日比防衛協力・交流に関する意図表明文書の意義を強調するとともに、同文書に基づく防衛交流事業に取り組むことにより、自衛隊と比国軍との協力を今後更に発展させることが重要であるとの認識を改めて共有


米国での実動演習が始まる
ワシントン州ヤキマで訓練開始式

 米国ワシントン州ヤキマ市にあるヤキマトレイニングセンター(YTC)で9月4日、平成24年度「米国における米陸軍との実動訓練」(雷神2012)の訓練開始式が行われた。
 第2師団副師団長・手塚陸将補、第1軍団副軍団長ブキャナン少将らの立ち会いのもと、訓練実施部隊の第3普通科連隊を基幹とする第3戦闘団(戦闘団長・岡部勝昭1陸佐)約450名と第38騎兵連隊第3大隊(大隊長マーク・エイケン中佐)約400名の精鋭が参加した。
 岡部1陸佐は「東日本大震災における在日米軍の尽力に感謝する。また双方の部隊がより練度を向上させ、精強な部隊を目指し、さまざまな交流を通じて相互理解と信頼を深め、日米同盟の絆がより一層深まることを希望する」と述べ、エイケン中佐は「訓練の成果を修めることはもとより、日米の絆をより一層深めるとともに、安全管理に留意し事故なく、この訓練を終えよう」と、互いにこの実動訓練の成功を誓い合った。
 8月24日に1次隊47名、26日には2次隊80名がヤキマ入り、車両や装備品を受け入れるなど実動訓練の基盤整備を着々と行ってきた。8月31日に主力が到着、9月3日には訓練準備を完了し訓練開始式を迎えた。
 今回の実動訓練は、日米それぞれの機能別訓練、相互研修、共同訓練、相互連携を強化する総合訓練など9月下旬まで行われ、10月初旬に帰国する予定。


「横断的な"絆"を強固なものに」
部隊研修などで日米下士官交流

 統幕最先任下士官・小畑良弘准陸尉、最先任付・熊坂弘樹空曹長ら14名は8月28日、在日米空軍のマッキンタイヤー最先任上級曹長ら3名と日米下士官交流として部隊研修を行った。
 米最先任上級曹長らに対し、陸上自衛隊下士官教育の現場を紹介することが目的。
 小畑准陸尉とマッキンタイヤー最先任上級曹長の懇談の中で発案されたもので、第3陸曹教育隊(板妻)と国際活動教育隊(駒門)の協力により実現した。
 関東近傍の陸自(CRF、富士学校などの最先任上級曹長ら4名)、空自(空幕、空自部隊の准曹士先任8名)からも研修参加の申し出があり、総勢17名の参加となった。
 第3陸曹教育隊は東部方面隊に所属する陸曹候補生、初級陸曹、上級陸曹、最先任上級曹長に対する教育を担任し「俺に続け! 俺を見よ!」を合言葉に活気ある教育を行っている。国際活動教育隊はPKOなどで海外派遣される部隊および隊員の教育訓練を担任し、最新の情勢に基づき実戦に即した教育を行っている。
 いずれにおいても参加者らは隊員のチームワークや士気の高さに感銘を受けるとともに、下士官教育について活発な意見交換がなされるなど、充実した研修となった。
 また、在日米軍を含む有志13名による富士登山を敢行。房総半島まで見渡せる好天に恵まれ、全員が登頂に成功した。
 小畑准陸尉は「(富士登山では)登頂に至る苦労や御来光の感動を共有することなどで一体感も生まれ、無事に交流を終了した。今後も日米下士官交流を計画し、各軍種の横断的な絆を強固なものとし、ひいては日米同盟関係の発展の素地作りに寄与していきたい」と話した。


大震災から復興へ祈りを込めて
空自松島が地元の祭りに協力

 空自松島基地は8月25日、「感謝祈りそして未来へ」をテーマに行われた「東松島夏祭り2012」に基地をあげて協力した。
 午後2時から開会式が行われた後、昨年の「元気フェスタ」から1年ぶりにブルーインパルスが東松島上空に姿を見せた。祭り会場で待っていた市民や航空ファンの大きな歓声で出迎えられ、会場上空に「ワイド・ローパス」「サンライズ」「さくら」など7課目の演技を展示した。
 祭り会場の駅前通りに自衛隊ブースが設けられ各群及び所在部隊が、趣向を凝らした展示内容で祭りを盛り上げた。
 今回の夏祭りでは、ブースから行事の最後を飾る花火打ち上げに至るまで、各種行事に隊員たちが支援を行った。
 行事の最後、午後7時から慰霊の花火約7000発が打ち上げられて、約3万人の人出となった東松島夏祭りは幕を閉じた。


「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
弘済企業(株) 横山克彦
まず実行に移すことが大切
横山氏は平成23年7月、第83航空隊整備補給群補給隊を3空佐で退職。55歳

 私は、平成23年7月に第83航空隊補給隊(那覇基地)を最後に定年しました。航空自衛隊に約33年間勤務し、定年後は何らかの形でお世話になった自衛隊のお役にたてれば…と思っていました。
 就職難のこの時期に、再就職などできるのだろうかという不安がありましたが、援護業務課から弘済企業株式会社への入社のお話がありました。仕事の内容は、保険業務とのことでした。はたして、自分に保険の仕事などできるのだろうか、全くの未知の世界に大変不安を感じましたが、「当社は、防衛省職員・家族の福利厚生、自衛隊の戦力維持及び退職隊員の福祉に寄与する…」という会社の経営理念を知り、私の思いに通ずるものを感じ入社を希望しました。
 入社してまだ1年しか経過しておらず、仕事に対してはこれからというところですが、毎日悪戦苦闘しながらも少しずつ仕事を覚えてきているところです。
 業務内容は、三井住友海上火災保険株式会社の団体傷害保険等の諸手続き及びアメリカンファミリー生命保険会社(アフラック)の主としてがん保険関連です。隊員(お客様)の方々が来られて、保険の内容等を説明するときなどは緊張します。
 苦労しているところは、覚えなければならないことが多いことです。保険の内容は勿論ですが、契約に関するパソコン操作及び各種書類の作成や記入要領等、種類が多く、慣れるまではまだまだ時間がかかりそうです。
 また、相手がお客様なので、今まで隊員指導等で接してきたのとは全く異なり、これまでの経験を生かすことができず、ぎこちなさがあり一日も早く自然体で接することができるよう意識して対応しています。
 今一番強く感じていることは、やはり経験が何よりも大切ということです。現在、経験が浅いので辛い思いをしていますが、避けては通れないこの時期をじっと我慢して通過しなければなりません。現役時代に培った忍耐力で、前に立ちはだかる厚い壁を打ち破ろうと思っています。
 最後にOBとして一言述べさせていただきます。定年後は可能であれば在職時の経験や知識を生かせるところに就職することですが、現実はなかなかそうはいきません。不安があるのは当然です。あれこれ悩む前に、まず実行に移すことが大切だと私は感じました。一歩前へ踏み出せば、あとは何とかなるという気持ちで頑張って欲しいと思います。


NEXT →
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2014 Boueihome Shinbun Inc