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自衛隊ニュース   2012年4月15日号
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司令部が米軍横田基地内に移転
運用開始
「共同統合運用調整所」を設置
航空総隊

 航空自衛隊の戦闘機部隊、高射部隊、警戒管制部隊などを指揮する航空総隊(司令官・齊藤治和空将)の司令部は3月26日、アメリカ第5空軍等が所在する米軍横田基地内に移転し運用を開始した。米軍との防空・ミサイル防衛の情報共有・連携強化が目的。司令部庁舎地下に「共同統合運用調整所」を設置。米軍とリアルタイムで情報共有を図る。空自、米空軍は各指揮下で運用を実施する。
 この日行われた運用開始行事で、齊藤司令官は今回の移転について「防空、弾道ミサイル防衛に関し米空軍第5および第13空軍司令部との間で日々の途切れることのないフェイス・トゥ・フェイスでの連携の強化や、日米のより実効性ある抑止力および対処力の向上に資することができるというものであり、安全保障上、極めて重要な意味を持つ」と述べた。
 府中基地から移転したのは総隊司令部、作戦情報隊、防空指揮群などで、隊員数は約800名。厚生棟や隊員約200名が居住する隊舎も設置されている。


158名が入省式に臨む
T種35名、U種123名

 防衛省は4月2日、入省式を行った。今年度、入省したのは国家T種35名(事務官12名、技術系23名うち国Tが6名で防衛省T種が17名)、国家U種123名の計158名。女性は46名で4名が国家T種事務官。
 田中防衛大臣は訓示で昨年の大震災にふれたあと「『国家危急のときは防衛省・自衛隊が最後の砦』という国民の期待を我々は自覚しなければならない」とし「防衛省・自衛隊は高い志をもった優秀な職員がますます必要となっている。その中心となるのは諸君である。強い責任感をもって職務に取り組んでほしい」と話した。
 入省者全員の名前を読み上げたあと辞令交付、入省者の服務の宣誓(いずれも代表者は福井倫行さん=国際政策課に配属)と続き、金澤事務次官は説示で「幅広い視野と豊かな発想力を備え、多様な考え方に謙虚に耳を傾けた上で判断を下す行政官になってもらいたい」と話した。
 式の終了後、取材に応じた稲田昌彦さん(防衛政策課に配属)は「防衛省・自衛隊を取り巻く環境は厳しさを増し、期待される役割も大きくなっている。非常にやりがいを感じる」と話した。また、山本未央さん(装備政策課に配属)は「きょうから生き方、責任、立場が大きく変化することを実感した。『日本の防衛のためにどういった価値を提供できるか』という大きな視点を忘れずに職務に取り組みたい」と話した。


冬の千歳川に浸かり不時着を想定し訓練
千歳基地

 千歳基地(司令・金古真一空将補)は2月20日、千歳川において保命訓練を行った。この訓練は、金古第2航空団司令をはじめ、2空団及び救難隊の隊員15名が参加。海上において航空機等が不時着した場合を想定して、毎年、夏(支笏湖)と冬(千歳川)に行われているものである。
 今年は、水温0・5度と例年に比べると暖かく天候に恵まれた訓練日となったが、実際に川に入り訓練をしている隊員達には、顔や足先、そして耐水スーツの隙間から入る水の冷たさに体を震わせ、厳寒の冬を全身で感じていた。
 訓練は、自力で救命浮舟に乗り込むところから始まり、自然の猛威を演出する救難隊員が訓練者の救命浮舟を揺らしたり、引っ繰り返すなど漂流中の波や強風などに対する緊急時保命法を再確認し訓練を終了した。


海外派遣ジブチからの便り
真の豊かさ
第1空挺団(習志野) 3陸曹 山口純司

 今までに写真やテレビ等でアフリカの国々の様子は知っていましたが、実際に現地に着いてみると、まず舗装されていない道路、そこを走っているボロボロの車が目に飛び込んできました。これを見て最初に感じたことは「日本人はとても恵まれた環境の中で生活している。日本人に生まれて本当によかった」「現地の人たちの生活はとても大変だな」ということでした。しかし、警衛隊として現地の人と接していくことで考え方が変わっていきました。それは、現地の人たちはとても明るく元気で、毎日をとても楽しそうに過ごしており、豊かさは経済的なものだけではないと思うようになったからです。
 もし今の日本人の生活水準が下がったとすれば、我々はそれを苦に感じる半面、逆に心は豊かになるのではないかとも感じました。
 このような日本では感じることのできないものを感じながら、日々成長し勤務に邁進しています。
 また、我々派遣海賊対処行動航空隊は、陸上及び海上自衛隊の隊員で構成されており職種、技能等も様々ですが、隊員同士が互いに日々切磋琢磨し職務を尊重しながら成長を遂げつつあります。
 日本の商船を洋上で直接護る護衛艦、上空からアデン湾を監視する哨戒機、そして彼らの安堵の地である活動拠点を護る我々警衛隊。この3者が協力し合うジブチでの活動を誇りに思い、任務完遂しようと考えています。

不測に備えて
第1空挺団(習志野) 3陸曹 葉山知一

 2月上旬、ジブチは冬にもかかわらず昼間は35℃を超えています。これから夏に向けて、ますます気温は上昇して過酷な状況になっていきますが、ここは空挺隊員として怯まずに淡々と任務を遂行していこうと思っています。
 私は第1警衛班の班員として、主に警戒任務に任じています。日本の常識が通用しない地で任務を遂行していくには、あらゆる不測事態を想定し、それに対してどう対処するかを常に考えていき、いわゆる「想定外」の事態を作り出さないように努力していく必要があると思います。例えば、侵入者ならばどのような行動をとるかを常に考えた警戒任務の実施等です。
 私はいかなる困難な事態においても第1空挺団における今までの訓練をもとに、自分を信じて、仲間とともにやるべき事を愚直にやっていきたいと思います。
 愛する家族と、訓練当初から支援して頂いたみなさんに感謝し、4ヶ月間空挺魂を胸にチームワークを大切にして任務に邁進していく所存であります。


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