防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2011年9月1日号
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原子力災害派遣活動医療業務に従事して
対特殊武器衛生隊 2陸佐 山本哲生

1 はじめに
 この度、東日本大震災に関連して発生した福島第一原発事故において、対特殊武器衛生隊は災害派遣活動を行いました。発災から約2ヵ月半経った5月末日現在までの活動内容について説明します。
2 発災〜出動
 3月11日の発災から15日までの5日間、我々の部隊は朝霞駐屯地で待機していましたが、与えられた任務は、「救護隊を結成し福島第一原発から約20kmの場所にあるJビレッジ(福島県楢葉町)において、ヘリや消防車で放水を行った隊員の被曝線量管理と救護支援をすること」でした。対特殊武器衛生隊は本来、生物剤傷者の対処部隊ですので、原子力災害に対する訓練に多くの時間をかけているわけではありません。そのため、以前、放射線医学総合研究所で研修し被曝医療に関する知識を多少有する私が1次救護隊長となり、渡邊3佐(放射線科)、救急救命士、放射線管理の資格を持つ陸曹の4名で3月16日午前9時2分、朝霞駐屯地を出発しました。
3 活動
 初めの3日間は、Jビレッジ駐車場の一角に中型車両を停車させ応急救護所を開設しましたが、その後東京電力と調整し、監督室を救護所に、ロッカールームを事務室兼宿泊所として利用しました。
 我々の任務の一つとして、放水活動等を行う隊員に対し事前に放射線に関する教育を行いました。これは、多くの隊員が急遽召集されたため、十分な放射線に関する教育を受けさせれば、更に安心して活動に専念できると考えたからです。今回の原子力災害派遣の円滑な任務遂行に、少しは寄与できたのではと自負しています。
 大量傷者等の発生時は、Jビレッジにいる医療関係者が皆参集して不測事態対処にあたることになっており、4月中旬頃からは、その検証のため患者搬送訓練を行いました。第2回目の搬送訓練では実員を用いて、原発からJビレッジまでは車両、Jビレッジから福島県立医科大付属病院までは自衛隊のCH—47ヘリコプターを使用するという大掛かりな訓練を企画、実行しました。5月末までに6回の訓練を行いました。
 我々の活動実績ですが、5月23日の段階で自衛官に対する健康診断が、のべ1248名、受診者が、のべ51名、放射線教育が、のべ108名を数えています。
4 おわりに
 今回の派遣は、我が部隊にとって貴重な経験でした。対特殊武器衛生隊は創隊から3年が経過し、その間、洞爺湖サミット支援、APEC支援等を実施しましたが、実際の災害派遣は今回が初めてです。かつて経験したことのない大規模原子力災害に試行錯誤しつつ、長期派遣を経験することにより、部隊としての経験値をかなり上げることができました。さらに、東日本大震災における10万人態勢の自衛隊派遣において、その一端を担うことができたことは、隊員皆、素直に自衛官になってよかったという感情を抱いたと思います。(6月8日以降、IAEAに長期派遣中)


インターハイ剣道大会出場校を激励
館山航空基地

 第21航空群(群司令・山本敏弘海将補)では7月26日、全国高等学校総合体育大会(インターハイ)剣道大会に出場する県立安房高校剣道部に対し激励を行った。安房高校は館山航空基地の近傍に所在する「文武両道、質実剛健」を校訓とする創立100年を超える伝統校で、剣道部は全国でも有数の強豪校であり、昨年度は春の選抜大会、夏のインターハイ、秋の国民体育大会で全国優勝を果たし、高校剣道史上初の三冠を達成している。また同校出身の隊員や在学中の隊員家族がいることから、館山航空基地とのつながりが深い。
 同校剣道部が、8月9日〜12日の間、青森県弘前市で開催されるインターハイに千葉県代表として男子・女子の双方ともに団体の部及び男子個人の部に出場することが決定したことを受け、館山航空基地所在隊員に対し芳志の賛同者を募ったところ、約5万円の寄付が集まった。安房高校剣道部保護者会の天野重彦会長、同応援支援室の諌山昌一室長が来隊し、基地隊員を代表して山本群司令が天野会長にインターハイでの連覇を祈念し、寄付金を手渡した。


横内1尉が剣道八段取得
盛大に昇段祝賀会開催

 横内良道1陸尉(補統、50歳)が5月1、2の両日、京都市体育館で行われた剣道八段審査会で見事合格、現役自衛官で4人目の最高段位の取得者となった。八段審査は、七段取得後10年以上修業し、かつ、満46歳以上の修練者を対象に年2回実施されており、毎回千数百人を超える受審者中、一次実技で90%が不合格となり、二次実技、形審査を経て最終的な合格者は毎回約1%にしか達しない最難関審査として知られている。
 横内1尉の剣道八段昇段を祝う会が7月9日、グランドヒル市ヶ谷で催され、自衛隊剣道連盟の幹部をはじめ関係者多数が出席し、横内1尉の快挙を称えた。里恵子夫人と娘の真実さん(高2、剣道二段)とともに出席者からの盛大な祝福を受けた横内1尉は「これからが本当の修業の始まりと心得、慢心することなく日々精進します」と力強く決意表明した。


ロンドン五輪 期待の星
オリンピックへカウントダウン
体育学校4選手が世界選手権代表に
ボクシング

〈シリーズ19〉
 プロボクシングの頂点はチャンピオンベルトだが、アマの頂点はオリンピックの金メダルだ。プロは3分12ラウンドだが、アマは3分3ラウンド。プロは1試合のタイトルマッチで王者が決まるが、アマのオリンピックは10日間にわたるトーナメントを勝ち続けなければならず、しかも計量は各試合前日に行われるため、試合をしながら減量し続けなければならない。プロとアマという言い方をしているが、過酷さや難しさは甲乙つけがたい。しかし、プロが多額の報酬と華々しさを持つが、アマは名誉という一瞬の華でしか報酬はない。それでも、オリンピックに魅せられたアスリートが火花を散らす時期がやってきた。ロンドンオリンピックまで1年。ボクシングの場合、オリンピック出場権は、最初に9月に行われる世界選手権で、ベスト8以上になった選手に与えられ、残りの枠を来年の1月以降、各大陸予選で争うことになる。やはり、トップ選手たちは世界選手権でオリンピックを決めたい。その日本代表選考会が、7月17、18日に西宮香風高校で行われた。自衛隊体育学校からはフライ級須佐勝明3陸尉、バンタム級清水聡3陸尉、ライトウエルター級川内将嗣3陸尉、ウエルター級鈴木康弘2陸曹が出場。結果的には4人全員が優勝し、それぞれ世界代表に選出された。
 須佐は、昨年のアジア大会で銅メダル、そして、今年のインドネシアプレジデントカップでは優勝。須佐の持ち味は日本国内プロ、アマを通しても最先端の理論に裏打ちされたクレバーなボクシング。日本のエースという称号が相応しい。清水はプレジデントカップこそ、初戦敗退という結果に終わったが、相手が強く追い込まれた時に見せるラッシングは天才的だ。しかも、清水が長年追い求めてきた左右2軸による攻撃が完成しようとしている。2大会オリンピック出場の可能性は高い。川内は、07年の世界選手権で銅メダルを獲得し、北京五輪代表を獲得した。その後、国際試合でのルールの変遷に翻弄された部分は否めないが、独特のファイトスタイルと世界銅の実力は、折り紙つき。川内は自分のボクシングをすれば、世界選手権ではメダルも期待できる。鈴木は体育学校入隊後の怪我で実戦から遠ざかっていたが、今年に入り試合に復帰し、プレジデントカップにも参戦すると、持ち前のハードパンチが縦横に炸裂し、大会開催地であるインドネシアをはじめアジアの強豪選手を次々とRSC(レフリーストップコンテスト)に沈め、準優勝と大活躍。ウエルターは大型選手が多いが、ディフェンスをしっかり仕上げられれば、勝算はある。
 日本ボクシングはメキシコ五輪以来40年、メダルから遠ざかっている。だが、インドネシアプレジデントカップでは須佐や鈴木の活躍により日本が団体優勝し、世界との距離が縮まっていることを証明した。その日本代表の中でも体育学校の4人は最有力。4人に期待したい。
 (体校渉外広報室・佐野伸寿3陸佐)


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