防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2010年10月1日号
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<地本>
各地で防災訓練を支援
関係機関との連携強化へ
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 9月1日の「防災の日」に合わせ、防衛省・自衛隊では政府や地方自治体が主催する総合防災訓練に参加、警察や消防など関係機関と共同して訓練に臨んだ。災害時には地方自治体等と連絡調整を行う地方協力本部は、会場に広報・展示スペースを設け、部隊の協力を得ながら装備品展示や災害派遣等のパネル展示・DVD放映などを実施し、地域住民に防災意識の高揚を図るとともに自衛隊のPR活動を行った。

山梨地本
 山梨地本(本部長・池原伸浩1陸佐)は第1特科隊とともに、8月29日、9月1日、5日の3日間に県内5ヵ所で行われた防災訓練に参加した。
 山梨地本は、野外テントに広報・展示スペースを設け、自衛隊のPRビデオの放映や県内で起きた山林火災災害派遣などのパネル展示を行った。当日はたくさんの地域住民が訪れ、来場者からは多くの質問が寄せられるなど関心の高さが伺えた。また、甲府市及び甲斐市で行われた防災訓練では、第1特科隊が警察や消防などの他機関と連携した救出訓練や炊事車による炊き出し訓練を実施、参加者の多くは日頃見慣れない自衛隊員の迅速で機敏な動作に感心していた。

愛媛地本
 愛媛地本(本部長・池田一敏1陸佐)は9月1日、愛媛県総合防災訓練を支援した。今回の訓練には、65機関、約3000人が参加。これまでの防災関係機関ごとの時間を区切った展示型の内容から、各機関同士の連携強化を重視した同時並行での訓練実施へと内容が変更されたことが大きな特徴。新たな訓練内容として、現場での情報の確認、共有と必要な指示を伝達するための「現地調整所」の設置運営についての訓練が行われるとともに、陸海自衛隊、関係機関が連携し、多用途支援艦「げんかい」からの給水訓練が実施された。給水訓練では、自衛隊と関係機関で連携を図りながら、「げんかい」の接岸後約30分という短時間で避難所への給水が完了した。
 訓練終了後、県知事は、新しい取り組みとして海上自衛隊の多用途支援艦「げんかい」の訓練参加を紹介するとともに、関係機関が一致協力して素晴らしい訓練になったと講評した。

宮崎地本
 宮崎地本(本部長・林英治1空佐)は9月5日、宮崎市の大淀川河川敷イベント広場を主会場に開かれた宮崎市総合防災訓練に参加した。
 この訓練は宮崎市が3年に1回行っているもので、陸自第43普通科連隊、空自新田原基地及び宮崎地本のほか、県警など55の機関から約2000人が参加した。訓練は、「宮崎市沖の日向灘でマグニチュード7・6の地震が発生し、宮崎市内で震度6強の揺れを観測」との想定で開始された。地震発生後、被災地での初期活動が行われている中、市長から知事へ自衛隊派遣要請がなされた。災害対策本部会議訓練では、派遣部隊が到達するまでの間の連絡要員として宮崎募集案内所長の島田3陸佐が参加し、派遣要請を受けた陸空各部隊の移動、準備状況を周辺地図を用いて市長に報告した。その後、43普連がオートバイで被災状況の調査・情報収集を行い、倒壊家屋から人命救助システムを用いて被災者の救出を行った。引き続き、大淀川中洲に取り残された要救助者については、新田原救難隊のヘリで空中搬送を行った。
 また、市長から多数の避難者のため、炊き出しの要請を受けた第5航空団は、宮崎市に所在するボランティア団体と野外炊具を用いて炊き出しを実施した。
 会場内の展示コーナーでは、43普連が人命救助システムや装備品の展示を行い、宮崎地本は防災訓練等のDVDの放映をするとともに、県内で近年に起きた災害派遣のパネルを展示した。その中で4月に発生した口蹄疫での災害派遣活動状況のパネル前では多くの来場者が足を止め、熱心に見ていた。

青森地本
 青森地本(本部長・竹本三保1海佐)は9月4日、五所川原市で行われた平成22年度青森県総合防災訓練で、陸海空自衛隊がそれぞれ実施した災害時の支援活動に関するパネルを展示し、自衛隊が実施している活動の一端について広報した。これは県防災消防課からの要請を受け、地方協力本部が3自衛隊の協力を得て実現したもので、3自衛隊の災害支援活動のパネルを展示するのは県内では初めて。見学者は「間近に見る装備品や活動写真を見て、普段テレビでしか見たことがない災害が、自分の身近にも起こるかもしれないと初めて意識しました。これからは、他人事とは思わず、自分で出来ることを少しずつでも考えていきたい」と感想を語った。

三重地本
 三重地本(本部長・佐藤正典1陸佐)は9月3日、空自第14高射隊、第33普通科連隊及び第4陸曹教育隊の支援を得て、県立上野農業高校で実施された防災訓練等を支援した。
 「東南海地震震度7発生」の校内一生放送により、教諭・生徒が退避、避難誘導訓練から初期消火活動を行った。その後、視聴覚室で募集課長による「防災講話」を実施し、野外では特殊車両や防災パネルなどを展示したほか、生徒はAEDの使用法や天幕の設営要領、ロープの結束法、ロープ橋の渡り方などを体験。特に応急担架などの作製においては、迷彩服を活用した作製と組み手搬送に生徒は興味津々だった。参加した生徒たちは、「印象に残る体験ができ、何かの役に立たせたい」、教師からは「自衛隊の存在感は心強く、逞しい。生徒の防災意識の高揚に非常に役立ちました」との感想があった。

茨城地本
 茨城地本(本部長・大池孝治1陸佐)は8月29日、茨城県・北茨城市総合防災訓練に参加した。
 この訓練は、茨城県、北茨城市、警察、消防、自衛隊及び関係機関の各災害予防責任者が共同して訓練し、災害時における迅速・的確な防災活動を行うために相互間の緊密な協力体制を強化することを目的に実施された。訓練は地震発生の放送から開始され、はじめに参加した各機関により被災現場の確認が行われた。続いて警察、消防及び自衛隊による地上と上空からの人命救助、消火活動などの訓練が実施された。また、会場内では地本広報ブースを開設し、災害派遣活動の写真パネル展示や災害派遣活動ビデオを放映した。
 訓練終了までに多くの来場者が訪れ、自衛隊の災害派遣活動について様々な質問を受けるなど自衛隊への期待の高さが伺えた。


東京地本
夏の集中キャンペーン
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 東京地本は夏の集中キャンペーンを展開し、9月から開始した統一試験に向けて、募集広報の強化を図った。このキャンペーンは、質の高い人材を確保するとともに都民の自衛隊に対する理解を促進することを目的として実施しているもので、今年で3年目となる。
 今年は都内主要駅でのサインボードの掲示や都営地下鉄車内へのポスター貼付、就職情報誌や全国の高校を対象に配布される新聞、インターネットへの募集広告の掲載等に加え、自治体の協力を得て、初めて、都営バスやコミュニティバスへの車内ポスターの貼付、新宿アルタビジョン等への募集ビデオの放映を実現した。また、ローソンと連携し、都内約300店舗の店頭大型ディスプレイに自衛隊の活動映像を放映する等、あらゆる手段を活用して自衛隊のPRを行った。
 また、7月24、25の2日間を東京地本の総出訓練日に指定し、都内各所で一斉に集中イベントを開催し、自衛隊のPRに努めた。各募集事務所のアイディアを活かしたブースでは、自衛隊を身近に感じてほしいと展示した軽装甲機動車や高機動車等の装備品、試着用の防弾チョッキ、南極の氷等が、道行く人の足を止めていた。当日は猛暑日となったが、東京地本隊員は自衛隊協力者の方々とともに、大粒の汗を流しながら、チラシや募連協作成の団扇等を配布するとともに、アンケート記入依頼、募集案内等を実施し、まさに、協力団体を含めた東京地本の団結力を示した2日間となり、各イベント会場は大盛況のうちに幕を閉じた。

浜田地区防衛協会
潜水艦・江田島見学
《島根地本》
直接感じる自衛隊の姿
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 島根地本(本部長・森茂敏1陸佐)は9月11日、浜田地区防衛協会22名に対し、海自第1潜水隊群所属の潜水艦「もちしお」、海自第1術科学校及び幹部候補生学校の見学を支援した。
 当日は天候に恵まれ、最高の見学日和となった。午前中に潜水艦「もちしお」の見学を行った。潜水艦の前で写真撮影をしたのち、2グループに分かれ、乗員引率のもと潜水艦の任務、艦内の生活環境など様々な場所の見学、説明を受けていた。見学者は実物の潜水艦を見ることは初めてで、「テレビで見たことはありましたが、こんなに大きいとは思いませんでした」など想像を超える大きさの潜水艦に驚きを隠せない様子だった。岸壁には、見学した潜水艦のほか、最新鋭の「そうりゅう」型、退役予定の「はるしお」型も係留されており、3種類の潜水艦の姿を直接見ることができた。なお、潜水艦「もちしお」は平成20年3月に就役した「おやしお」型11番艦で純国産の技術で建造された現在の主力潜水艦である。
 午後からは、江田島に移動して第1術科学校及び幹部候補生学校の見学を行った。第1術科学校及び幹部候補生学校内をまわりながら江田島の伝統、学校の概要、候補生生活等の説明を受けた後、教育参考館の見学を行った。特に、教育参考館の見学では、多くの貴重な資料を興味深く観て、歴史と伝統の深さを感じたようであった。「初めて目にするものが多く、驚くことも多かったですが、歴史を知ることができ、とてもいい見学になりました」と感想を述べていた。
 島根地本では、「これからも諸団体が希望する基地見学を支援し、自衛隊の幅広い活動や日々の訓練の成果を体験してもらいたい」としている。

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