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自衛隊ニュース   2010年10月1日号
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石橋1佐(統幕学校)、マリ共和国の派遣
《政府》
EMPでアフリカ諸国26名を教育
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 西アフリカの内陸部に位置しているマリ共和国の首都バマコにある平和維持学校(EMP)で8月16日から27日までの間に実施された「Civil Military Coordination cou-rse」(民軍連携コース)に、統合幕僚学校国際平和協力センター長の石橋克伸1陸佐が臨時講師として派遣された。日本政府は、アフリカ諸国の平和維持能力向上と地域の安定の維持のため、アフリカの各種PKO訓練センターへの包括的な支援を実施しており、今回のマリ平和維持学校への講師派遣も、同支援の一環として実施された。
 マリ平和維持学校は、ECOWAS(西アフリカ諸国経済共同体)の最高学府として、平和維持活動にかかわるアフリカ各国の人材を教育する施設であり、英語圏、仏語圏の両方から軍人、警察官、文民を学生として受け入れている。同校によると、アフリカ諸国で英仏両言語を使用して教育しているのは同校のみとのことである。
 教育では、軍民協力の観点から「東チモール、イラクにおける平和支援活動」及び「インドネシア・パダン、ハイチにおける国際緊急援助活動」での日本の経験と教訓、軍民協力の現場の様相について講義を行い、我が国の国際平和協力への取り組み及び実績等についての理解を広めた。
 同コースには、アフリカ諸国の軍人及び民間人26名が参加しており、石橋1陸佐の講義を熱心に聴講するとともに、積極的な質疑が行われ、時間の足りない場面もあった。講義終了後、参加者からは、本講義を聴講して「これまでの日本の活動の特性、特に住民の立場に立った活動の概要、日本の具体的な着意事項が理解できた」「日本の国際平和協力センターに非常に関心がある。教育へ是非参加したい」との声が多く寄せられていた。
 派遣期間中はラマダン期であったため、現地の活動全般が低調な時期であったものの、この機会を利用してマリ共和国国防大臣をはじめ在マリ日本国大使館特命全権大使、UNDP(国連開発計画)マリ事務所、米国駐在武官らを表敬し、マリ平和維持学校の状況や教育・管理面等について意見交換を行うとともに信頼関係の醸成を図った。
 派遣を終えた石橋1陸佐は「講義を通じて、アフリカの学生の能力の向上に寄与するとともに、日本がこれまで実施してきた国際平和協力活動の実績をアピールすることができた。また、国際平和協力センター(International Pea-ce Operations Cen-ter,Japan(IPOCJ))の今後の運営、教官要員の養成及び教育の準備・実施に資する有意義な情報を得ることができた」と感想を語った。

ボランティア活動に励む
身障者海水浴を支援
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 7月24日、通信学校第53期生徒課程中期52名は、「障害を持った子供達の海水浴を支援する」ボランティア活動を実施しました。全員が初めての体験で、不安もありましたが、逆に多くの事を学ばせてもらいました。私達は、「どうやれば障害を持った子供達が喜んでくれるのか?」を考え、意見を出し合い、「私達に出来ることを精一杯やろう」という気持ちで臨みました。
 海水浴当日、天候にも恵まれ、絶好の海水浴日和でボランティア活動がスタートし、時間が経つにつれ障害を持った方々とふれあいの中で自然と笑みがこぼれ、私達自身も楽しむことができました。アッという間に時間は過ぎ、「帰りたくないよ」と別れを惜しむ声や多くの笑顔と感謝の言葉をいただくことができました。
 私達は、このボランティア活動を通して、「困っている人に進んで手を差し伸べる」ということを学び、我々自衛官にとっても重要だと実感しました。これから、陸曹となる私達ですが、今回学んだことを活かして常に積極的に、同期や仲間と助け合い精進していきます。また、このような機会があれば進んで参加していこうと思います。(通信学校第53期生徒課程中期)

自衛隊サポーターズ
「たくさんの出会いに感謝」
中野新一
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 静岡県裾野市で自動車部品製造加工会社・中野工業の会長を務める中野新一氏は現在72歳。長年にわたる自衛隊への協力が高く評価され、2005年に当時の大野功統防衛庁長官から感謝状を受けた。地元の関係者の間では自衛隊を陰で支えるサポーターとして名高い。「自衛隊を応援する中でたくさんの出会いや喜びがありました。感謝するのはこちらのほうです」と、20年に及ぶ応援活動に思いを馳せた。
自衛隊と市民の架け橋に
 ―自衛官や市民を交えた大規模な交流イベントを催されています。
 中野氏 約20年前に私の敷地の竹藪を自衛官が訪れて筍掘りを行いました。それ以来、毎年4月の筍掘りが恒例行事です。今では参加者が100名規模になりました。10年前からは県東部の自衛官2〜300人とキャンプ富士の米海兵隊員50人ほどを招いて沼津市の千本浜で網引きやバーベキューを開催しています。
 海外派遣や災害救助派遣などで自衛隊の皆さんは一生懸命活動されています。律儀で真面目、部下や同僚想いの方ばかりです。米海兵隊員は悪く報道されるのはごく一部で大多数は紳士的です。肩肘を張らずに直に触れ合い、一般市民の皆さんに彼らの等身大の姿を知って頂きたい。そうした願いから交流行事を続けています。私は日本へ派遣される韓国陸軍のホストファミリーを務めているのですが、彼らは「母国で間違った教えを受けていた。日本と日本人は素晴らしい」と言って帰国します。大切なのは一人の人間として打ち解けあうことです。
 ―数多くの自衛官に接して来られたと思いますが印象に残っていることは。
 中野 会社を立ち上げてから40年以上。景気の浮き沈みは幾度も経験しました。仕事の繋がりだけだと業績が悪くなるなどして潮を引くように去っていく人も多いのですが、私がどんな状況下にあろうとも変わらず付き合いを続けてくれるのが親しくなった自衛官の皆さんでした。
 日本全国どこに異動しても便りを送ってくれますし、自分が各地の駐屯地・基地を見学などで訪れると、親しい方がいればもちろん、直接顔馴染みでなくとも、連絡が行くようで、現地で思いもかけない歓迎を受けて驚いた経験は一度や二度ではありません。
 ―最後にメッセージを。
 中野 私の父は職業軍人でした。幼い頃に隣町が空襲に遭ったのも目撃しました。そうした記憶と体験が日本を守る崇高な役割を担う自衛隊や米海兵隊の皆さんを応援したいという気持ちの源です。これからも、市民と彼らを繋ぐ潤滑油となる活動を続けていきたいと思います。

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