防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2010年9月1日号
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子供対象イベント各地で開催
自衛隊で夏休みの思い出作り
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市ヶ谷台探検ツアー
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 夏休みを迎えた子供たちを対象に、全国の駐屯地・基地では自衛隊と交流を深めるイベントが催された。毎年恒例の行事となった市ヶ谷台探検ツアーをはじめ、ちびっ子ヤング大会やキッズフェスタなどの各種行事に元気な子供たちが大勢集まった。内容も体験航海や航空機・車両展示といった自衛隊ならではのプログラムだけでなく、1泊2日キャンプやスポーツ大会、体験学習など多彩なものとなった。様々なアトラクションや隊員とふれ合いながら、子供たちはイベントを満喫した。
 毎年、各府省庁が全国の小中学生を対象に行っている「子ども見学デー」の一環として、防衛省は8月18、19の両日に「ピクルス王子とパセリちゃんの市ヶ谷台探検ツアー」を実施した(関連記事12面)。「子ども見学デー」は、26府省庁等が職場見学や各機関に合わせたイベントを催し、夏休み中の子供たちに社会の一端を知ってもらおうと毎年行われているもので、平成8年に旧文部省が開始、防衛省は平成11年から実施している。
 同ツアーには、対象の小中学生のほか父兄を含め18日に102人、19日に107人の計209人が参加した。内容は、防衛省・自衛隊の役割について学ぶ防衛講座から始まり、屋外に展示されている多用途ヘリコプターや広報展示室の見学、手旗信号体験、儀仗隊の訓練見学など興味を引くプログラムが続く。今回は中江公人事務次官との懇談も設けられ、貴重な経験も得られたようだ。そして、ツアーの締めくくりには隊員と一緒に記念撮影するなど、子供たちは最後までイベントを満喫していた。
 最初は緊張していた子供たちも次第に気持ちがほぐれていったようで、ガイド役の隊員に積極的に質問したり、参加者同士で友達になったりと元気な姿を見せていた。子供たちが社会を学ぶ「子ども見学デー」。防衛省のツアーでは、子供たちは隊員とふれあいながら、夏休みの一日を特別なものにしていた。
 【参加者のコメント】
 同級生と一緒に来た塩谷祐人くん(埼玉・10歳)は、もともとブルーインパルスに興味があって参加した。ツアーに来て「自衛隊にもっと興味を持った」。
 荒巻玲奈ちゃん(千葉・9歳)は、「子ども見学デー」の訪問先として防衛省のほか文部科学省と内閣府の抽選が当たった。本人の希望もあり防衛省のツアーに参加。自衛隊車両が特に気に入ったようで、元気に車両に乗り込んでたくさんの写真を撮っていた。
 防衛講座でしっかりメモをとっていた岩堀友里菜ちゃん(千葉・11歳)は、このツアーでの体験を夏休みの自由研究にするという。「自衛隊のぜんぜん知らなかったところとか色んな知識を得られてよかった」と感想を話してくれた。
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1泊2日キャンプ
《鹿追駐屯地》
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 鹿追駐屯地(司令・鴻上富男1陸佐)は7月31日、8月1日の両日にちびっ子ヤング大会を実施した。
 この行事は駐屯地広報班と曹友会が企画し、参加者50人を募ったが、募集開始わずか2日で定員となるほどの人気を集めた。
 イベントでは1泊2日のキャンプ生活を行い、子供たちはテント設営や飯ごう炊飯を体験したほか、肝試しや花火などで楽しい一日を過ごした。
 翌朝起床ラッパで起きた子供たちは、90式戦車試乗を体験。試乗した感想を聞くと「予想以上に早い!」「振動がすごい」といった声が聞かれたが、「もっと長く乗りたい」との声が一番多かった。解散時には迎えに来た保護者からも「来年も実施してください」との意見が出されるなど大好評を得たイベントとなった。
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《大村駐屯地》
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 7月31日、8月1日の両日、大村駐屯地(司令・伊義彦1陸佐)で県内の小中学生を対象とした「夏休みちびっ子ヤング大会」が開催された。同駐屯地では毎年1泊2日のキャンプを実施しており、今年は10個団体が参加、1歳から15歳の子供117人、保護者43人の計160人が大村駐屯地キャンプ場を訪れた。
 キャンプ村開村式では、担当中隊長の豊田武史3佐が「自衛隊のことも少し体験しながら夏休みの思い出を作ってください」と村長として挨拶した。
 参加者は5個グループに分かれて、日中は高機動車と軽装甲機動車の体験試乗、レンジャー体験、衛生教育等をローテーションで行った。夜にはキャンプファイヤーと花火で楽しんだ。
 体験試乗は平地の走行だけでなく、駐屯地内にある訓練場の山を使ってオフロード走行を行い、子供から大歓声があがった。レンジャー体験では、レンジャー特技保有者によるリペリング降下の展示と、水平に張ったロープを実際に渡る体験をした。隊員の指導の下、スムーズに渡る子供たちとは対照的に、思うように前に進まないお父さんの姿が笑いを誘った。
 翌日は、早朝からラジオ体操で汗を流したあと閉村式を行って1泊2日のキャンプは無事終了した。駐屯地を去る際には、「自衛隊ってかっこいい」「自衛官になりたいなぁ」と名残惜しそうに話す子供の姿があった。
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体験学習も充実
《宇都宮駐屯地》
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 宇都宮駐屯地(司令・辻本正彦1陸佐)では7月26、27の両日、小学4年生から中学3年生の生徒40人を招き、「夏休みちびっ子ヤング大会」を実施した。
 このイベントは、子供たちに自衛隊や防衛問題への関心を持たせ、将来の防衛基盤の育成を図ることが目的で行われた。第6地対艦ミサイル連隊が担任し、基本行動、地図の見方、救急法、装備品見学、ロープワーク、暗視眼鏡体験、オリエンテーリングなど、野外での体験学習を重点に実施された。
 参加した生徒たちは、部隊で見るもの聞くものすべてが初めての体験で、隊員の説明に目を輝かせながら聞き入り、基本行動やロープワーク等の実習では、出来るまで何度もトライしてみるなど、終始熱心に取り組んでいた。
 アンケート結果では、「楽しかった課目」「もう一度体験したい課目」の両方で、オリエンテーリングが一番人気。「役に立ったと思う課目」は救急法だった。感想文では、「また来年もちびっ子ヤング大会に来たいです」「本当に楽しい2日間だった」「新しい友達ができた」という意見が多数を占めるなど大好評だった。駐屯地広報は「自衛隊と地域の絆をいっそう深めることができた」と話している。
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大好評の装備品展示
《下関基地》
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 下関基地隊(司令・内田薫1海佐)は8月1日、基地を開放して「キッズフェスタin下基」を開催した。
 当日は1111人が来場し、基地内で色々なイベントが催された。第43掃海隊の掃海艇「うくしま」による一般公開では、子供たちが日頃見慣れない装備品に触れながら、隊員らの説明を熱心に聞く姿が見られた。毎年絶大な人気を誇るゴムボートによる冒険クルーズは、多くの希望者が殺到し、乗艇まで最長2時間待ちを記録するなど大盛況となった。
 基地隊本部のグラウンド内イベント広場では、17普連(=山口駐屯地)の軽装甲機動車及び高機動車の車両展示も行われ、子供たちは家族とともに車両や器材の説明を受け、記念撮影を行っていた。また、サプライズイベントとして、第22航空群所属のSH-60Kが飛行展示を実施。突然の“プレゼント"に会場が歓声に沸き、ホバリングやホイストなど、様々な動きをするたびに拍手が起こった。
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《岩国航空基地》
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 海自第31航空群(司令・小松龍也海将補)では7月18日、基地内の体育館・米軍グラウンドで、ちびっ子ヤング大会が開催され、約1400人が訪れた。
 会場では、小学生を対象としたスポーツ大会と岩国航空基地に所在する救難飛行艇(US-1A/2)や掃海・輸送ヘリコプター(MCH-101)などの航空機見学が行われた。
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《小月航空基地》
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 小月教育航空群(司令・伊東健一1海佐)は7月24日、小月航空基地を一般開放し、夏休み恒例の「ちびっ子ヤング大会」を開催した。
 ちびっ子ヤング大会の目玉である地元小学生によるスポーツ大会は、ソフトボール、ポートボール、剣道の3種目を実施し、大会に参加する子供たちや応援する家族が早朝から続々と会場に押し寄せた。その他、基地内でシミュレータ体験搭乗、T-5練習機コックピット見学、管制塔見学など多彩なイベントで多くの家族連れで賑わった。
 当日は晴天に恵まれ、約2000名が来場。小月教育航空群広報では「たくさんの催し物を楽しみながら、海上自衛隊に対する理解と関心を深め、十分な成果が得られた一日となった」と話している。


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