防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2010年3月15日号
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「残留者で守る」国分駐
主力は米国実動訓練へ
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 第12普通科連隊(連隊長・前田忠男1陸佐)第4中隊の中隊長(黒木孝太郎3陸佐)以下48名の隊員が、米国の地で実動訓練を実施して汗を流している。
 中隊の主力の隊員が、時差17時間もあるアメリカの地に出向き、残留者は、小隊長を核心に各種集合訓練等に励んでいる。
 寺田寅彦の言葉に「天災は忘れた頃にやってくる」とあるが、残留者にとって「今、災害が起きれば?」「主力がいないときの対処は?」といった不安材料が頭をよぎる。ましてや最近では、桜島の噴火が活発だったり、震度4クラスの地震があったりと、気を抜けないことが多い。そのため、中隊では電話呼集表を残留者用に作成し直したり、残留者一人一人の所在を明確にして連絡手段を確保出来るようにしたりして、不安材料を取り除き、即動態勢を取っている。
 主力不在間は、「残留者で守る」という強い責任感と「備えあれば憂いなし」の気概を忘れず、全員が常に緊張感をもって訓練に励み非常事態に備えている。
(1面記事参照)

船形山行方不明3人を救助
22普連、6戦大隊員が吹雪に耐え捜索
《多賀城》
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 第22普通科連隊(連隊長・國友昭1佐)は、3月1日発生した船形山登山者の遭難事故に伴い、3月2日午後6時10分宮城県知事からの災害派遣要請を受理し、「船形山周辺地域における行方不明者捜索」を実施した。
 連隊は、災害派遣要請に伴い、速やかに第3種非常勤務態勢に移行するとともに連隊指揮所を開設、また連絡幹部を宮城県庁、大和警察署及び第6戦車大隊指揮所に派遣し連絡態勢を確立して災害派遣態勢を完成した。
 捜索活動は、第6戦車大隊が陸路から、第22普通科連隊が空路から捜索することとし、第22普通科連隊は、2個班のラペリング班を即座に編成して3月3日の早朝、東北方面航空隊・霞目飛行場に推進した。
 日の出後、天候の回復を待って離陸したラペリング班は厚い雲に阻まれて現場上空に侵入出来なかったが、予定降下場を変更して後、白髭山南側地域に降下し、山頂方向へ捜索を開始した。
 現地は深雪に加え、吹雪による視度不良の状態で、捜索活動は難行したが11時50分頃、足跡を発見、12時17分には3人の行方不明者を発見して無事を確認して保護した。
 第1発見者の第22普通科連隊・本部管理中隊の佐々木祐二3曹は、「青いシートが見えた瞬間、行方不明者だと確信した。大丈夫ですか?と声をかけて、返事が返ってきた時は熱いものを感じた」とその時の状況を振り返り、無事に救助できたことを大変喜んでいた。


話題の新刊
国防をめぐるホンネの話
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  わが国への脅威、防衛戦略、当面の問題点など
  経験者が語る国防の常識・非常識
  防衛システム研究所編

 国防問題は難しくて面倒で、どうも取っ付き難いという人が多い。また、戦後教育のせいか今の指導者層も若い人も軍事の話にうとい。わが国では、昭和20年の敗戦を境に戦争・軍事について一種のアレルギーが生まれた。それは青少年への教育の中で、戦争の悲惨さだけが強調して教えられ、戦争・軍隊は悪であるとの印象が強く植え付けられてきたからだろう。そしてそのことがまた、戦争は軍隊が起こすかのような誤った認識を作り出している。軍隊は「どう戦うか」に責任を持つが、「なぜ戦うか」は政治の責任だろう。このことは洋の東西・古今を問わず認識されていることである。
 誰もが平和を求めるのだが、しかし現実に世界中で戦争は後を絶たない。そのような現実をしっかり踏まえて、戦争や軍事に対する正しい認識を持つための一助になればと〈防衛システム研究所〉は本の出版や雑誌への寄稿、講演活動などで意見を述べてきている。本書では、その中からぜひ認識しておいて欲しい「国防の常識・非常識」を50の話にまとめている。第1章「軍事の話」では、軍事アレルギーを払拭し、戦争・軍事に対する基本的な認識を持ってもらうための話を選んでいる。第2章は「わが国周辺の話」として、ロシア・中国・朝鮮半島を中心に、わが国への影響を現実的な視点から監察している。そのような視点に立ってわが国の周辺を眺めると、軍事に無関心な時とは違う世界が見えてきて、平和ボケなどと言ってのんびりしているわけにはいかないことが分かる。第3章には「国防に備える話」として、独立主権国家のあるべき国防の姿とはどのようなものかをまとめている。最後の第4章「当面の問題と今後の課題の話」として、今焦点になっている日米安保・日米共同や国際貢献活動あるいは自衛隊内部の諸問題について監察し、意見を述べている。
 本書は、いずれも30数年自衛隊に奉職したメンバーが、それぞれの所掌で実体験し、実際に感じたことが元になっている、いわば本音の話である。〈防衛システム研究所編集主幹・松島悠佐、委員・島本順光、中村徹、樫村保貞、津々谷格〉(内外出版(株)刊、定価945円)


戦闘能力向上へ連隊積雪地訓練
《八戸駐屯地》
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 第4地対艦ミサイル連隊(連隊長・吉田賢一郎1陸佐)は2月15日から20日までの間、岩手山演習場で平成21年度連隊積雪地訓練を実施した。
 積雪寒冷地での行動の基礎を確立することを目的とした今回の訓練は、曳行スキー、宿営、各個の戦闘、歩哨、築城及び偽装を主要演練項目として実施された。
 訓練は15日と16日が前段訓練として教官要員の教育が実施され、17日から主力の本格的な訓練となった。17日昼、岩手山演習場で各地域に展開した各中隊は、CPの築城、宿営用天幕の設営及び歩哨の警戒等の訓練を実施し、演習場内で宿営をした。
 その後18日からも隊員らは雪上車を使った曳行スキーや、第1中隊の冬季における対艦射撃要領の展示を連隊の隊員らが見学するなど、積雪寒冷地での行動要領を学んだ。この訓練は4年計画で実施され来年はSSM装備をもって班訓練等が計画されている。

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