防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
スペーサー
自衛隊ニュース   2010年2月1日号
-
1面 2面 3面 4面 5面 6面 9面 10面 12面

「坂の上の雲」に学ぶ
《横須賀教育隊》
記念艦「三笠」を研修
明治時代を生きた先人の遺徳知る
-
 横須賀教育隊(司令・飯尾俊政1佐)では12月15日、第 352期練習員課程及び第113期公募海曹課程が記念艦「三笠」の史跡研修を行った。
 記念艦「三笠」は米海軍横須賀基地の隣にある三笠公園にあり、世界三大記念艦の一隻として当時の姿を留めている。現代の護衛艦と比べるとスマートとは言えないが、無骨な中に力強さを漂わせているその姿を見て、練習員たちは感嘆の声を上げていた。
 到着後、三笠保存会の方から説明を受けたあと、各班に分れて艦内を見学したが、観艦式や停泊実習で見学した護衛艦と記念艦「三笠」とでは100年の科学の差があり、艦内施設や装備機器、武器の違いに驚きを隠せなかった。特に練習員等が驚いていたのは、当時の寝具がハンモックであったことである。寝具はベッドが当たり前と思っていた練習員等は、驚きつつも興味を示し、「良く眠れるのか」「寝心地はいいのか」「落ちやしないか」と話は盛り上がっていた。また、後部にある士官室、司令公室の豪華さに目を奪われ、ここが軍艦の中であることを忘れてしまうほどであった。艦内の展示品等を見学し、当時の日本を取り巻く情勢や日本がなぜ日露戦争に踏み切ったのかなど理解したもようであった。また多くの日本人が国家の存亡を掛けて命の限り戦ったことに「事に臨んでは危険を顧みず身をもって責務の完遂に務める」ことがどんなことなのか、おぼろげにも解ったようであった。
 また、ドラマ「坂の上の雲」に合わせた特別展も催されており、主人公である連合艦隊参謀の秋山真之と、その幼なじみで俳人の正岡子規ゆかりの写真、手紙などが展示されていた。軍人と俳人との組み合わせに、最初は違和感をもっていたが、ドラマを視聴していたことにより二人の友情と生まれ変わった日本を良くしいと思う気持があることを知り、明治は多くの若者が日本を一流国家にすべく、一人一人の努力が国の繁栄につながることを信じ、更なる高みを目指す勢いで生きていたことを感じ取ることができた。(1海曹 君塚昌弘)

菅原1空尉が人命救助
立川消防署長から感謝状受ける
-
 東京都立川市曙町の歩道上で倒れた男性を心臓マッサージで救命したとして、12月17日、中部航空方面隊司令部医務官付の菅原幸子1空尉が立川消防署長から感謝状を受けた。菅原1尉は、日頃から人命を預かる衛生職としての自覚を強く有し、消防庁の実施する救命講習に自ら進んで参加し、昨年7月8日にも上級救命講習を受講していた。「講習受講の経験が役に立った。一市民として当然のことをしたまで!」と話している。
 昨年12月6日、菅原1尉が散歩で立川市曙町を通りかかった際、歩道上で男性が倒れている現場に遭遇した。呼びかけに対する応答がなく、脈拍・呼吸を確認したところ、心肺停止状態であることが分かり、周囲にいた市民にAEDを持ってきてもらえるよう指示するとともに、すぐに心臓マッサージを開始した。救急隊への通報は既になされていたため、救急隊到着までの数分間継続して実施した。男性は、市内の救命センターに搬送され、心拍再開した。
 感謝状は12月17日に中部航空方面隊司令部(入間基地)において、東京消防庁立川消防署警防課の齋藤和洋消防司令から手渡された。
 これに伴い、中部航空方面隊においても、自衛官の範となるものとして12月22日に善行褒賞を受けた。
 今年5月に定年を迎える菅原1尉は、「過去3回の救急講習受講の経験から、落ち着いて対応できた」と当時の状況を振り返ると同時に、「退職後も市民として積極的に社会に貢献していきたい」と第2の人生に向けて決意を新たにしている。

在沖米海軍と交流
《沖縄基地隊》
-
 沖縄基地隊(司令・迫 幸一郎1海佐)は、日・米両国の文化交流の一環として在沖米海軍艦隊活動司令部との年末恒例行事である「クリスマスツリー」と「門松」の交換会を実施した。
 まず、12月7日に在沖米海軍活動艦隊司令部(CFAO)の司令官(ビスカラ大佐)を始め20名が来隊し、沖基司令や沖基隊員とともに庁舎玄関にツリーを飾り付け、その後、場所を移して懇談を楽しんだ。また22日には、沖基司令、第46掃海隊司令をはじめ隊員15名が米軍嘉手納基地内にあるCFAOを訪れ、ビスカラ司令官以下10名の隊員の出迎えをうけ、沖基隊員により司令部玄関前に門松としめ飾りを、玄関内に鏡餅を設置した。このあと司令官から軽食等のもてなしをうけながら、両国の隊員による懇談がもたれ、お互いの一年の締めくくりと新年の健闘を誓った。
 最後にビスカラ司令官のスピーチで、「日米安保条約改定50周年の節目を迎えるにあたりより一層の友好関係を築きあげたい」とのコメントがある等、今後も変わらぬ交流を願い司令官や隊員一同の見送りのなか米軍嘉手納基地を後にした。

大湊海曹会が社会福祉施設に寄付金
-
 大湊海曹会は12月14日から16日の3日間、大湊地区所在部隊の隊員から寄せられた41万6600円をむつ市社会福祉協議会とむつ市内12か所の社会福祉施設に寄付した。この活動は、隊員の社会福祉に対する理解を深めるため、大湊地区先任海曹会が平成7年から始め、平成15年に大湊海曹会が引き継ぎ、現在に至っている。
 16日に訪問した「むつ養護学校」では寄付金を使い勝手の良い本棚、雛人形、もちつき用の臼等、各種イベント機材購入費に充てているとのことで、この寄付金が入所者のために有意義に活用されていることを強く感じた。また、工房「歩み」では「パン工房」の他に「BDF工房」もあり、バイオディーゼル燃料の精製を手掛け(廃食油を精製してディーゼル燃料として使用)地域や環境へ貢献しているということも合わせて、今回の訪問で多くの内情を知った。
 大湊海曹会では、引き続き隊員の社会福祉活動を啓蒙していくとともに隊員と地域住民との交流を促進し、自衛隊理解の裾野を広げていくこととしている。

27連隊訓練始め
《釧路駐屯地》
-
 第27普通科連隊(連隊長・福永1佐)は1月5日、釧路演習場で、平成22年の訓練始めとしてスキー行進訓練を行い、今年一年の安全祈願、部隊の士気高揚と団結の強化を図った。
 訓練が行われた釧路演習場は通称「まりも山」と呼ばれ、昭和20年当時に駐屯していた旧陸軍歩兵27連隊が、東道防衛のため展開していた土地であり、終戦時に聯隊旗を奉焼して45年の歴史を閉じた由緒ある地。
 スキー行進訓練後に行われた福永連隊長からの訓示では「旧陸軍歩兵27連隊から引き継がれてきた精神基盤を、我が27連隊では『釧根魂』と呼び、これを拠り所にして27連隊の隊員であることに誇りを持ち、仲間を信頼し仲間の信頼に応え、平成22年も日々錬磨しよう」と述べ、今年一年のスタートを切った。

新年の「歌会始の儀」に
元自衛官・古川さんが晴れの入選
-
 新春恒例の宮中行事「歌会始の儀」に、元陸上自衛官・古川信行氏(94)の詠進歌が目出度くも入選し、1月14日、皇居・宮殿で行われた儀式において天皇、皇后両陛下や皇族方の御前にて朗詠された。お題は「光」。
 同氏の入選作は、次のとおり。
  燈台の
   光見ゆとの
    報告に
  一際高し
   了解の聲

 この一首は、先の大戦末期における自らの戦争体験を詠んだもので、相手の魚雷攻撃を受けて日本に帰投する沈没寸前の特務艦から、下田沖の灯台の光が見えた時の安堵感が鮮やかに、リアルに描写されており、海外を含む2万3千余首の一般応募作から選ばれた。
 古川さんは海軍経理学校(第27期)の出身で、創設期の警察予備隊に昭和26年入隊し、需品学校教官、陸幕補給課や厚生課の班長等、岐阜地連部長、調達実施本部の連絡調整官などを歴任した元陸将補。昭和42年、自衛隊を定年退官した後は靖国神社などに奉職 し、最後は奉賛会事務局長を務めた。
 また、今回の入選者10人のうち、古川さんは最年長の94歳であり、これまで記録が残る昭和38年以降でも最高齢者。
 歌会の宮中参内の後、古川さんは「入選者として歌会始の儀に参列し、陛下から直接お言葉を賜る光栄に浴することができましたのは偏に、戦時中は海軍で、戦後は自衛隊でご指導ご鞭撻を戴いた皆さんのお陰です」と喜びを語っている。

天皇陛下御即位20周年奉祝式典
呉音が演奏支援
-
 呉音楽隊(隊長・竹内宏美1海尉)は12月23日、広島市ALSOKホールで、奉祝広島県委員会主催による天皇陛下御即位20周年奉祝式典及び演奏会で演奏を実施した。
 奉祝式典は、呉音楽隊の伴奏により、国家「君が代」を2回、1,800人が荘厳に斉唱し開式した。
 式典の後の演奏会は、團伊玖磨作曲の「祝典行進曲」で華やかに始まり、数多くの式典などでも使われている格調高い作品の「威風堂々第1番」や、平成21年度の大河ドラマの主題曲「天地人」を演奏。続いて、歌謡曲から「川の流れのように」を前岡3曹が歌い聴衆を魅了した。そして、昭和50年代のレコード大賞受賞曲を集めた「ジャパニーズ・グラフティーV」で締めくくった。
 鳴り止まない拍手に応え、アンコールに道本3曹と藤沼3曹の歌による「時の足音」やホルスト作曲の「吹奏楽のための第1組曲」より「マーチ」を演奏した。それでもなお、鳴り止まない拍手とアンコールの声援に応えて行進曲「軍艦」を演奏すると、大きな歓声と共にホール一杯の手拍子が鳴り響き大盛況の中、天皇陛下御即位20周年の奉祝演奏会は幕を閉じた。

横音がふれあいコンサート支援
-

 横須賀音楽隊(隊長・河邊一彦2海佐)は12月8日、長野県松本市のまつもと市民芸術館で「自衛隊ふれあいコンサート」(主催・松本市防衛協会)を演奏支援した。
 この日は気温2度という寒い中、1550名もの聴衆が足を運び、ひとときの吹奏楽の響きを楽しんだ。


5面へ
(ヘルプ)
Copyright (C) 2001-2014 Boueihome Shinbun Inc