防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年6月15日号
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初の日米スポーツ交歓会
《佐世保造補所》
「絆」・「親睦」深める
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 佐世保造修補給所(所長清水洋1海佐)は平成20年5月17日(土)に、米海軍佐世保基地内のニミッツ・パークにおいて、佐造補所所員と米海軍掃海艦ガーディアン(MCM―5)乗員との第1回日米スポーツ交歓会を実施した。
 当日は晴天にも恵まれ午前10時30分試合開始となり、佐造補所A、Bチーム及びガーディアンAチームとで親善野球ゲーム2試合を実施した。(=写真)
 試合結果は、珍プレー・好プレーありの和気あいあいの中、佐造補所A対ガーディアンA:3対2、佐造補所B対ガーディアンA:7対7というクロスゲームで終了した。
 その後、昼食に移行し、ガーディアン乗員によるハンバーガー、ホットドック、スナック、ドリンク等が振る舞われ、日頃あまり口にしない米国独特の簡素な食材で、所員家族も大いに楽しんで舌鼓を打っていた。
 また、昼食中、当所によるビンゴゲーム(豪華景品が当たる??)・輪投げ・子供対象のお菓子の配布等を実施し、中でもビンゴゲームにおいては、所長・艦長以下総員が子供に返り、ビンゴカードに釘付け状態であったのが印象的だった。
 最後に所長・艦長、先任伍長・コマンドマスターチーフ及びコマンドシニアチーフによる楯の交換と記念撮影を実施し、今後も「絆」・「親睦」を深めていくことを固く約束し、清掃活動を終了した後解散した。


駐屯地司令杯女性バレーボール開催
《福知山》
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 福知山駐屯地(司令・岸良和典1佐)は5月25日、駐屯地体育館で「駐屯地司令杯地域女性バレーボール大会」を開催した。
 毎年恒例となったこの大会には、部隊近傍から9コチームがエントリーし、駐屯地からも1チームが参戦した。
 当日は、早朝から選手や応援の家族が多数集まり、8時15分からの開会式の後、2コートにおいてトーナメント形式により試合が開始された。
 各チームはキャプテンを中心にチーム力を発揮し、白熱戦を繰り広げ、奇声とも聞こえるような頭の中まで響く元気な声を出しながら女性パワーを発揮した。
 我が自衛隊チームも課外の練習の成果により、女性自衛官が活躍し第3位という好成績を残した。
 参加者一同は「今日は楽しかったです。また来年も参加できるよう頑張ります」と感想を語り、地域女性との交流を深める有意義な大会を終了した。

HOME's English Class
(防衛ホーム英語教室)
ANOTHER GLASS WON'T HURT YOU!
アナザー グラス ウォント ハート ユー
もう一杯いけるでしょう!
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 Hi! How are you doing? 皆さん、お元気でしょうか。梅雨空が続いていますね。グレーの空もなかなか綺麗なものですね。地に目をやると紫陽花が様々な色調で咲き誇っています。最近は、ピンクの紫陽花も花屋の店頭に出ていますが、皆さんは何色がお好きですか。
 さて、今回の表現は、Another glass won't hurt you!「もう一杯いけるでしょう!」です。直訳は、グラス一杯があなたを傷つけることはないでしょうになりますが、won't hurtは、口語で「こまったことにならない」という意味で使われます。もう一杯如何ですかと、相手に畳み掛ける時に使います。そこは同じのんべえのこと、一つ返事で応じるのは世界共通かもしれません。ただ、最近の若者は酒を飲まない人が多くなってきていますので、くれぐれも無理強いは控えてくださいね。「酒を飲むより、ほかにやることがあります」。そう言って、きっぱりとアフターファイブのお誘いを断ることがあるそうです。
 男子バレーもオリンピック参加が決まり、久しぶりの明るい話題でしたね。最近友人が森を再生する運動のボランティアに参加しています。自然の法則は、競争と一寸した我慢で共栄することだそうです。出来るだけ多くの種類の木の苗を混合して植林し、お互いに競争しつつ共存していくのが一番早く成長するそうです。自然からは多くを学ぶことが出来ますね。寒くなったり暑くなってりしています。体調にはくれぐれもお気をつけください。陽気なストレスレスの生活をお楽しみください。
 それでは、皆さん。See Ya! 〈スワタケル〉

イラク派遣を終えて シリーズ
職域の枠越え、相互に補完
航空システム通信隊 保全監査群システム監査隊 1空尉 篠塚 学
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 平成19年7月、第13期イラク復興支援派遣輸送航空隊の通信小隊長としてクウェートの白い大地を踏みしめる。「何だこの暑さは…」航空機から降りると鳥肌が立った。暑いのか寒いのか一瞬麻痺していた。念のため日陰に入るが、熱風が全身を覆い、逃げ場のない暑さが襲ってくる。激辛カレーを口に入れて、しばらく経って激痛に見舞われる感覚に似ている。「参ったなぁ、こんな所で4ヶ月、耐えられるのか…」と不安がよぎる。この日は48度を記録していた。砂塵の中ではっきりとしない太陽が容赦なく日向も日陰も熱を浴びせる。日本では太陽がサンサンとか、ギラギラと擬音で表現するが、ここでは「カッ」という感じである。光線で目が痛む。
 12期隊員から機関銃のように申し送りを受けるが、旅の疲れと時差ボケでボーッとした頭は思うように働かない。しかし、12期隊員は元気だ。真っ黒く日焼けし、この暑さの中を飛び回っている。同じ日本人とは思えなかった。12期前段隊員は嵐のように帰国していった。残されたのは私と14名の少数精鋭の部下達。いや、事前教育で1週間弱過ごしただけの殆ど初対面の面々だから、正体は判らない。ここが部隊毎派遣される陸上自衛隊、海上自衛隊と違うところである。我が小隊は戦闘航空団、輸送航空団、警戒管制団、ネットワークセキュリティ部隊等、全国各地で違った任務、違ったシステム等の中で働く職種の隊員達で固められている。職種の枠を越え、相互に補完するよう伝えた。協力しないと乗り切れない。
 さあ、「やるぞっ」と気合いを入れて新態勢で発進した矢先に突発停電、各種装置及びネットワーク等の障害が1週間連続する。ほとんど寝る時間がない。寝不足なのか、時差ボケなのか、暑さに逆上しているのか、訳が判らない。次から次に襲ってくる事案に皆で対処にあたる。1件ずつ問題を片づけるうちに、他人だった一人一人が各々の性格信条や得意な業務分野等を明らかとし、チームの団結が固まっていった。苦難を共にし、目標を一つとして戦ううちに芽生えた帰属意識である。
 昔見た米軍のドキュメンタリーを思い出した。どんな厳しい訓練を繰り返しても、生死を共にした戦闘経験のある部隊には勝てない。勇気を持って危険に飛び込むのも、宗教や信条を曲げて敵を討ち果たすのも、皆、隣で必死に戦う同僚のためだ。国のためでも、名誉のためでもなく、自分がやらなければ、仲間が殺されるという心理状態がそうさせるそうだ。まさにそれがこれかと実感した。ここでの我々は直接命のやりとりをするわけではないが、最前線で戦う緊張感は同様の心情だったと思料する。
 通信小隊に課せられた任務は多種多様である。航空機との各種通信手段の確保、本国との国際回線、各種ネットワークシステム、電話、FAX、ケーブルTV、衛星TV、映像伝送、救難無線、インターネット及び情報保証等である。また、24時間シフト勤務による基地間の電報送受も担当した。本任務を失敗すれば、飛行運用に直接影響を及ぼすケースも少なくない。休養日や夜中に呼び出される事は日常茶飯事であった。
 着隊直前、イラク特措法が延長された。そこで、我が小隊の業務目標を設定した。「12期分の垢を落とし、以後2年間継続し得る基盤を造る」である。本任務も3年目を迎え、各種機器及び資材等の経年劣化が激しく、任務への影響が懸念されたのである。予防整備の間隔を狭め、早期の障害の兆候を掴むセンサーとした。機材の清掃は毎日実施させた。ここの砂は龍角散のように細かく、何処から入ってくるのか1日で机を真っ白にする。装置の奥まで砂が浸透してるのを見て唖然とした。又、容赦ない高熱は本国の数倍のスピードでケーブル類を劣化させていた。本国と調整し、必要資材を調達して計画的に交換作業を実施することとなる。更に各種対空アンテナの換装にも取り組み、業務目標達成のために傾注した。
 気温50度の中での屋外作業はまさに過酷だった。ここでは汗は流れない。極度の乾燥は汗を一瞬で蒸発させ、飲みたくなくとも定期的な水分補給を必要とする。怠ると突然倒れる。作業に没頭する隊員達は勤勉故、休憩を取ろうとしない。30分おきに中断させる私に不満を漏らす隊員もいたが、ここで体調を崩させるわけにはいかなかった。こういった作業の間も隊員達に休む暇を与えない不測事態は襲い続けた。4ヶ月を間もなく迎え、この間達成した大きな成果を思い出す。
 1 情報保証態勢の強化(ウイルス対策ソフトの更新等)
 2 対空無線機
 3 電気班と共同対処した変圧器の入力極性の正常化
 あっという間の4ヶ月間だった。12期の連中の顔を思い出していた。同じ日本人とは思えなかったが、今我々は同じ姿をしている。仕事に没頭し、存在意義と生きている実感を得た。部下の伸長振りに満足するとともに、よくやってくれたと感謝の念が溢れる。勿論、私自身もここでの経験が以後の服務へ大きな糧となることは間違いない。支えて頂いた多数の方にこの場を借りて御礼申し上げます。お陰様で全うできました。

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