防衛ホーム新聞社・自衛隊ニュース
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自衛隊ニュース   2008年2月15日号
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「頑張っています」新しい職場
活躍するOBシリーズ
三菱プレシジョン(株) 仁田脇康朝
仁田脇氏は平成17年11月、第5航空団(新田原)を准空尉で定年退職。56歳
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 私は平成17年11月、航空自衛隊を定年退職し、翌年1月1日付で三菱プレシジョン(株)へ就職致しました。
 現役時は航空機整備に携わっていた関係上、定年後の再就職は、現役で培った技術を生かすことができる仕事に従事できればと、常々考えておりました。再就職に際しては、上司をはじめ、援護の方々の過分なご尽力等により、念願の職場に就職することができ感謝致しております。
 三菱プレシジョン(株)は、ロケット部門や、各種のシミュレータ(航空機、船舶、JR、自動車等)及び駐車場の自動改札機の製造等々、多くの分野で活躍している会社です。私の職務は、空自に納入されているフライト・シミュレータ(F-15J及びF-4改)の保守整備やパイロットへの訓練支援等です。このフライト・シミュレータ(模擬操縦訓練装置)は、頭脳的役割の計算機部門と、映像装置部門及び実際に装置を動かすシステム部門等から構成されており、保守整備では不可解な電気配線、IC回路及びデジタル信号等々を相手とし、高度な知識を要する上、他方では訓練機の操縦及び装置の操作要領等、高い技能が要求され日々悪戦苦闘の毎日ですが、現役時に培った知識、技能及び多くの経験等が随所で役立っており、今更ながら良い勉強をさせて頂いたと深く感謝致しております。
 現役の皆様におかれましては、一般社会の厳しい現実をしっかりと直視され、就職活動は援護班等に任せきりではなく、普段から我はその為に何をすべきかを良く考え、色々な事を学び且つ前向きに対処、習得し、自己の財産構築に努めてほしいものと考えます。
 また援護業務に携わる皆様におかれましては、多忙の中、企業先等を奔走されている毎日かと存じますが、これからの日本社会を考えると、更に厳しさを増す就職戦線が予想される為、更なる就職(職務)範囲の拡大に努めて頂き、隊員の皆さんが安心して任務に励まれる環境を作って欲しいものと考えます。

寄せ書き
 
名所紹介「天拝山」
春日基地業務群 准空尉 竹田重雄
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 皆さんは「天拝山」(てんぱいざん)をご存じでしょうか?二日市温泉の西、九州縦貫自動車道を挟んで、照葉樹に覆われた海抜2576mの丘陵性の小さな山です。その昔、大宰府に配流された菅原道真が、自らの無実を訴えるべく幾度も登頂し、天を秤したといわれています。古くは天判山(てんぱんざん)とも呼ばれていたそうで、筑紫の歴史を語るには欠かすことのできない名所でもあります。
 最近ではこの山一帯が整備されて、歴史散歩道、森林浴の場所として市民に親しまれています。山麓の天拝山公園から登山道に入ると、すぐに荒穂神社の大鳥居が皆さんを歓迎してくれます。ここからは、ハイキングコース(正規ルート)、シャクナゲ谷ルート、旧道ルートなどの様々なコースを楽しむことができます。
 特に5月頃にはシャクナゲ、ツツジが一面に咲き乱れ、その絶景に感嘆し、さらに一年を通してシイ、カシなどの常緑樹によるマイナスイオンでリラックスした気分になること請け合いです。また山頂には、菅原道真を祀る天拝神社があるので、一汗拭いて学業成就を祈願してはいかがでしょうか。
 
「兵站」ってなに?
33普連4科長=久居 3陸佐 川合茂明
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 第4科は兵站業務を実施しています。兵站というと、なかなかとらえ所のないような気がすると思いますが、部隊の戦闘力を維持・増進することが目的の業務であり、部隊の中でいう兵站(Logistics)は、補給・整備・回収・輸送・衛生・建設・不動産・労働・役務等の総称です。
 補給には取得・配分・処分がありますが、生命として必要な食料・水、部隊の作戦で必要な装備品・燃料・弾薬等の補給が重要です。整備というと車両がすぐに思い浮かびますが、車検・定期点検の他、自分で行う運行前点検があり、全ての装備品が整備の対象になります。確実な整備と兆候の早期発見により、事故の未然防止が可能ですので、点検・整備は確実に実施しましょう。回収はリサイクルのことで、現在よく言われている環境に優しく、また経済性を高めています。輸送は車両・船舶・航空機による輸送だけでなく、高速道路の使用や道路通行申請等があります。衛生については、分かり易いと思いますが救急処置、救急車等による搬送、病院等による治療となっています。建設・不動産・労務・役務というと、最近テレビで放映された、古代ローマ時代の軍団等が代表的だと思います。軍団により道路を造り、橋を架け宿営地等を構築する。また兵士自体は労務でした。彼らの造った構築物は2千年後の今も現存しています。
 今回は兵站について全般的な事項を書きましたが、基本的に縁の下の力持ち的業務で目立たない部署ですが、今後ともよろしくお願いします。
 
唸ること
33普連3科長=久居 2陸佐 堀誠一郎
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 皆さん唸ってますか。「唸る」と言っても別に苦しいわけではなく、吠えているわけでもありません。カラオケ?近い!確かに1年前までは私の唸るはカラオケでした。今はちょっとしたきっかけで「カラオケ」から「詩吟」に進化しました。
 詩吟をご存知でしょうか?漢詩や和歌に節を付け謡うあの詩吟です。最初は詩吟に楽譜があるのも知らず、楽譜(記号)の意味すらチンプンカンプンでした。見よう見まねで習い始めた詩吟でしたが、謡えるようになると、とても気持ちのいいものです。大声で抑揚を付けながら声を張り上げていると、ストレスも解消しますよ。さらに「李白」や「菅原道真」の様な歴史的人物の漢詩や和歌に触れることで、ゆったりとした昔の情景に浸ることができます。
 まだまだ始めたばかりでなかなか上手く謡えませんが、続けていくことの楽しさを今味わっています。人それぞれストレスの解消法があると思いますが、みなさんも何か趣味を持って、楽しい人生を送ってはいかがでしょうか。
 
敢えて挑戦
八戸駐屯地業務隊 3陸佐 町屋利洋
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 我が家に待望の第一子が誕生し、子育てにあたり採用したのは「布おむつ」である。布おむつの良い所は、子供とスキンシップが容易で、100%その子のにおいがおしめに染み込むことである。また何より経済的で、ゴミが少なく極めて環境的で、エコライフである。
 一方で当然欠点もある。まず、おむつは漏れやすいことである。そして経済的であるが故に多くの時間と労力を費やすことである。今近所を見渡すと、布おむつの洗濯物が干してあるのは我が家ばかりである。もちろんご近所との会話でも、話に出るのは我が家の布おむつであり、非常に関心を示してくれる。病院での検診でも同様であり、医師・看護士からはめずらしそうに映るようである。大型スーパーへ行くと、子供休憩室でのおむつ交換は全員が「紙おむつ」である。
 ここまでくるとステータスに近いものを感じ、夫婦一丸となり、子供のおむつ離れまで初志貫徹しようと決意が固くなる。布おむつは欠点でも示すとおり、多大の時間と労力を費やすため、夫婦の協力が必要不可欠な条件である。これをプラス思考で考えるなら、夫婦の絆を強める良い機会でもあるといえるだろう。

新たなる目標
都城駐屯地業務隊 2陸曹 大寺優治
 
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 私は24歳で国分に入隊し、後期課程を高遊原分屯地で受け、そのまま同分屯地の航空野整備隊に配置され15年勤務しました。その後航空学校明野駐屯地に5年、昨年8月の定期異動で都城駐屯地業務隊厚生科に配置となりました。
 私のこの20年の自衛隊生活では様々なことがありました。配置当初は「こんな良い職場はどこにもない。絶対に幹部になろう」と思い、2等陸士の頃から勉強を30分以上することを心がけ毎日実施し、おかげで2選抜で合格、その後も幹部の試験勉強の為に資料を集め勉強をしていました。
 ところが陸曹になり2年過ぎた頃、癌に冒され入院することになり、僕の一つの夢が消えました。入院及び自宅療養で2年間、休職をした後に職場に復帰しました。その時の心境は「みんなと共に生活ができるだろうか」と、とても不安でした。しかし皆様の温かいお言葉とご支援のお陰で、なんとか自衛隊生活を再び送ることができ、とてもうれしく思っています。しかし病気以降は前のように体が動きません。とてもつらい日々が続く毎日でした。
 そんな時、一人の女性と出会いました。それが今の妻です。最初、妻には病気だったことは一切話しませんでした。ある時、頻繁に薬を服用する姿を見られ、病気だったことを話しました。病後5年というとまだまだ危険な時期で、再発の可能性がある時期です。「そんな男に大事な娘をやることはできない」と彼女の両親は猛反対でした。ただ彼女だけが僕を信じ付いて来てくれました。
 結婚後もいくつかの病気にはかかりましたが、どうにか44歳まで生きてこられました。また不可能と言われ続けていた子宝にも恵まれ、今は2児の父親として日々を精一杯生きています。これからの新たな目標としては、家族のためそして他界した母のためにも、明るく温かなマイホーム建築を大きな目標として、何事にも頑張っていきたいと思います。
 最後になりますが、自分が病気になって初めて痛感したことは「人は何故こんなにも親切なんだろうか…」何か自分にもできることがあれば、進んで手を差し伸べたいと思いました。

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