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   2006年9月15日号
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「頑張っています」 新しい職場
活躍するOBシリーズ
弘済企業株式会社 浜松北保険出張所 中野政信
中野氏は平成16年、空自第1術科学校(浜松)を3尉で定年退職。55歳
 私は現在、弘済企業株式会社浜松北保険出張所で勤務しています。あまり企業名になじみがない方が多いと思いますが、全国の自衛隊の基地または駐屯地などにおいて保険活動をしています。隊員の方にとって一番身近なのは防衛庁職員家族団体傷害保険です。その他には防衛庁集団扱いがん保険や損害保険一般を取り扱っています。
 入社する前は、退官後は福祉関係へ進む予定で大型自動車の免許やホームヘルパーの資格取得など励んでいましたが、長年勤務してきた基地の中で隊員等相手の親身な保険屋も隊員のためにはなると思い再就職先として選びました。職務はたった一人の保険出張所です。保険の取り扱いから雑務まで一人何役もこなしています。保険の世界は初めてで自分の車の保険内容も掌握できないような初心者でしたが、付きの期間に入る前に真剣に勉強して損害保険の募集人資格を取り、更に付きの期間中に損害保険の普通資格を取りました。入社してすぐに生命保険の資格までも取得しました。自衛隊退官前後は固くなった頭を鞭打ち、一所懸命受験勉強に励みました。
 ご存知のように団体傷害保険はケガが対象ですが、病気で入院しましたと来られる退院もおり、何ヶ月もたってから団体傷害保険を掛けているのに気づき、まだ保険の請求ができるでしょうかと来られる方もおられます。また、お子さんがおとなりの窓ガラスを割ってしまったとか、自転車で他人の自動車にぶつかって傷をつけたとか、さまざまな方が来られます。そのたびにあちらこちらに電話を掛けたりして対処方法などを確認したり保険業務の先輩に質問したりと大変でした。
 一年半が過ぎましたが、同じような事例ばかりでなく様々な事例が発生し、そのたびに相変わらずのあたふたです。でも若い隊員さんから保険屋さんと呼ばれると大変やりがいのある職につけてよかったと思われるこの頃です。将来は「保険のおっちゃん」と親しみを込めて呼ばれるように頑張りたいです。

「決意新たに」
島根地本スタート
 7月31日付、防衛庁設置法の一部改正に伴い「地方連絡部」から「地方協力本部」へ改編された。
 島根県は中国山脈の北側に位置し東西約270km、インフラは海岸線に沿って走る国道9号線のみといっても過言ではない。なお、県内に所在する部隊等は、東端に位置する県庁所在地(松江市)の東西に陸上自衛隊出雲駐屯地、航空自衛隊高尾山分屯基地及び島根地方協力本部(隊員総数約700名)がある。島根地本では、このように他県に比べ特異な環境にあることから、松江市にある原子力発電所等に対する武力攻撃災害対処、離島である隠岐を含め住民避難及び避難住民等への救護措置並びに天災・人災による応急の復旧等に関わる措置に迅速かつ的確な対応と地方公共団体との密接な相互協力関係が求められている。
 この日、部員の作成した玄関の看板を交換した本部長の姿に接し、地本部員は本部長(加藤誠1陸佐)要望事項である「地域と一体」を各々の胸の内に焼き付け、前向きかつ明確な目的意識をもち機能強化された地本の名に恥じぬよう、地域にとけ込み任務を完遂する意を新たにした。

《論陣》
新手の詐欺事件が横行
=甘い話には乗らないほうが得=
 世の中、濡れ手に粟なんて話がある筈がない。ところが“金もうけ"の甘い誘惑に出逢うと一も二もなくころりと引っかかり、虎の子の財産を騙しとられる詐欺事件が急増している。かつては「お宅の息子さんが自家用車で人身事故を起してしまった。いま警察の交通係りのところにいる。被害者が示談に応じてくれると言っている。すぐ○○銀行の○番の口座に現金をふり込んでくれ」という単純な振り込み詐欺が多かった。ところがマスコミなどを通したPRが浸透したので、この単純手口は通用しなくなってしまった。電話を受けたほうが「こちらから折り返し電話しますので一旦、電話を切ります」というと相手は「確認される」と思い、再度、請求しなくなってしまうからだ。もっとも詐欺犯のほうも弁護士、警官、被害者などが入れ替わり、立ち替わり電話に出て、何とか騙そうとするが、それも受け手には見破られるケースがほとんど。地方ではこの手の振り込み詐欺が通用しているようだが、都会では姿を消し始めている。
 そのかわり、こんどはパソコンを使ったインターネットオークション詐欺が増えている。警視庁に届けられた分だけで、ことしに入って2、900件近くあり、総被害金額も34億円を超えるという。画面に並ぶ商品がほしくて安いものならば、その場でつい注文してしまう。高級時計、カメラ、薄型テレビ、装飾品、衣料など品物はいろいろ。「代金を振り込んでくれれば3日以内に現物を送ります」という手口。指定された口座にお金を送っても、品物はいつになっても届かない仕掛け。明らかに詐欺である。改めて催促しようとしても相手のホームページは消されている。泣き寝入りするより方法がない。特にパソコンを使っている若い人達を狙っているようだから注意すること。
年寄りを相手に“高金利"で持ち金をとりあげられた話は、よく聞く。長く続いたゼロ金利時代だったから、お年寄りたちは1円でも高い利子が欲しい。そこが詐欺師につけ込まれるのだ。よく新聞や週刊誌、テレビで報道される手口は「3か月100万円を預けてくれれば月5%の利子をさし上げます」という奴。0.01%の低金利に泣かされてきた年寄りが貯めていた年金のほとんどを預け、遂には全額騙しとられたというのがほとんど。
 この種の詐欺事件で腹が立つのは、いま注目されている東京の福祉・介護機器販売会社の女性社長(55)の場合だ。腹が立つ理由は、被害者のほとんどが聴覚障害者である点である。社長や社員が「高い金利を約束する。金利は0.5%」だの「うちの会社は都庁が関係している。一切心配いらない。元本は保証します」などといって金を集め、あげくの果てに女社長は数十億円の金を持ってドロン。
 弱い立場の聴覚障害者を騙す時に、社長や社員は“手話"を巧みに使ってお金を出させている。その上、500万円を預けた人に対し2か月後に再び「あと200万円上乗せしてくれれば金利をさらに高くする」とか平成3年12月には「年末キャンペーンです。金利はいままでの倍。1%にします。ただし5名様まで」という偽のキャンペーンを展開して不幸な人から金を集めるだけ集めて姿を消してしまっている。警視庁では内偵捜査にとりかかっているが、被害にあったのが、障害のある人がほとんどなので、被害の実態をつかむのに時間がかかっているようだ。
 そのほか、新手の振り込み詐欺や預金狙いも横行している。そのひとつに税務署を名乗った還付金詐欺がある。ある日税務署の還付係りと名乗る人物から電話がかかる。「こちらは○○税務署ですが、あなたの税金に対して税務署が支払わなくてはならない還付金がある。あなたが利用している銀行口座に一両日中に還付金15万7千円を振り込ませていただきます。この場で銀行名、口座番号、あなたの携帯電話番号を教えてください」。こういわれるとすぐ教えてしまう。数日経ったら銀行から預金がゴッソリ下ろされていたというケースである。とに角。甘い話がきたときは一度眉に唾をつけて落ち着いて考え直すのが有利である。返事をする前に上司や知人に相談してみるのも良策であろう。

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