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   2006年7月1日号
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遠洋練習航海部隊、マンサニーヨに寄港
 遠洋練習航海部隊(司令官・佐々木孝宣海将補)は、メキシコ合衆国マンサニーヨ港入港中の5月26日金曜日に、マンサニーヨ市役所前広場の特設ステージで野外演奏会を実施した。
 演奏会には、かしまの乗員で編成した和太鼓チーム「祥瑞太鼓」と司令部音楽隊が参加し、地元市民に日本国練習艦隊をアピールした。
 オープニングを飾った祥瑞太鼓は、昨年からメンバーの入れ替わりがあったものの、それを感じさせない息の合った演舞で観客を魅了した。音楽隊演奏では、現地で活躍している琴奏者や日本舞踊家との共演を披露、喝采を浴びた。
 プログラムが進むにつれ広場は多くの観衆に包まれ、最後は当地の名曲「テキーラ」を演奏し大盛況のうちに幕を閉じた。
 また、演奏会終了後には、隊員が現地の子供達から握手を求められたり、一緒に写真撮影をしている光景が多く見られ、隊員も充実感を得た表情で会場を後にした。

<論陣>
イラク陸自の撤収に「ご苦労さま」
=空自・海自は現地で活躍中だ=
 イラクの復興支援のためイラク・ムサンナ州サマワに派遣されていた陸上自衛隊が完全撤収することが6月20日に決定、額賀防衛庁長官が撤収命令を発した。論陣子としては、航空自衛隊と陸上自衛隊、海上自衛隊との同時帰国を理想としていたが、航空自衛隊の派遣隊とテロ対策特措法に基づきインド洋での海上燃料補給のための海上自衛隊は引き続き留まり、支援活動をすることになった。
 「陸上自衛隊の隊員さん、ご苦労さまでした。航空自衛隊、海上自衛隊の隊員さん、本当にご苦労さまです。いまはこの感謝の言葉しか言えません」。率直な気持ちです。
 イラク復興支援隊第1次派遣隊に派遣命令が出された2004年1月から、まる2年半、陸上自衛隊員の派遣総数は延べ5500人にのぼった。非戦闘部隊であるため陸上自衛隊が派遣されたサマワ一帯(ムサンナ州などイラク南部4州)には英国軍8千人が治安維持に当り、自衛隊は英豪軍のバックアップの下で復興支援活動を展開した。サマワには1キロメートル四方の宿営地を構築、ここを拠点にして各次500〜600人の隊員が、給水支援、学校・公共施設の復旧、地元民への医療支援などを行ってきた。自衛隊員たちが派遣された当初のサマワは文字どおり戦災による荒廃がひどく、住む家はもちろん、飲み水もほとんどない状態だった。派遣部隊は、まず給水支援から開始した。タンクローリーに浄水を積み込んで一戸、一戸給水をして回る作業だった。つぎに道路の修復、整理。大型ブルドーザーなど施設装備を使っての作業も続く一方、戦火で壊れた学校の復旧、医療支援など、その支援内容は多種にわたった。復興作業は114か所におよんだが、これは自衛隊が“すべてやってしまう"訳にはいかなかった。自衛隊だけで任務遂行すると、サマワ地域で失業者が大勢でてしまう。それだと社会不安の要因が増えてしまう。自衛隊の指揮官は“失業対策"を地元の役所と協議しながら、雇用の枠を拡げる努力をしていった。防衛庁の統計によると自衛隊といっしょに復興作業をした地元民は合計47万5千人である。これだけの雇用を作り出しながら、復興作戦を展開したのだから指揮官は“軍令"だけでなく“軍政"の面でも苦労したのである。
 陸上自衛隊が実施した作業のあとは、地元行政機関に引き継がれるが、果して“完全復旧"できるかどうかを心配するむきも多い。
 とにかく、現在、サマワに宿営している第10次復興支援群500人と復興支援業務隊(第5次)100人は、近くクウェートに派遣される後送業務隊100人の支援を受けながら、全員帰国の途につくことになる。
 帰国の手順としては陸上自衛隊復興支援群は数次にわたってムサンナ州に隣接するディカル州のタリル空軍基地に移動、ここから航空自衛隊のC―130輸送機でクウェートに向かい、空路帰国。全員の帰国が完了するのは、8月10日あたりとされている。後送業務隊は施設工作機械や車両などを民間業者に輸送を頼む手続きなどの関係上、帰国は9月半ばになる予定である。
 航空自衛隊は守備範囲が拡張する。いまは国連物資などをクウェートからイラク南部のタリル空軍基地に空輸するのが主任務だが、7月以降も残り、新たな輸送先も加わる。いまも内戦(テロ)中のバクダット基地や北部のアルビルなども新輸送基地になる。運ぶ物資も国連物資のほか多国籍軍の物資、兵員の空輸も加わるといわれている。米国などの艦艇に燃料補給している海上自衛隊とともに「ご苦労さまです」と言わざるを得ない。
 とも角、日本国による復興支援直接行動はいま大きく様変わりをしている。このあとどういう支援方法になっていくかは政府の方針次第だが、自衛隊員だからといって決して“戦地"に送り込むことだけはしてほしくない。これは全国民が強く思っていることである。
 イラクから撤収、帰国してくる陸上自衛隊は、最後まで一人の犠牲者も出さないでもらいたい。宿営地の隊員が少なくなったり、陸路、空軍基地に移動するときにはテロリストが狙うチャンスも増える。こうした不時の急襲に備えて自衛強化を実行し、安全に帰ってこられることを希望してやまない。

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