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   2005年7月15日号
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記録的豪雨で出動
第1混成団が災害派遣
沖縄地方1世紀ぶりの降水量
河川氾濫から民家守る
計800袋にものぼる土嚢を民家の周囲に積み浸水を防ぐ隊員たち
 第1混成団(団長・君塚栄治陸将補)は、6月17日断続的な豪雨により氾濫した河川の水害防止のため、沖縄市安慶田地区で災害派遣を実施した。
 沖縄地方は、14日から梅雨前線の影響により連日豪雨が続いており、17日には県内各地に床下・床上浸水、崖崩れ等の被害が相次いで起こった。
 第1混成団長は、情報収集のため、第323高射中隊長以下2人を沖縄市へ前進させるとともに、第1混成群情報小隊(人員5人、車両1両、オートバイ2両)と第324高射中隊偵察要員(人員3人、小型1両)をもって、比謝川、安謝川、テンガン川流域の現地偵察を実施し、被害状況等の情報収集にあたった。
 10時25分、第1混成団は、県知事より、比謝川の氾濫に伴う沖縄市安慶田地区への災害派遣要請を受け、第6高射特科群へ災害派遣を命じた。第6高射特科群長は、第323高射中隊を主力とする人員70人、車両5両を速やかに現地へ派遣。土嚢計800袋で民家の周囲等に積み上げ、河川の氾濫による民家への浸水を防ぐ作業を行った。また、14時33分には、第1混成群(人員35人、車両9両)にも出動を命じ、土嚢570袋をもって第6高射特科群の支援にあたらせ、16時40分全ての作業を終了し、17時、県知事の撤収要請を受け撤収した。
 今回、沖縄県地方を襲った豪雨は、この4日間で、県内各地の梅雨期の総雨量を超えるとともに、17日午後9時には6月としての月間降雨量の最高値を113年ぶりに更新で記録的な雨量となったにもかかわらず、第1混成団をはじめ各防災関係機関が連携し、迅速な対応を行ったため被害を最小限にとどめる事ができた。第1混成団は、今後も防災訓練等を通じ、各防災関係機関との連携強化を図り、迅速な対応に努めるとしている。

宮崎県総合防災訓練
<43普連>
陸海空で関係機関・地元住民と一致協力
 第43普通科連隊(連隊長・立花尊顕1陸佐)は、5月29日県南部の串間市で宮崎県総合防災訓練に参加した。
 訓練は、防災関係機関と住民が一致協力して総合的な防災訓練を実施することで防災関係機関の協力体制を確立。それとともに地域防災計画等の検証、防災時の住民の心構えと防災活動のあり方を認識する目的で見と串間市が共催した。自衛隊、警察、消防、NTT西日本、九州電力、日赤など58機関、約1100人が参加し、串間市内6会場で分散方式により同時に並行して行われた。(写真=CH−47から空中機動で搭載・却下された軽装甲車)
 陸上自衛隊は、第43普通科連隊を基幹に人員158人、車両41両(オートバイ2両、軽装甲車を含む人員輸送車35両、救急車1両)除染車3両、架柱橋2両、航空機3機が、海上自衛隊からは輸送艦「ゆら」、航空自衛隊からは指揮所要因が参加した。
 「午前8時55分、日向灘南部を震源とするマグニチュード7・5の地震が発生、大津波刑法が発令され、更に種子島沖合いにある台風7号の影響で県南部は昼頃から300_を越える強い雨が予想される」との想定。知事の要請を受け各機関は訓練を開始。第43普通科連隊は地震により幹線道が寸断された状況のなか陸路・空路・海路の3経路からの移動検証(展開集中訓練)も兼ねて臨んだ。
 主会場となった福島港では当初OH−1による災害状況の偵察を実施し、次いで情報小隊のオートバイ・軽装甲車による倒壊家屋被災者の情報収集、車両で進入不可能な場所へUH−1ヘリでレンジャー隊員をリペリング降下させ現地の偵察。海上自衛隊輸送艦「ゆら」による海上からの上陸訓練、CH−47からは空中機動訓練により軽装甲車、高機動車を現地へ輸送し倒壊家屋からの救出・救護・護送の訓練。
 福島川親水公園では、消防と共同して林野火災消火訓練として、水のうの作成やUH−1ヘリへの取り付けや空中消火要領を行った。第376施設中隊は、地震で破壊された橋梁に代わる架柱橋を設置し、実際に架柱橋の上を市民が渡る体験も行った。
 市立病院跡では、化学汚染対処訓練を第8化学防護隊と警察が連携して、化学防護服を着用した隊員が汚染された住民の救助・除染訓練を行った。
 串間市役所では防災啓発展示コーナーを設置し、災害派遣の広報写真や人命救助システムを展示・説明し、災害対処能力のレベルの高さを示した。

お弁当を囲んで♪
小学生など53人が施設見学
<弘前駐屯地>
 弘前駐屯地(司令・加藤利幸1陸佐)では6月4日、弘前市三岳児童センターの小学生ら53人が駐屯地見学を行った。児童らは、駐屯地についての説明を受けた後、駐屯地内の施設を見学し各人が持参したお弁当を囲んで昼食をとった。
 この後、指揮通信車の体験試乗や展示用のヘリや戦車の見学を行った。特に指揮通信車の試乗では珍しそうに間近で眺めたり記念撮影をしたりと大いににぎわった(写真上・下)

防協青年部が体験入隊
―7普連―
汗流し「爽快な」気分に
隊員の温かい指導を受け、ロープ訓練に励む入隊者
 第7普通科連隊(連隊長・佐藤正久1陸佐)は6月16日・17日の2日間、「京都府防衛協会青年部」の隊内生活体験入隊を支援した。
 今回、体験入隊に参加した青年部は(男性5人、女性4人)計9人、会社の経営者も含まれていることから年齢層も28歳から55歳と開きがあった。事前に訓練内容を連絡していたため、全員やる気に満ち溢れた顔で駐屯地を訪れた。
 訓練は、2個のグループに分け団体戦と個人戦の対抗形式で各種訓練に汗を流した。
 16日は、基本教練、分隊教練、79ATMのトレナー訓練、セーラ渡りや座席懸垂等痛みに耐えたロープ訓練、さらに全員が土にまみれた障害走を体験した(=写真)。
 翌17日には訓練場所を長田野演習場に移し、市街地戦闘訓練及び新隊員の戦闘訓練の見学、更にオリエンテーリングでは各グループ毎定められた地点から前進を開始し、紫陽花寺として有名な観音寺まで競争。ゴール手前500m地点で互いを確認した両チームは相手チームに負けじと駆け足でゴールを目指した。
 駆け足でゴールした体験入隊者達は、「久しぶりに全力で走り爽快でした」と汗だくになりながら語った。
 青年部の男性は帰隊の際「非常に充実した訓練ができ良かった。また来年も来ます」と語った。 

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