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   2005年7月1日号
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自衛隊協力者1,838人が体験航海
<東京湾>
東京など4個地連も支援
 6月18、19の両日、束京都中央区の晴海埠頭で護衛艦「しらゆき」(艦長・酒井良2海佐)の体験航海が行われた。東京、埼玉、栃木、群馬の4個地連が参加支援して行われた(=写真)。
 青空が見える爽やかな天候のもと、2日間で1,838人が訪れ、東京湾のクルージングを楽しんだ。
 普段見ることのない護衛艦の姿に圧倒されながら「しらゆき」に乗艦すると、さっそく艦内・艦上を興味深く散策し、案内を行う隊員に積極的に質問するなどしていた。
 常に人でいっぱいになった操縦室は、緊張感のなかで指令・伝達が飛び交い、実際に艦を動かしている隊員の姿を、乗艦者は時間が経つのを忘れ見入っていた。
 そのほかにもラッパ吹奏、ビデオ展示など年齢を問わず楽しめる様々な催し物が行われ、制服展示・試着コーナーでは、興味深く制服を眺める人や、恥ずかしがりながらも胸を張って記念撮影する姿が見受けられた。乗艦して30分後、ラッパ吹奏と共に手旗信号の実演が行われ、言葉を手旗で表現したものを、すばやく読み取る乗員の技術に参加者は感心していた。
 体験航海終了後、参加者からは「普段、乗る機会のない船に乗ることができて面白かったし、乗組員の方には親切に説明をしてもらって(自衛隊が)より身近になった」との声も聞かれた。
 一方、桟橋の受付会場の外でも「しらゆき」をバックに写真撮影ができるコーナー、新潟県中越地震支援活動の写真パネル展示、砕氷艦「しらせ」が持ち帰った南極の氷、自衛隊の携行食の展示などが東京地連主催で行われていた。このように、約90分間の体験航海を楽しんだだけでなく、艦外でも自衛隊協力者との絆を深め合った2日間だった。

管理栄養士の卵
国分駐屯地で学ぶ
 5月30日から6月10日の間、国分駐屯地(司令・保坂一彦1陸佐)業務隊・糧食班は、鹿児島純心女子大学学生1名の調理実習を支援した(=写真)。
 実習は、それぞれ2週間5力所の事業所で行われ、当駐屯地がスタートとなった。この実習は、「実践活動の場での課題発見・解決を通して、栄養評価・判定に基づくマネジメントを行うために必要とされる専門知識及び技術の統合を図り、管理栄養士として具備すべき知識及び技能を修得させること」を目的に行われ、先ず始めに演習等で活躍中の野外炊事車?号の機能・能力や使い方などの説明を受けた。
 次に、沢山の食事を一度に調理する現場に入り実際に何百人もの食事の準備や配食要領について学び、今まで体験出来なかった大量給食施設で隊員の指導を受けながら、専門的な材料の裁断、調理・味付け及び水加減等2週間の自衛隊の調理場を体験した。
 体験の中で、実習生は「この経験を自分の財産として、これから栄養士として社会にでる時に役立てたいと思います」と感謝の気持ちをいっぱいに残し駐屯地を後にした。

防衛協会総会開く
香田統幕事務局長が講演
 全国防衛協会連合会及び東京都防衛協会(山口信夫会長)の定期総会が6月14日、グランドヒル市ヶ谷で開催された。総会には、全国から多数の関係者が出席、議題などについて活発に意見交換した。
 その後、会場を移して、統幕事務局長の香田洋二海将が「日本の安全保障とミサイル防衛」について講演、この日、MDの手続きを定める自衛隊法改正案が衆議院で可決するなど、非常にタイムリーなテーマだったので、参加者一同、約1時間にわたって熱心に聴講した。最後に、香田講師に対して日吉章防衛協会理事長(元防衛事務次官)が謝辞を述べ、講演会を終了した。
 引き続き、今津寛副長官、北村誠吾、柏村武昭両政務官をはじめ衆参国会議員や関係者多数出席のもと、懇親会が盛大に開催された。

<論陣>
中国通貨"元"を知ろう
なぜ切り上げを米が迫るのか
 米国が中国の通貨である"元"の切り上げを声高に要求。中国もしぶしぶながら要求にこたえる姿勢を見せている。米国は中国の繊維製品の輸入制限を強行させるまでエスカレートしたのは「国内の繊維業界が危険に陥り、さらにEU(欧州共同体)の同業界も大不況寸前にある。その原因は元安にある」というのである。
 「元を切り上げよ」。米国、欧州各国、そして日本までがその声に同調してきた理由は素人=しろうと=のわれわれにはよく分からない。ほとんどの庶民は「通貨問題はむずかしいし、元がどうなっても、わたしたちの日常生活には、あまり関係ないんじゃあないの」と思っているようだ。
 ところが、その考えは実は大間違い。「元」はわれわれの日常生活と直結しているのである。「元」が切り上げられると、いま全国に流行している「100円ショップ」の経営が苦しくなり、悪くなると姿を消すかも知れないのである。また、スーパーマーケットで売られている格安の中国野菜も原価高になってあっという間に2割高、3割高。安い繊維製品、下着やカッターシャツ、Gパンなども姿を消す可能性があるのである。言葉を変えると「元切り上げ」は日本人の生活出費を増やしてしまうのである。
 米国経済に打撃を与えている「元」と「ドル」それに「円」との関係を説明すると、いまの中国通貨「元」の位置付けが一応、理解できると思う。むずかしい経済用語を並べたてるよりも日本、米国、中国の通貨の説明をする。
 日本が第2次大戦で敗れ、米国(軍)の施政権(事実上軍政)下に置かれた時、米国の通貨1US$(ドル)の為替相場は360円に固定されていた。米国タバコを闇で手に入れようとすると1箱400円ぐらいだった。ケネディ大統領時代に完全自由為替制になるまで1ドル360円〜308円だった。その時「元」は1ドル10元ぐらいだった。そのころの資料だと正式には1元が日本円で140円であった。
 円とドルはいま、自由為替相場だから、そのときどきの国の経済力に従って通貨相場で円とドルの価値(値段)が決まっているのが現状である。例えば2005年5月〜6月の円・ドル相場は、ほぼ1ドル105円〜108円ぐらいである。かつて1ドル360円時代から見ると円はものすごく高くなっている。国の経済力が国際的に強くなっていることを物語っている。
 中国の「元」はどうか。「元」は表面上は自由相場制ということになっているが、実は中国政府の政策で実質的には固定相場なのである。だから新聞の為替欄には各国と円との毎日の相場が載っているが、「元」だけは「参考相場」とあり、円と元の相場は参考値しか載っていない。だが、実質固定相場では「US1ドル8・28元」である。
 「元」と「円」は、旅行した人には分かるが1元が140円(1947年)だったが、1982年には1元が125円、1996年には1元が78円。そして2004年冬の上海では、1元が15円になっていたし、ことしも春、14円だった。1元140円の時からみると、ちょうど10分の1である。最初の旅に比べると10分の1の値段で土産が買えるのである。
 ところが、中国政府は公式に、貿易決済などは、かたくなにUS1ドルを8.28元に固定し続けている。米国の繊維小売業者は「中国製の靴下、下着、スカートは安い」とどんどん輸入し、ディスカウントセールをやりまくる。中国側も「売れるからさらに安い品物を輸出する」として、集中豪雨形の商取引をやりまくってくる。
 確かに中国は人件費が安いし、地方の工場用地も安い。安い工賃で作る製品の品質も10年前に比べると良くなってきている。中国政府としては、いま、上向いている景気をさらに上向きにするには、できる限り「元」をいまの形にしておいて、稼ぎまくりたい−−のが本音なのである。ここで1USドルを5元などにすれば中国経済は潰れてしまうというのがいまの中国政府の心配なのである。「元」の切り上げは、日本のマーケットにも相当強く響くことになる。大工道具、サングラス、老眼鏡、ドアの取っ手など、日本産では決して手に入らない物や食べ物が100円。そうしたことが"元"の動向ひとつで明暗を分けることになる。

富士総火演 一般公募のお知らせ
 陸上自衛隊は、8月27日(土)(10時20分〜12時予定)、東富士演習場場で実施する
「平成17年度富士総合火力演習」の観覧一般公募を次の要領で行います。(入場無料)
 〈応募要領〉(1)往復はがきに 1.住所 2.氏名3.年齢 4.性別 5.交通手段(マイカーまたは電車) 6.券の種類(一般券または青少年券)を記入して〒119-0351東京都牛込郵便局留陸上幕僚監部広報室「富士総火演H」係宛に郵送して下さい。※記載内容が十分でないはがきは返信できない場合があります。
 (2)当落は、返信はがきにて連絡します。当選はがき1枚につき4名入場可能
 (3)多くの青少年層に来場していただくために29歳未満限定の「青少年券」を設けています。同伴者については年齢制隈なく本券で入場可能
 〈応募期間〉6月20日(月)〜7月18日(月)必着
 〈交通手段〉
 (1)電車の方は、JR御殿場駅から臨時直通民間バス(有料)をご利用下さい。
 (2)マイカーの方は、返信はがきに記載された駐車場までお越し下さい。各駐車場
から演習場までは無料シャトルバスをご利用下さい。
 〈問合わせ先〉防衛庁陸上幕僚監部広報室 ?03・3268・3111(内線40091〜4)
 陸上自衛隊ホームページによる案内

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