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   2005年4月1日号
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「挑戦」「献身」「誠実」を体現する隊員に贈る
陸自 誇り高き幹部自衛官顕彰式
災害派遣、イラク支援活動等称え16名が受賞
 陸上自衛隊が掲げる「挑戦」「献身」「誠実」の3つの心得を体現し、隊員の模範となる自衛官を表彰する「誇り高き幹部自衛官」の顕彰式が3月3日、東京・グランドヒル市ヶ谷で開催された。今年で4回目。
 顕彰式には森勉陸上幕僚長、折木良一陸幕副長はじめ陸幕各部長、各方面総監人事課長が夫人を同伴して出席、16名の受賞者も妻や子供、兄弟とともに式典に臨んだ。
 はじめに陸幕長が挨拶に立ち、「陸上自衛隊は大きな転換期を迎え、任務が益々多様化する中、国内外の期待と信頼に応えるには皆さんのような自らを鍛え、部隊の中核となって活動する隊員が重要になります。今日は感謝とお礼の気持ちを陸上自衛隊の代表として申し上げます」と述べ受賞者の功績を称えた。続いて陸幕長から受賞者一人ひとりに賞状と盾が手渡され、家族からのねぎらいのメッセージとともに、功績理由が紹介された。また、夫を支えた隊員の妻には陸幕長夫人から「内助の功賞」として記念品が贈られた。
 引き続き開かれた陸幕長招宴では、防衛弘済会常務理事ら来賓から祝辞が述べられ、なごやかな雰囲気の中、受賞者は家族や職場仲間に囲まれてあたたかい祝福を受けた。
 顕彰受賞者は次のとおり。名前、所属部隊、受賞概略の順。
 【北部方面隊】▽源田速雄1尉(北方航空隊本部付隊)航空操縦土として夜間・悪気象条件下での災害派遣を安全確実に遂行。述べ56件101日間の災害派遣に出動。地域住民との交流等にも尽力。▽佐藤英夫3佐(北方通信群)システム運営隊長として多種多様なユーザーのニーズを収集・分析し、国際貢献活動、指揮所活動におけるシステムを開発・提供するなど近代化への貢献等▽千貝一彦1尉(2施設大隊)イラク人道復興支援活動の先遣隊要員として活動基盤を確立。帰国後は、2次以降の派遣準備普及教育、部外講話等を実施▽鮫島光徳(18普連)第2次イラク復興支援群第4科長として支援群の活動基盤を飛躍的に改善。地域ボランティア活動等に尽力
 【東北方面隊】▽和田信義2佐(2特科群)隊員の職務遂行意欲の向上に尽力。ロケット部隊年次射撃においてMLRS部隊初精度・速度100%達成等▽長岡誠二1尉(6通信大隊)「武人・戦士」の気概を入隊以来持ち続け、精進努力を継続。徹底した指導・教育、地域貢献等。
 【東部方面隊】▽藤本眞介3佐(神奈川地連)地域中学校で総合的学習を担任し、講義を行い自衛隊生徒の志願者を獲得。民生委員等との交流、ボランティア活動に参加▽阿部金二1佐(2普連)連隊長として部下を妥協することなく指導、持ち前の挑戦心を部隊に吹き込む。中越地震災害派遣で身を挺して職務を遂行。
 【中部方面隊】▽水嶋誠2尉(京都地連)台風23号の被害による災害派遣時、募集相談員のネットワークを最大限に活用し、被害情報等を収集。地元メディアを活用した自衛隊理解獲得への尽力等▽猿楽直人1尉(3師団司令部付隊)中国遺棄化学兵器の発掘・回収事業に陸自チームリーダーとして参加、無事故での任務完遂など▽堤三也1尉
(14普連)51歳で体力検定1級を維持。雪山遭難者の救出活動を志願し、献身的に任務を完遂。
 【西部方面隊】▽楠原重利2尉(西方管制気象隊)50歳を過ぎても日々体力の限界に挑戦、常に自己への挑戦を継続。空手の特技を生かした地域交流の貢献等▽石田恭二3佐(40普連)官民関連機関との大規模防災シミュレーション訓練を企画及び実施し、連携強化、信頼醸成に寄与等▽木下博子1尉(熊本病院)英語を自学研鑽し、第4次東ティモール派遣施設群の通訳幹部として任務を遂行。看護官としても健康管理指導を献身的に実施し、派遣部隊の任務達成に寄与等。
 【直轄部隊】加藤功一3佐(富士学校部隊訓練評価隊)イラク派遣部隊に対する警備訓練の準備に当たり、サマーワでの現地偵察を実施、FTCにおける実際的統裁・評価の実現等▽清水剛3佐(少年工科学校)生徒教育に全力を傾注するとともに自己練磨に邁進。生徒、保護者の信頼が厚く、銃剣道等を通じ地域社会に貢献等。

「元気を出して!!」山古志村民にエール
30普連など長岡で慰問コンサート開催
 第30普通科連隊(連隊長・山中敏弘1佐)は3月12日、中越大震災で全村民が避難し、現在は長岡で仮設住宅の生活を余儀なくされ生活を送っている山古志村民への慰問を実施。慰問演奏は、「頑張れ!山古志」激励コンサートと題して、越後丘陵公園(長岡)「花と緑の館」で行われた。
 当日は、あいにくの雪で、村民の出足が心配されたが、幸いにも約200名の村民が集まり、準備した椅子が全て埋まる満員の状況。開演に先立ち連隊長は、「山古志村の皆さんを応援するため、演奏会等を企画しました。是非、楽しんで元気をだして下さい。また、山古志村の復興はこれから本格的になります。長島村長を核心として一日も早く復興と帰れる日を祈念します」と挨拶した。
 コンサート第1部は宮村曹友会会長が司会進行、始めに新発田ラッパ隊16名による吹奏で一日の様子(課業)を披露。「起床」、「食事」等旧軍とのラッパの吹きくらべや、銃剣道・格闘訓練展示を楽しんだ。第2部では広報室の見田2曹が司会を努め、高田駐屯地音楽クラブと新発田駐屯地音楽クラブの合同演奏を10曲ほど披露した。その中で、新発田クラブを代表し新発田の「ヨン様」こと、徳政2曹が「冬のソナタ」の主題歌「初めから今まで」を熱唱。また、東部方面広報室の新木1尉が「ヘッドライト・テールライト」を広報室で作成した山古志村救出DVDの映像をバックに感情込めて歌い上げると、村長初め村民は感動し涙を流して聞き入った。
 演奏後、挨拶に立った長島村長は、「地震発生から今日まで勇気と安心をいただき、生涯忘れられないと思います。大変お世話になりました。大変楽しむ事が出来ました」と感謝の言葉を述べ、村民からも、「DVDの動画等感動しました!!本当にありがとうございました」「元気が出ました」「楽しかったです」と御礼のお言葉がかけられた。

<普通科教導連隊>
英陸軍下士官を訓練研修
武道で日米英交流も
 普通科教導連隊(連隊長・米満義人1佐)は1月30日から2月12日までの間、英国陸軍歩兵下士官を受け入れ、各種訓練等の研修を通じ、英国陸軍との相互理解及び信頼醸成を図った。
 教育訓練交流には富士学校が受け入れた英国陸軍歩兵連隊のスローン大尉、サザン准尉の2名が参加。富士、滝ヶ原駐屯地及び東富士演習場等を使用し、訓練研修、部外研修、ホームビジット等を実施した。
 この間連隊は、サザン准尉を受け入れ、補助担架集合訓練、BOC課程学生のFTC準備訓練及び市街地戦闘普及訓練の研修、曹友会による箱根観光、ホームビジットを実施するとともに、2月1日には隣接する米軍キャンプ司令官等の参加を得て、格闘練成隊及び銃剣道練成隊による武道展示並びに訓練体験を実施し、会食等も実施され日米英の交流も行われた。
 通訳として参加した田嶋2曹は、訓練の研修は勿論、課業外等における身の回りの世話を担当。曹友会も同行事を支援し、それぞれに日英交流に努めた。
 〈サザン上級准尉コメント〉
 各種訓練の研修を通じ陸上自衛隊と英国陸軍の類似点、相違点を学び、今後の勤務の参考とすることができ大変実り多い研修となりました。この訓練交流をこれからも継続していくことは日英双方にとり非常に有益であると確信をしました。最後に、滞在間の親切なもてなしと多岐にわたり便宜をはかっていただき日本及び陸上自衛隊に対する大変良い印象をもって帰国できることに心から感謝を申し上げたいと思います。
 〈田嶋2曹コメント〉
 交流の間、英語を通じたコミュニケーションにより日英間の相違を直に学び、また英国陸軍との相互理解、信頼醸成に少しでも寄与することができたことは私にとって大変名誉なことでありました。またこれらの活動を通じて学んだことを少しずつ隊員の皆さんに伝えて還元することができるよう努力していきたい。

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