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   2004年12月1日号
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スポーツよもやま話
根岸直樹
“旋風”巻き起こすか 田尾・楽天
 「いやあ、正直ガックリでした」。東北楽天ゴールデンイーグルス・田尾安志監督が苦笑まじりに口にした第一声。十一月初旬、本拠地・仙台で行われた地元ファンとの初顔合わせ直後のことだ。段上に並んだ選手40人とコーチ陣。「顔と名前が一致する選手、いますか」と問いかけた田尾監督に対し、いっせいに「知らなァい」。
 選手よりも田尾監督、M・キーナード・ゼネラルマネジャー、山下大輔ヘッドコーチ、駒田徳広打撃コーチなどの方が知名度が高かった。この現象は大阪。藤井寺球場の秋季キャンプでも尾を引いていた。
だが、田尾監督は胸を張って断言している。「前のチームで持てる能力を出し切れないでいた選手が多い。そういう選手の力をうまく引っ張り出して戦えば、皆さんが考えているよりもかなり上の順位を狙えるとコーチ陣と話し合っている。一からスタート。エエッとびっくりしてもらえるようなチームに仕上げてみせますよ」と。
 新チームの監督に田尾さんが就任するとは思ってもいなかったので、発表されたときはびっくりした。しかも、強気発言がポンポン飛び出したのだから最初は驚いたが、よくよく考えてみると田尾発言、いちいちうなづけるのだ。
 田尾さんは現役時代から生真面目な選手で、取材はやりやすかった。オブラートに包んだような発言や、口から出まかせを言うようなことは一度もなかったはずだ。中日で新人王を取り(1976年)西武―阪神を渡り歩いた12年間。‘85、‘86には西武でリーグV、日本一も経験している。ベスト10に3回も輝く華麗なプレーでファンを魅了してくれた。
「 田尾さんのグラブは鼻が曲がるほど臭い」というウワサを耳にして、確かめてみたことがある。たしかに汗と油のまじったすえたようなすごいにおいがした。しかも、これがプロの選手のものか、と目を疑いたくなるほど、あちこちが補修してあり、使い込んだためかグニャグニャだった。
 「手になじんで、体の一部のようだ」と話してくれたのを思い出した。グラブもバットも入念に手入れされており、大切に使っているな、と感心させられたものだ。元西武・森祇晶監督に「用具を大切にする選手は大成する」と教えてもらったことがあったが、田尾選手はその典型だったのだ。監督として選手を見事に乗りこなし、チームを補修する才腕につながらないか。
 とすれば、新チームをあづかり、一流チームに育て上げる仕事を引き受ける人材としては打ってつけなのではないか。「やる気、能力をフルに発揮できる環境を作っていくことがボクの仕事」という田尾新監督の東北楽天ゴールデンイーグルスが、仙台を中心に「東北旋風」を巻き起こし、プロ野球関係者、ファンをアッと言わせてくれることを祈りたい。

HOME’s English Class(防衛ホーム英語教室)
I SEEM TO HAVE PICKED UP A COLD
アイ シーム トゥ ハブ ピックド アップ ア コールド
どうも風邪をひいたらしい
 Hi!皆さん。お元気ですか。沖縄は、まだ日中は半袖で生活ができます。太陽もぎらぎらと輝いております。度重なる台風で傷ついた木々も新緑に萌え、日の光に若葉を反射させています。年に春が2度あるようなものです。心地よい風が木立の中を吹き抜けていきます。沖縄は今最高のシーズンです。機会がありましたら、この時期に沖縄を訪れてください。

 さて、今回の表現は、“I seem to have picked up a cold.”「どうも風邪をひいたらしい」です。アメリカ人は、風邪をひいていることをなかなか認めないところがありまして、「風邪ひいてるんじゃない?」“You seem to have picked up a cold.”と聞いても“I don’t hope so”「じゃないといいんだけどね。」と返してきたりします。そう言う反応が小さなカルチャーギャップで、会話が続かなくなってしまいますので、英語でなく考え方の違いに留意してください。“You should go to see the Doctor’s”「お医者さんに行った方がいいんじゃない?」とか“Go to drugstore to buy medicine”「薬買いにいったら?」といっても、症状が軽いうちに薬を飲んだり、医者にいったりする習慣や通院のシステムがちがうので、忠告しているのに反応がいまいちだなと思うことは性急です。相手の文化や生活を理解する良い機会です。日本の常識は、世界の非常識ということもよくあることです。

 本土はかなり冷え込んできているようですね。くれぐれも御自愛ください。それでは、また。See ya!

(陸幕防衛部=在沖縄米海兵隊司令部キャンプ・コートニー勤務)<スワタケル>(イラストも)

雪月花
 ことし、古賀政男さんの生誕百周年を十一月に迎えた。カラオケに行けば必ず誰れかが「悲しい酒」や「人生劇場」を歌っている。私もその中の一人だが…。本紙が創刊された昭和四十八年の第二号、十一月十五日号用にインタビューしたのが古賀さんの誕生日だった。代々木上原の古賀邸は今は古賀政男音楽記念館になっているが、うっそうと茂った庭園と陽あたりの良い長い廊下のある日本家屋に圧倒されたことを今でも憶えている。とかく文化人は「反自衛隊を言わなければ」の風潮の中で古賀さんは熱っぽく国の自己防衛を自分の家を守る心として語ってくれた。「国を自衛するというと目の敵にして反対する思想があるでしょう。卑近な例として、自分の家を守るのに犬も飼わなければいかんし、不用心だったら人も置かなければならない。それをしてはいけないということは考えがおかしいんじゃないかと思います。自己防衛を言うと、すぐ戦争につなげて考えてしまう。考えすぎですよ。」うそみたいな話しだが、当時はこれだけのことを言うのにかなり勇気が必要だった。大御所だから言えたことだろうと思った。時を経て自衛隊支持率は過半数を超えている。そしてことしの大人気の音楽まつりも終わったが、古賀さんはその当時、自衛隊音頭を作って武道館で全員で踊ったのが最高に楽しかったと言われた。音楽まつりは見る人誰れもが感動を憶えるようだ。隊員のあのひたむきさ、純粋さが胸にジーンと来ると古賀さんが話していたことを今思い出している。(所谷)

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