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   2004年9月1日号
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9ヶ月ぶりの帰国
第4次東ティモール派遣隊
帰国歓迎行事 23名の隊員に
祝賀会食で9ヶ月ぶりに家族と再会(福岡)
 第4師団(師団長・澤山正一陸将)、福岡駐屯地では7月6日、UNMISET第4次東ティモール派遣施設群(15年10月〜16年6月)の任務終了に伴い帰国した23名の派遣隊員に対する帰国歓迎行事を挙行した。
 体育館で挙行された帰国歓迎式典は、部内外から多数の来賓の出席を得て、派遣隊員の帰りを心待ちにしていた隊員家族らが見守る中で行われた。
 ステージ上に整列した派遣隊員は、以前にも増して逞しく堂々としており、全員が任務を完遂した達成感に溢れていた。隊員紹介に引き続き派遣隊員を代表して師団司令部付・兒玉3陸佐が力強く帰国報告を行った。
 次いで、澤山師団長が派遣隊員に対し、「諸官達が、第4師団および陸上自衛隊の代表として、誠実にそして黙々と任務に邁進し、見事任務を完遂し、国内外から極めて高い評価を受けたことは、師団長として誇りであり喜びである。諸官達は今回の経験と誇りを堅持し、今後とも活躍して戴きたい」と述べ、隊員家族に対しては「約9ヶ月の国際平和協力活動で、ご主人・ご子息・ご息女を暖かく見守り激励し続けて戴きまして誠に有り難うございました。皆様とともに、名誉ある帰国を心から歓迎したいと思います」と感謝の言葉を述べた。
 式典終了後は、隊員食堂で、祝賀会食が催され、派遣隊員と家族が再会を喜ぶとともに、参加者全員が隊員の任務完遂を祝った。

17名帰国 威風堂々と行進

家族から花束を受け取る第2派遣隊員(都城)

 都城駐屯地(司令・川崎朗1陸佐)では6月5日と17日の両日、第4次東ティモール施設派遣群の隊員17人が任務を達成し帰隊した。
 5日に第1派として、43普連1中隊の荒牧翼3陸曹、17日には第2派として9施群345施設中隊の古沢隆宣陸曹長以下16人が駐屯地音楽部の演奏曲にあわせて威風堂々と行進し、首を長くして帰国を待ちわびていた家族や隊員約800人の盛大な出迎えを受けた。派遣隊員が駐屯地に到着すると家族は花束を手渡し、子供達は「おとうさんおかえりなさい」と大きく書いたプラカードを広げ、つま先立ちで自分の父親を捜していた。出迎えの隊員達は「ご苦労さん、よく帰ってきた」と派遣隊員と握手を交わし、肩を叩いて再会の喜びを分かち合っていた。派遣隊員達は、現地での厳しかった活動を物語るかのように真っ黒に日焼けした顔で元気な姿を見せ、感激のあまり涙を流す家族も見られた。
 古沢陸曹長から帰隊報告を受けた川崎司令は「長い勤務本当にご苦労様でした。家族の方々も一日千秋の思いで待っていました。ともに祝いたい。本PKO活動の成功は、東ティモールと日本国の友好関係の礎となった。我々の誇りである。この経験を活かし自信と誇りをもってこれからの勤務に生かしてもらいたい」と訓示した。
 家族は、「感激で胸一杯です。ゆっくりと休ませてあげたい」と話し、帰国報告後、家族と再会した隊員達は、夫あるいは父親の顔にかえり、相好をくずして留守をしっかりと守ってくれた家族に労いの言葉を掛けていた。なかには日本を離れるときに誕生した子供もおり、9ヶ月の間で成長した子供の顔をいとおしそうに眺めながらもその成長ぶりに驚く隊員もおり、あらためて今日の重みをかみしめていた。

副群長・迫2佐 「自衛官として誇り」
 国分駐屯地(司令・保坂一彦1陸佐)では7月13日、第4次東ティモール派遣施設群の派遣隊員として同駐屯地から参加した4名の帰国式を駐屯地で実施した。
 派遣隊員4名は第4次派遣施設群405名の一員として道路や橋の維持のほか、住民への歯磨き指導など支援し任務を終了した。
 式は、国分市長など多数の来賓や派遣隊員家族、同駐全隊員の見守る中、現地で派遣施設郡の副郡長を努めた迫輝昌2陸佐が保坂司令に帰国を報告。司令は「困難な仕事を無事にやり遂げてくれた。経験を今後に生かしてほしい」と述べて派遣隊員の労をねぎらった。
 その後、隊員食堂で派遣隊員の家族を交え帰国歓迎会食が行われ迫2陸佐は「自衛官として国際貢献に参加したことは誇りである。今後の自信となった」と話した。

県副知事を表敬 活動を説明
 迫輝昌2陸佐は約9ヶ月ぶりの帰国に伴い7月5日、鹿児島県脇田副知事を表敬訪問した。
 迫2陸佐は県庁職員の温かい出迎えを受け早速、副知事室で東ティモールでの活動(道路修補、給水支援、撤収)、現地状況などを説明。同副知事は終始熱心に聞き、最後に労をねぎらう言葉で帰国を祝福した。


5日間の調理実習を支援
―福知山駐屯地―
 福知山駐屯地(司令・財城昭彦1陸佐)は7月5日から16日までの間、京都短期大学(四方正義学長)の学生5名の隊内生活体験を支援した。
 今回の隊内生活体験は、京都短大学長からの依頼を受け、校外実習の一環として食物栄養科の学生40名の内5名の男子学生を受け入れ駐屯地業務隊が支援した。
 5名の学生達は、2回に分かれ、それぞれ5日間の調理実習を行った。
 実習科目は、毎日約1300食分の調理・盛り付け・配食等の調理実習、栄養業務・自衛隊給食等の実務実習、そして献立作成と栄養指導媒体作成の課題も与えられた。また、糧食班の隊員が昼休憩の時間を利用して毎日行っている駆け足や水泳の体力練成や駐屯地の概要説明、史料館見学等の時間も組み込まれた。
 参加した学生達は、当初「なぜ、体力練成の時間があるの?」と不安そうであったが、「体力の維持管理は自衛官の基本であること」、また「体力練成を経験することによって、自衛隊給食のカロリー計算、味付けを理解することが出来る」の説明を受けると「久しぶりの運動ですが頑張ります」と意気込んでいた。
 学生達は、「当初、自衛隊で実習を行うことに不安を感じていましたが、親切に教えて頂き、糧食班長他、沢山の方々に支援をして頂き感謝しています。本当に有り難うございました」とまっ黒に日焼けした顔で語っていた。

創意工夫の意見 業務改善提案を審議
―1教団―
 第1教育団(団長・松岡和夫1陸佐)は7月5日、団本部で野崎副団長を審査委員長として、業務改善提案審議会を実施した。
 隷下部隊から創意工夫あふれる多数の業務改善提案・意見が寄せられ、当日は、提案者からの提案理由などを聴取して、改善の効果、創造性などを総合的に審査した。方面への上申提案14件を得るとともに、隊員の業務改善意欲の向上および隊務運営の効率化について意識の高揚を図った。

「アットホーム」開催 留守家族を慰労
<佐世保地方総監部>
 佐世保地方総監部(総監・中尾誠三海将)では、インド洋に派遣されている護衛艦「こんごう」「ありあけ」乗員の留守家族に対して、7月11日午後1時30分から海上自衛隊平瀬体育館でアットホームを実施した。
 留守を預かる家族に対し、隊員たちの任務、艦艇の行動エリア、洋上での勤務状況および生活環境等を説明することで、留守家族が少しでも安心し、親子で七夕を楽しむために計画したもの。
 当日は梅雨も明け暑い日差しの中、130世帯441名もの家族の参加があった。
 アットホームの開催に際し、佐世保地方総監部管理部長の挨拶に続き、第2護衛隊群司令による派遣業務の現状説明、連絡事項および質疑応答が実施された。その後佐世保音楽隊による「千と千尋の神隠し」「となりのトトロ」など楽しいアニメソングが演奏されると、ちびっ子たちの歓声が沸き起こった。演奏終了後、場内3ヵ所で、派遣部隊から届いた「ビデオレター」の放映が始まると、留守家族が真剣な眼差しで画面を食い入るように眺めていた。
 派遣隊員からは留守家族に、「お母さんを助けてくれてありがとう」、「帰ってきたら一緒に遊ぼう」中には、新婚さんらしく「愛しているよ」と呼びかける隊員、さらにはアラビア語で話しかける隊員など、各艦・各配置で創意工夫された見事な演出であった。ビデオを見ていた留守家族は「お父さんだ、元気そうだね」「うわー真っ黒だ」「痩せて別人みたい」とさまざまな反応があった。
 この日のイベントは佐世保地方隊先任伍長および先任海曹会会長を中心に企画されたものである。体育館の一角では親子が「短冊」に願い事を書き、楽しそうに笹に結びつけていた。この「短冊」は、別室で撮影された家族から乗員へのビデオレターとともにインド洋へ届けられる。
 体育館の周りではヨーヨー釣り、ストラックアウト、トランポリンなど行われ、小さい子供たちが歓声を上げていた。
 主会場の体育館内は蒸し暑かったが、場内に用意された「綿菓子」を手に「かき氷」「ジュース」「麦茶」で喉を潤し、各所に立てられた「氷柱」では子供たちが「大きな氷だね、初めて見たね」と飽くこともなく撫で回していた。アットホームは午後4時半をもって終了したが、留守家族の子供たちにとっては、楽しい一日となった。

民間人救助し感謝状
―厚木救難飛行隊―
 厚木救難飛行隊の澤村昌則海士長は7月16日、沖合に流された民間人救助により神奈川県鎌倉警察署長から感謝状を受賞した(写真)。
 澤村士長は7月1日昼過ぎ、余暇を利用して鎌倉市七里ヶ浜海岸においてサーフィンを楽しんでいたところ、海岸から約60メートル沖合に流され漂流中の男女を発見し、付近に居合わせた民間人1名とともに漂流者の救助活動を行い無事救助し、通報で駆けつけた消防隊員に引き渡した。
 当日の現場海上は、台風の影響により約2メートル近くの波の高さで、少しでも発見が遅れていたなら最悪の事態になった可能性もあった。彼の持ち前の正義感と迅速かつ柔軟な対応により2名の命を救うことができた。
 澤村士長は、当直の合間を見つけては趣味のサーフィンを楽しむスポーツマンで、また水上安全講習も受講しており海のことを熟知している好青年である。
 受賞後に彼は、「夏季レジャーでの海難事故の多さに心痛めている。今後も自分の時間を大好きな海で有意義に過ごすとともに、周囲に目を配りながら楽しんでいきたい」とプライベートでもシーマンシップがにじみ出る一言を残した。
 鎌倉警察署長は、「最近は、見て見ぬ振りをする人々が多いが、澤村士長の迅速な発見、勇気ある行動に感謝します」と賞賛した。

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